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私のホテルへ連れ帰った。あなたはシャワーを求めたが、私は激しい愛撫をし、そうはさせなかった。グラマラスな肉体は素晴らしかった。抱き心地が良かった。あなたの唇も甘かった。
あなたは酔っていたからだろうか。乱れにみだれた。その嬌声は隣りの部屋まで届いていたかもしれなかった。あなたは何度も絶頂に達した。目が頼りなくなっていた。その表情はこちらを昂らせた。
重たくなった身体を横たえた。私は腕のなかで、あなたを抱きしめた。「気持ち良かったわ」と言ってくれた。それは良かった、と胸に触れた。「またしたくなっちゃうから」と言われたが、「もう一回すればいい」と私はあなたの肌を触れて回った。
「本土に彼女いるでしょ?」「いないよ」「向こうでも逢える?」「もちろん」とキスをした。「また逢いたいわ、あなたのセックス好きよ」「それは嬉しいね」と私は微笑んだ。
加熱式タバコを吸った。ちょっと吸わせて、と言われたので、あなたの口許へ運んだ。メンソールなので吸いやすかったようだった。あなたの髪を撫でた。「綺麗だよ」と言うと、喜んでくれた。
スマートフォンの小さな画面で、YouTubeを観た。身を寄せ合っているのは幸せだった。あなたのおすすめの動画を観ていった。楽しく観られた。料理のものもあったので、小腹が空いてしまった。
けれども、私はそのまま眠りに向かった。あなたもそうなった。スマートフォンを脇へ置き、お互いを抱きしめ合った。あなたの肉体は心地良い。
朝になり、ホテルのルームサービスを取った。美味しいね、と言いながら、ふたりで食べた。コーヒーも悪くない味だった。私はブラックだったが、あなたは砂糖とミルクを入れていた。
ホテルを出て、あなたを送っていった。もう夜じゃないから危なくないよ、と言われたが、もう少し一緒にいたいから、と答えた。頬にキスをしてくれた。爽やかな朝だった。
あなたのホテルは新しめで綺麗だった。入り口で別れた。「本土でも絶対よ」と念を押された。その気持ちが嬉しかった。あなたのグラマラスな身体は、そう簡単に忘れられそうになかった。あの感じたときの目も。
自分のホテルへ戻り、念の為、マナカのメモを写メに収めた。それから電子書籍を読んだ。「負けヒロインが多すぎる!」という作品だ。学園、青春ものなのだが、それぞれのキャラクター立っていた。物語はかなり青春していた。こういう物語なのに、女子たちがフラれまくった。新鮮な読み心地だった。最後にいくに連れて、話が盛り上がっていった。小説の作り方が上手だな、と思った。
ホテルを出て、街へ出た。カラオケ店へ入り、練習をした。喉の調子が良いような気がした。ひとりでいるのが勿体なく感じられた。誰かに聴いて欲しかった。マナカに連絡をした。すぐに反応があった。カラオケにいる、と言うと、すぐに来てくれる、とのことだった。
時間になったので、一度清算を済ませた。お店のロビーであなたを待った。あなたは夜なら似合う、黒のドレスで来た。「昼間からゴージャスだな」と言うと、「あなたに逢うからね」と言ってくれた。私は嬉しくなった。再度、受付へゆき、ふたりで二時間ほど入ることにした。
先程、練習して手応えがあった曲を一曲目に歌った。あなたは上手い、うまい、と褒めてくれた。キスを送ってくれた。私は情熱的にそれを受けた。あなたも歌が上手かった。綺麗な声をしており、清潔感のある曲が似合っていた。
あなたはカクテルを飲んだ。目が濡れて、色っぽくなった。ドレスから、太腿が覗いていた。私はそこに手を掛けた。あなたは拒まなかった。
私はすけべな気分になり、内腿のほうへ手を送った。あなたは感じている様子だった。キスをした。深いものとなった。胸にも触れた。あなたから、甘い吐息が漏れた。
お店を出ると、あなたの車に乗せてもらった。運転手さんにホテルへ戻るよう指示を出していた。車のなかでもキスをし、手を握り合った。あなたを身近に感じられて幸せだった。
あなたが泊まるホテルは思っていた通り、ゴージャスなところだった。部屋もスイートルームだった。やはりお金持ちなのだろう、と思った。いちゃつきながら、ベッドルームへ向かった。あなたを今すぐにベッドへ押し倒したかった。
けれど、ベッドには裸の男性が横たわっていた。「まだいたの? 帰りなさいって言ったでしょ?」とあなたはうんざりといった調子の声を出した。「俺はまだ帰らない、君を抱く」と男性が言った。
あなたは私のほうへ目を送り、どうする? といたずらっぽい目を作った。男性があなたに近付き、それから抱きしめた。あなたはこちらを見ていた。悪い女の顔をしていた。
あなたはベッドへ連れ込まれ、ドレスを脱がされていった。私はソファーに腰を掛け、その様を見ていた。あなたはこちらから目を離さなかった。男性が裸のあなたを愛撫した。あなたはこちらを見つめながら、喘いだ。
男性に抱かれながら、あなたは気持ち良さそうに見せた。実際はどうだったか分からない。私を妬かせたいらしかった。私はまるで寝取られている恋人のような気持ちになった。あなたが他の誰かに抱かれている姿を見ていると、嫉妬ではなく、官能が私のなかで起こった。私は滾っていたのだ。
男性が果て、事が終わった。優しいキスをあなたに送っていた。けれども、あなたはそれに夢中というわけではなさそうだった。「帰りなさい」とあなたが言った。それは冷めた声だった。男性は服を着、ベッドから降りた。初めて私のほうを向いた。けれど、何も言わずに去っていった。
「どうだったかしら?」「興奮したよ」「今すぐ抱ける?」と訊かれたので、私はあなたに近くなり、態度で示した。あなたは先程の男性のときよりも、華やかに喘いでくれた。「あなたも昨日、浮気したでしょ?」と問われた。「浮気って」と私は笑った。「あら、浮気よ、あなたは私のものなのに」「知らなかった」と私はお道化た。
情熱的なキスをされた。あなたは先程、絶頂には達さなかったようだったが、私との睦み合いでは、幾度となく果ててくれた。それが私のなかの男を悦ばせてくれた。私はあなたの身体に溶けてゆき、それから絶頂を迎えた。




