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魔弾

 カタコンベにて。

 地下の夜か朝かも分からない空間の中、クロウは魔弾を手にフィオが椅子の背もたれに埋まり寝ている横を通り過ぎた。

 クロウは魔弾を銃に装填しカタコンベの管理されていない奥深くへと向かう。

 奥へと行くに連れ外灯は減っていく。

 ついにはそれも無くなりクロウは闇に包まれた。

 しかしそれでもクロウは問題もなく進み続ける。

 すると一匹のレッドキャップが現れた。

 血まるけにゴブリン。

 クロウはちょうどいいと構え引き金を引いた。

 バンッ

 銃声が響くと同時にゴブリンの体は貫かれ、そこにはまるで何かに噛みちぎられたかのようにえ大きく、えぐられたゴブリンの死体がそこにあった。

 「十分だな」

 当たった箇所から肉をそぎ取る程の威力。

 これなら魔力を帯びた上級者の弓といい勝負が出来るだろう。

 そこから、銃声を聞きつけてか他にもコボルトやスケルトンが次々と闇の奥から出てくる。

 そのたびにクロウは試し撃ちを行い欠点が無いかを調べ、魔弾の出来に満足した。

 …

 帰る途中、様々な店を通り過ぎる時武器屋の前でクロウは立ち止まった。

 拳銃が武器屋で一番置くの棚の中に置かれ売られている。

 拳銃はとても貴重で滅多に見る事は無い。

 遥か東方、銃国ティラドルではガンスミスと呼ばれる銃を作る職人がいると聞くがそれでも銃は貴重だ。

 クロウはその店に入りすぐさまその店の店員に銃を指差し購入した。

 これで拳銃は2丁、着ける場所に困るため一丁は紙包みのまま脇に抱えて持って運ぶ。

 今度は服屋の前にクロウは止まった。

 「済まない店主、オーダーメイドでこの二つの拳銃が背中の腰に付けられるようにしてくれ」

 クロウはその後も様々な店を転々とした。

 そういえば青のポーションも切らしている。

 ポーション屋は街の中央から外れにある店が質がよく安価だ。

 このカタコンベからもその店に繋がっており、買いに行ける。

 ここの地下に来るルートは様々ありどれも隠されており一般人は立ち入ることは無い。

 クロウは少しどうしようかと迷いそのポーション屋に行く前にフィオが寝ている鍛冶屋に戻ることにした。

 その途中、レストランでガレットを一人分頼む。

 鍛冶屋でフィオはまだ寝ていた。

 もう、地上では太陽が登りかなり経つだろうに。

 「おい、起きろ。

 そろそろ、起きる時間帯だろ?」

 クロウはそう言い肩を揺らす。

 「ふわー」

 フィオは大きなあくびをすると目を覚ました。

 「体がカチコチだ」

 フィオは立ち上がると体をほぐしてそう言う。

 「ほら、朝食」

 「おっ、美味そう」

 クロウはフィオにガレットを渡しコップに水一杯を入れ持ってきた。

 地下水の為かかなり冷たい。

 フィオはそれを飲み干しガレットを食べた。

 「なんだ、もうないのか」

 フィオは少し物足りなさそうにクロウを見る。

 「まだ欲しいのなら、買いに行けばいいだろ。

 ちょうど、ポーション屋に行こうと思っていた所だ。

 来るか? 別に寝ているのならそれで構わんが」

 「行く」

 フィオは即答しクロウについてきた。

 途中のレストランによりガレットを3つ買ってフィオに渡してやる。

 すると美味しそうに3つとも食べた。

 ポーション屋に行くには地下から行くか地上から行くかの2択。

 離れているのでこことは違うカタコンベの管理されている場所まで移動しなければならない。

 途中魔物も出る為、大抵の人は地上を選ぶ。

 しかしクロウ達は平然とフィオは松明を持ち歩いて向かった。

 コボルトにスケルトンなどが次から次へと出てくるが、敵ではない。

 次々、二人は屠っていく。

 到着すると同じ様に明かりに灯された区画が見えその中の一つの階段を登って行った。

 扉を開け入ると人が入れそうな大きな鍋がグツグツと煮え、壁にはそこら中にカラフルな試験管が並んでいる。

 それぞれ全ての値段が異なり、中には色関係なく値段が上下する物もある。

 「らっしゃい、クロウさん」

 試験管のポーションが入った棚の向こうから一人の老人が出てきた。

 「青のポーションを3本頼む。

 質のいいやつだ、金はある」

 老人はあっちへ行ったりこっちへ来たりを繰り返し青いポーションをかき集めてきた。

 「これでどうですか?」

 クロウは一本一本中の液体を回して濃度や色の濃さ、量を調べ頷いた。

 「問題ない」

 …

 クロウ達はその後、約束、通りの時間にキャロライナのいる地下へ戻り教会前まで戻った。

 「よお、来たなクロウ」

 キャロライナは煙草に火を付け一服している。

 「情報はどうだった?」

 それに対し首を振った。

 「やっぱ、思った通りだったよ。

 調べたんだが、出てこねえ。

 おそらく、上の連中を通して依頼してるな」

 キャロライナは更に続けて言う。

 「依頼内容と情報が出てこない事から察するに、この国の国王自身か、その付近にいる連中の誰かだろうな」

 キャロライナは煙を吹かす。

 「なるほど…それだけ分かればいい。

 助かったよキャロライナ」

  そう言うとクロウは教会を出てカタコンベを後にした。

 …

 翌朝クロウ達は闘技場に来ていた。

 理由は舞踏会にある。

 舞踏会はこの闘技大会の上位4名のみ招待されるものだ。

 目的地は王城の西塔、最上階、わざわざ隠れて忍び込むより容易い。

 「王城の警備も何重にも魔法がかけられているはずだ…」

 そう説明しフィオに紙を書かせようとした。

 フィオならば間違いなく優勝するだろう。

 しかし、一人の女性が闘技場の受付で紙を書き受付の人に渡している所を目撃した。

 「フィオ…やっぱり俺が出る」

 フィオはそれを聞き少し驚いた。

 クロウがこういった目立つ事はしない事を知っているからだ。

 「どう言う事だ!?

  お前がこんな大会に出るなんて熱でもあるんじゃあ」

 クロウはフィオの話を聞きながら受付に向かい紙に記入した。

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