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「わたしのために死んでちょうだい」と言われて殺されるモブ令嬢に転生しましたが、生き延びるため魔法騎士を目指します  作者: 倉本縞


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73/106

73.黒幕


 各地点にばらけた騎士たちがそれぞれ、敵兵を模した人形に対し馬上から槍や剣を振るっている。


「うわ、動いてる!」

 人形が騎士の攻撃に反応して動く様子に、わたしは驚いて声を上げた。

 騎士に比べて明らかにスピードは遅いが、それでも攻撃を避けたり、反撃しようとしたりしている。


 えっ、あの人形って動くの!? わたしが攻撃した時は、かかしみたいに静止してたけど!?


「ああ、あの人形は核を入れてあるから、熱源や空気の揺れに応じて動くようになってるんだ」

「え、でもわたしが炎の剣で焼き払った時や、魔術師様たちが攻撃魔術を放った時は、動いてませんでしたが」

 ロイド先生が肩をすくめた。

「君や魔術師たちの攻撃魔術は、人形が反応するには早すぎるんだよ。核が熱を感知する前に炎に吞み込まれた感じだな。マティルド君の炎は、威力も高すぎた。君の攻撃を一度受けた人形は、核がほとんど壊れてしまったんじゃないかな」


 そうかー。……ん? じゃあ、力任せでも問題ないのか?

 いや、そういう問題じゃない。力だけに頼って技術をおろそかにすべからず、だ。

 サヴィニー伯爵という素晴らしいお手本もいることだし、精進を怠らずにいこう!


 しかし、敵部隊の各個撃破という戦術をとると、騎士たちのレベルの違いが如実にわかるなあ。

 わたしより基礎のできていない騎士もいる、ってサヴィニー伯爵はおっしゃっていたけど、あながち嘘でもないみたい。

 力はあるんだろうけどそれに頼り過ぎというか……、うん、やっぱり技術は大切だ。今日から剣術の時間を増やそう!


 わたし以外の生徒たちも、騎士様の妙技に歓声を上げて盛り上がっている。それぞれ贔屓の騎士様がいるようだが、やはりサヴィニー伯爵が一番多く声援を受けていた。

 クレマン様もサヴィニー伯爵推しらしく、野太い声で応援している。


 ちょっとアイドルに声援を送るファンみたいで楽しそう。

 わたしは誰か個人を応援っていうよりは、箱推しだな! 特にサヴィニー伯爵直属の第一部隊! ずば抜けて連携が素晴らしいよ、いけいけー!


 騎士様たちは、大歓声の内に模擬演習を終えた。

 第一部隊はさくさく人形を倒し、遅れていた部隊はサヴィニー伯爵の手助けを受け、丘陵地帯における敵軍防衛線の突破は無事、成功した。


 でもサヴィニー伯爵は遠目にもわかるほど渋い顔をしている。

「今回は魔術師団の演習が素晴らしすぎたからなあ。おまけに、騎士によっては実力にバラつきがあることがはっきりわかってしまったしねえ。……これは、エドガーが責任を追及されるかもしれないな」

 ロイド先生も厳しい顔つきだ。


 すると、クレマン様がロイド先生に抗議した。

「しかしそれはサヴィニー伯爵のせいではありません。そもそも王宮騎士団は入団に厳しい審査基準を設けているのに、それを無視して実力の伴わない騎士を無理に入団させているのが問題なのでは?」


 えっ、マジで!? 王宮騎士団ってソラン王国に数多いる騎士たちから選抜された、精鋭中の精鋭だと思ってたんだけど!

 逆に、どうすればそんな横紙破りが可能なんだ!? 王宮騎士団の騎士やその親族には高位貴族も多いから、そんな不正をしたりしたら、猛抗議を受けそうだけど。


「……クレマン、口を慎め。誰が聞いているかわからないんだぞ」

「誰に聞かれてもかまいません。我々はソラン王国の国防の要である、王宮騎士団の騎士になることを夢見て日々、精進しているんです。それなのに……」

 悔しそうなクレマン様。


 王宮騎士団に憧れているから、不正が許せないんだろうなあ。気持ちはわかるよ。

 でも、誰が不正に関わっているかわからないんだから、あまり大きな声で不満は口にしないほうが……。


 ロイド先生は、ちらちらと観覧席の様子を気にしている。

 え……、まさか騎士団の不正に王族が関わってるの?

 でも、クレマン様もおっしゃっていたとおり、王宮騎士団は国防の要だ。不正をして実力の伴わない騎士を入団させたら、そのとばっちりを受けるのは王家なんじゃないの? ……いや、待て。


 わたしは前世の記憶を思い出した。

 そうだ。サヴィニー伯爵に熱心に話しかけていたミリア様。……ミリア様は、王宮騎士団の内部に味方を作ろうとしていた。身内を王宮騎士団に入れようとして、騎士団長と揉めたとか、そんな描写があったような……?


 えっ、じゃ、実力の伴わない騎士を無理に入団させてるのって、ミリア様なの!?


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