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幕間 誕生
〜〜 帝都【グランドミルキスタ】から500kmほど離れた森の中 〜〜
その森には瘴気が溜まっていた。
濃密で、大量で、純粋な瘴気。
一帯の草木は死に絶え、動物は勿論魔物でさえ耐えきれず、死の世界を形成している。
瘴気は少しずつ増え、侵食は加速していく。
虫も、動物も、魔物も、我先に逃げ惑った。
1匹の動物が瘴気に飲まれた。
変化が起きる。
その動物に、森中の瘴気が吸い込まれていくのだ。
吸い込まれるたび、身体はボコボコと波打つ。
何かが産まれる直前のように。
やがて・・・。
その森から瘴気が消えた。
残ったのは森だったもの、生き物だったもの。
森中の瘴気を全て吸い込み、変化を遂げた、動物だったもの。
この世界、【アミルヴェルデ】に500年ぶりに誕生したそれ。
それは鼻をひくつかせ、ある方向を向いた。
これから起こること、いや、起こすことを考えたそれは、愉悦を感じたのか、その醜悪な顔をさらに歪ませ、その方向へとゆっくりと歩いていった。




