夜会
一騒動あった夜。ヨダが寝泊まりしている物置部屋で細やかながらパーティーが開かれていた。
どこから仕入れてきたのか、大きなホットプレートの上に、これまたどこから仕入れてきたのかわからないが、薄めの肉が並べられている。
パーティーの主催者は、ヨダとリカルド。そして参加者はカールソン、ラウリ、ネイサン、レオンのいつものメンバー。そしてそこに招待されたショウとソルクスは、席について見たことない色鮮やかな肉に目を奪われる。ホットプレートで焼かれた肉からは、少なからず脂が出ていて、成長期の少年たちには堪らない音と香りが部屋中に立ち込めていた。
「スッゲー!! これが焼肉か!! スゲー! マジスゲーよ!!」
「さっきからスゲーしか言ってないな」
「だってそうだろ? 言葉にできんのか? 俺はできねぇ!!」
興奮さめやらないソルクスは、まだ焼けてないうちから手を出そうとするところで、ヨダに手を叩かれる。
「ダメですよー? まだ美味しいところまで焼けていませんからねぇ、ハイ」
「なんだよー! まだ食えねーのかよ! 待ちきれないんだけど!」
「あなた一人の物じゃないんですから、勝手に食べないでくださいよ。これだからバカは困りますねぇ、ハイ」
「あんだって? 今なんて言った?」
「嫌ですねぇ、何のことでしょう?」
とぼけるヨダに、ソルクスはあからさまに嫌そうな顔をする。
「お前ってホント腹立つよなー」
「お褒めに与り光栄です、ハイ」
「褒めてねぇーよ」
ソルクスは口を尖らせ、そっぽを向く。
「でもヨダ~。僕も我慢の限界だよ~。この匂い嗅いだら、ドーナツだけじゃもう抑えきれないよぉ~」
「もう少し辛抱してくださいよ、カール」
ドーナツ片手に腹を鳴らすカールソンをいなすと、ヨダは手際よく肉を焼いていく。
「というか、俺達まで本当に良かったのか? タダでご馳走になって……」
昼間の事もあり、ショウは申し訳なさそうにしていた。
「ああ、良いんですよ。パーティーというのは大勢いた方が盛り上がりますからねぇ、ハイ」
「そうか、ありがとな」
「いえいえ、礼を言うなら、リッキーに言ってください。これ、全部彼の奢りですからねぇ、ハイ」
ヨダの言葉を聞き、ソルクスはリカルドの肩を叩く。
「おお! そうなのか! やるなガングロ!」
「ちょっと!? そのあだ名だけはやめて頂きたい!! お肉食べさせませんよ!?」
リカルドは、心外だと腹を立てる。
「うえ!? 悪かったよ! えっと、リッキー! お前って太っ腹だよな!」
「え、あぁ……そうですね。……本当に」
見るからに肩を落とすリカルドに、ショウは首をかしげる。
「どうしたんだ?」
「罰ゲームみだなもんだでな。昨日の模擬戦さ、リーくんが一番敵倒さねかったが」
「なるほど、それでお前らモチベーション上げて頑張ったのか……」
ラウリの言葉に、ショウはやれやれと納得する。
「おかげで僕は金欠ですよ!!」
「固いこと言わないでくださいよ、リッキー。どうせ使う予定ないじゃないですか、ハイ」
「なんですかその言い草は!」
リカルドは苛立ちを抑えきれずに発狂し始めると、カールソンが空気を読んでか、彼が落ち着きを取り戻す話をし始める。
「そう言えばコナーまだかな~?」
「あ! そう言えばまだいらしていませんね……。彼のためのお肉は、僕が、責任を持って、取ってありますので!」
いつもの調子に戻ったリカルドの様子を見て、周りが何とも言えない表情をする。
その空気を感じてか、ネイサンがタイミングよく口を開く。
「コナーちゃんなら、そろそろ来るはずよ? 私がちゃんと誘っといたから」
「……来た」
レオンの言葉どおり、倉庫の扉が開く音が聞こえ、その後に焼いた肉の香りに少し驚いたような声が聞こえて来た。
「すみません! 本を返しに行っていて遅れました!」
慌てて入って来たコナーと、ショウ、そしてソルクスが顔を合わせる。その瞬間、コナーは眉を釣り上げ、頰を膨らませながらそっぽを向いた。
コナーの様子を見て、ショウは苦笑いをしていたが、ソルクスはというと、焼きあがっていく肉に夢中になっていた。
「丁度良かったですよ、コナー。今焼きあがるところですからねぇ、ハイ」
「間に合って良かったです! と言うか、僕なんかが混ざって良かったんですか?」
遠慮がちになるコナーに、リカルドが勢い良く立ち上がる。
「いいんです!! コナーはいつも頑張っていますから!! コレは、全て僕の奢りです!!」
「えぇ!? コレ全部リッキーが用意したんですか!?」
「ま、まぁ、僕だってこれくらいなら? どうってことないですよ! あは! あはは! あははは!」
「金出したのはリッキーですけど、用意したのは私なんですけどねぇ、ハイ」
「ヨダちゃん、そういうことは黙っててあげた方が良いわよ?」
手柄を独り占めするリカルドの発言にぼやくヨダを、ネイサンが諫める。
「なぁなぁ! まだ食えねぇーの??」
「ああ、もう大丈夫なはずですよ、ハイ」
「いよっしゃー!! いっただきまーす!!」
ヨダの合図を皮切りに、全員が小さな薄い肉を口の中に滑らせる。
「うめー!!」
「鳥とは違う食感だで!」
ソルクスとラウリは、その食感に目を輝かせた。
「でも、小ちゃくて薄いからすぐ無くなっちゃうね~」
「ちょっとカール! 僕の奢りなんですからもっと味わって食べてくださいよ!」
焼けた肉を根こそぎ刈り取ってい良くカールソンを、リカルドが目ざとく注意する。
「確かにこれは美味いな」
「なんか言葉に言い表せないですけど、すごく美味しくて感動しますね!」
険悪さなど無かったかのように、ショウとコナーは舌鼓を打った。
「……うまい」
「あら、レオも嬉しそうじゃない!」
目を見張るレオンを、ネイサンは満足そうに見ていた。
「なぁなぁ! コレは何の肉なんだよ?」
ソルクスがヨダに尋ねると、ヨダはニヒルに笑う。
「あー、コレですか? 人肉ですよ、ハイ」
その答えに、その場が静まり返る。
「イヒヒヒヒヒ! 何真に受けているんですかー? ちゃんとした牛肉ですよ! 牛です、牛! ホントにからかい甲斐のある人達ですねぇ、ハイ」
一人高笑いをするヨダに、ショウは大きく溜息を漏らす。
「ヨダ、お前のは本当に冗談に聞こえないから、そう言うのはやめてくれ」
「ヨーさんの冗談は心臓に悪いが……」
「そうよ、リッキーなんて失神しちゃったじゃないの」
ネイサンの隣に座っていたリカルドは、青い顔をして倒れていた。
「うわぁ! リッキー! 大丈夫ですか!?」
「コナー、ほっといて大丈夫ですよ。リッキーの分は、他のみんなで分け合いましょう、ハイ」
「えぇ!? でも……」
「リッキーなら大丈夫よ。コナーちゃんがリッキーの分までちゃんと食べたって言ったら、きっと喜んでくれるわよ」
「なんですか、それ?」
倒れたリカルドについてにべなく対応する二人に、コナーは嘆息する。
「でもさ~。僕はコレが人間だったら、思ったより美味しいって思っちゃったよ~」
「ちょっとカール何言ってんのよ」
ネイサンがカールソンの言葉に呆れていると、ソルクスが同調し始める。
「ホントだよな! 人間てこんなにうまかったっけって思ったじゃんか!」
「え?」
ソルクスの言葉に、コナーが固まった。
「ソル、言葉の使い方間違ってんぞ」
「え? ああ! 悪い悪い!」
ショウに言われ、ソルクスは頭を掻く。
「もう、ソルさん! ビックリしたじゃないですか!」
「そう怒るなよ、コナー! そんな怒ってばっかじゃ、ショウみたいに眉間にしわ寄っちまうぞー?」
ソルクスはコナーの眉間を人差し指で小突くと、コナーは更に眉を寄せる。
「な! 誰のせいで怒ってると思ってるんですか!!」
「おい、それ遠回しに俺のこと貶してんだろ」
「お前も怒んなって!」
ショウとソルクスが喋り始めるのを横目に、コナーは自分の眉間をさりげなくなでる。
「……眉間に、しわ」
「ん? なした? コナー?」
「え? な、何でもないよ!」
ラウリに見られていたと少し焦るコナーは、何事もなかったかのように肉を頬張った。
「ほら、皆さん、喋ってないで、どんどん肉焼きますから食べてくださいよ、ハイ」
「肉! 俺によこせ!」
「ああ、ソルさん! 皆さんの分まで食べないでくださいよ!」
ソルクスは、次々と肉を口に放り込みながら、コナーを指さす。
「何言ってんだよ、コナー! ここは弱肉強食! 強い奴が食べるんだよ!!」
「全く、ソルちゃんはヤンチャなんだから!」
「余所見してんなよな! ネイサンの肉もーらい!」
ソルクスがネイサンの皿から肉を横取りしようと手を伸ばす。
すると、それを見ていたレオンが、素早い動きでソルクスの手を掴んだ。
「んあ? なんだよ」
「……コレ、ネイサンの物、横取り、許さない」
「あんだよ! 早く離せよ。やんのか?」
「……己、ネイサン守る、仕事。これ、譲れない」
「お前さー、今まで全然喋んなかったから、喋れないのかと思ってたぜ。でも、お前ってデカイ割にいい動きするんだよなー」
ソルクスが獲物を狩るような目つきで、挑発するようにレオンを睨む。
「……弱い犬ほどよく吠える」
「あぁん!? んだとコラ!?」
「ぷ……っはははは!!」
レオンとソルクスのやり取りを見て、とうとう堪えきれなくなったショウが吹き出してしまう。
「ショウ何笑ってんだよ!!」
「いや、だって……ふ……はははは!」
「んの野郎……。おいお前! 表出ろや!!」
ソルクスの言葉を、ヨダは聞き逃さなかった。
「お? 余興ですかねぇ、ハイ。皆さんソルさんとレオさん。どっちに賭けます?」
「ちょ、ちょっと待ってください! 二人とも私闘はダメですよ! 特にソルさん! 昼間のこと全然反省してませんよね!?」
「大丈夫よコナーちゃん。これは組手と言う名の余興だから。問題ないわよ!」
「ちょ! ネイサンまで、何言ってるんですか!」
「アテは、アニさんに賭けるでな」
「え!? ちょっとラウリまで!」
ヨダの賭博思考に異議を唱えるコナーだったが、周りはヨダの賭けに乗りだし、ソルクスたちを囃し立てていた。
「私はソルさんに賭けますかねぇ、ハイ」
「あら、安パイね。じゃあ、私はレオに賭けるわ」
「僕はどっちでもいいけど~、レオが勝ったら面白いからレオに賭けるね」
「おっしゃー行くぜ!」
そう言って、ソルクスは二階の窓から外へと飛び降りて行った。レオンもそれに続く。
「え!? ここニ階ですよ!?」
驚いて声を上げるコナーに、ソルクスが下から声をかける。
「平気平気! おい、ショウ! お前は俺に賭けろよな!」
「はいはい、わかったよ!」
この余興をよしとしたショウに、コナーは驚愕の表情をした。
「ショウさん!!」
「大丈夫だ、コナー。折角リカルド達が息抜きに用意してくれた場なんだし、少しは大目に見てやれよ」
「で、でも……」
「ソルの傷が心配か?」
ショウの問いかけに、コナーは怒りをあらわにする。
「あ、当たり前じゃないですか!! ソルさんだけじゃなくて、ショウさんだって! あんな事があって! 一杯怪我してるのに! 全然大人しくしてくれないし! 二人とも殴り合いの喧嘩し始めて、傷口開くし、怪我増えるし!」
「……そうだな」
「全然僕の言うことなんか聞かないし!」
「ああ、すまない……」
「僕だってショウさんの代わりなんて務まるかわからなくて不安なのに!」
「……うん」
「それで……えっと……」
言い淀むコナーに、ショウは頭を下げた。
「ごめんな、コナー」
「……謝ったって、許しませんからね」
「コナーは俺たちの為に怒ってくれてるんだよな」
「……そんなの当たり前じゃないですか」
「いつも心配かけてごめんな」
「じゃあ、もう心配かけないでくださいよ!」
コナーは頰を膨らませてそっぽを向く。
「コナー」
「はい?」
「ありがとうな」
コナーはショウのその表情を見て、何も言えなくなってしまった。
「……ショウさんはズルいです」
「そうか?」
「そうですよ! もう!」
囃し立てる輪をかいくぐり、コナーは窓際に立ち、身を乗り出し、大きく息を吸った。
「僕はソルさんに賭けますから!」
コナーは、彼が出せる範囲の大声で外にいるソルクスに叫んだ。
その声を聞き、外でレオンと睨み合っていたソルクスは、口元を緩め、嬉しそうに、また楽しそうに笑った。
「んじゃあ! 負けられねぇーな!!」
「……来い」
「言われなくてもなぁ!!」
ソルクスとレオンの組手を余興として、二階で観戦している者は盛り上がる。
「アニさーん! きばれー!」
「ソルさーん、勝ったら肉特別サービスしますよー、ハイ」
「しかし、本当にレオもいい動きするな」
ショウは、レオンの一つ一つの動きを見て感嘆をもらす。
「当然よ! ソルちゃんも強いけど、あの子も強くなる為に色々と努力してるのよ?」
「レオさんてどっしりと構えてて、なんだか安定感ありますよね」
「あらー! コナーちゃんわかってるじゃない!」
ネイサンは、レオンが褒められるのを、まるで自分の事かの様に喜んだ。
「ああ、そうだ、ヨダ」
「ん? 何ですか、ハイ」
「この夜会の肉、相当金かかったろ? 俺もタダでこんないい肉食べさせてもらうのは気がひけるから、少しは出させてくれないか?」
「え? ああ、いいんですよコレは」
ショウの気づかいに、ヨダはつまらなそうに答える。
「でも――」
「余興を楽しんでいるときに、そういう話をするのは無粋では? それに、コレ、そんなに高い肉じゃないですし」
ショウは眉を寄せる。
「……そうなのか?」
「牛は牛ですケド、店に出せない様な形が崩れてる肉など、廃棄に近い物を取り寄せてますからねぇ、ハイ」
「そうか……。今A派の領土はもっと食糧難だと思ってたんだけどな」
ショウの言葉に、ヨダは鼻で笑った。
「それは末端の話ですよ。貴族たちなんて、今でも酒池肉林のパーティーを、毎晩の様に楽しんでいますからねぇ、ハイ」
「……そういう物なのか? というか、なんでそんな事お前が知ってんだよ」
「ああ、それは企業秘密ですねぇ、ハイ」
当然の疑問に、ヨダはにべなく答える。
「……本当にお前、何者だよ」
「さぁ? 何でしょうねぇ?」
ヨダは組手の様子を見ながらニヒルに笑った。
* * *
余興を交えた夜会は、恙無く終わりを迎え、組手の軍配はソルクスに上がった。
レオンは相変わらずの無表情で、ソルクスを睨みつけたまま動かなかったが、その後ネイサンに回収されていった。
ショウとソルクス、そしてコナーは、パーティーの高揚感の余韻に浸りながら、帰路につく。
「楽しかったな」
「はい! たまにはこういうのも……いい、ですよね?」
「おう! レオが強いっていう新しい発見もあったからな!」
ソルクスの言葉に、二人は大きく溜息をつく。
「お前は白兵部隊の訓練に出なさすぎなんだよ」
「あー、それもそうだな! これからは真面目にやってみっかなー」
「もうー、ソルさんはやる気を出すまでが大変なんですよね」
「いいじゃねぇかよ! やる気出たんだから!」
「まぁ、いいですけど?」
廊下の曲がり角を曲がり、自分達の部屋の前を見ると、ペトロフが立っているのが見えた。
三人は顔を強張らせ、冷や汗をかきはじめる。
「やぁ、何やら楽しそうだったね?」
「ぺ、ペトロフ准尉……」
「えっと……あの……」
「俺ややこしくしそうだから喋んない」
三人の様子を見て、ペトロフは柔らかな笑みをこぼした。
「そんなに構えなくてもいいよ。いい仲間達じゃないか。君たちには息抜きというものが必要だからね」
「え? じゃあなんも説教なし? やったぜ!」
こぶしを握り、喜びをあらわにするソルクスに、ペトロフは笑顔を崩さない。
「ただし」
「んあ?」
「息抜きはいいけど、昼間の騒動は頂けないねぇ」
「うっ……」
ペトロフの指摘に、三人は目を泳がせる。
「あー……あれな!」
「返す言葉もありません」
「す、すみません! 僕の監督不行き届きです!」
コナーとショウは深々と頭を下げ、ソルクスもつられて頭を下げる。
「コナー二等兵の言う通りだ、が、コナー二等兵は良くやっていたよ。問題はマクレイア上等兵とイグルス一等兵、君達だと言うことは、わかっているね?」
「……はい」
「まぁ……ちっとやりすぎたかな?」
「ちょっとと言うには、あまりにも無理があると思うよ? イグルス一等兵」
ソルクスは言い返すことなく、この状況をどうすればいいかとショウの顔をチラチラと伺う。
「マクレイア上等兵との私闘は、まぁ、良しとしよう。安静にしろと言う命令違反についても、どうせ守れないとは思っていたから、私としては大目に見てやりたい所だ」
「お? じゃあ――」
「でも、君は第四部隊にも迷惑をかけたろう?」
「あー……」
希望が見いだされることもなく、自分には罰が待っていると感じたソルクスは途方に暮れた。
「それについては流石の私も大目に見てやれない」
「そこをなんとか……」
「ならないよ。イグルス一等兵、今日から君は営倉行きだ」
「え!? 何で? あ、でもショウもだよな! 俺と喧嘩したし、窓割ったもんな!」
ショウの肩を叩き、必死にショウにすがりつく。
「窓を割ったのはマクレイア上等兵ではなく、イグルス一等兵。君がマクレイア上等兵を殴り飛ばした事によって割れたと聞いているが?」
「え!? でも!」
どういうことだと問いただすソルクスに、ペトロフは続ける。
「それにマクレイア上等兵との喧嘩は、君のその一撃から始まったのだろう?」
「いや、だから!」
「だから、イグルス一等兵、君だけ、営倉に入ってもらうよ? 反省の色が見えないと、コナー二等兵からも聞いているしね」
「あ……」
ソルクスはコナーの方へ素早く顔を向けると、コナーも素早く顔をそらす。
「コナー……お前ぇ……」
「ぼ、僕は悪くないです。ソルさんが悪いんですよ?」
「ここは大人しく入っとけ」
「ショウ……お前も来いよ」
「……」
ショウはソルに向けて敬礼をした。
「うん、背筋が伸びていて、とてもいい敬礼だね。じゃあ行こうか。イグルス一等兵」
ペトロフはソルクスの襟首を掴んで引きずっていく。
「え? 何で? 何で俺だけー!? おい! ショウ! お前だけズリーぞ!! コナー助けろー!!」
ソルクスの言葉を聞き、コナーはショウと同じように敬礼をしてソルクスを送り出す事にした。
「お前ら、覚えてろぉおおおおお!!」
下士官宿舎にソルクスの叫び声が響いた。
どうも、朝日龍弥です。
個性豊かな仲間たちとの絡み、いかがだったでしょうか。
次回から6章に入りますが、ついにショウ達が戦場に出ます。
なにとぞ、よろしくお願いいたします。
次回更新は、12/19(水)となります。




