第47話 集団鑑定(アンジー)と夕食へのお誘い
続きです。
アンジーのステータスは楽です。
2018/02/03 読みにくい箇所を修正しました。
ブーン。
アンジーのステータスが表示される。
【名前】:アンジェリーナ
【性別】:女
【体力】:−
【容量】:測定不能
【攻撃力】:−
【防御力】:−
【力】:−
【耐久】:−
【器用】:−
【敏捷】:−
【素早さ】:−
【知性】:−
【精神】:−
【運】:−
【魅力】:−
【二つ名】
[異空間の住人][容量不明][エーリの魔法鞄][虹の絆]
【才能】
−
「「「「 え?」」」」
「わぁ。棒がいっぱいです」
……
「オードリー? 魔法鞄て皆こうなの?」
「私は鑑定したことがないのでわかりませんが……」
「私はあるけどぉ、普通に見れたし、私達と変わらない数値だったわよぉ? 唯一魔力が容量に変わっているくらいで……」
「それに、私とルイーズで測定不能の容量……」
「いっぱい入れてくださいね」ポッ
前から思ってたがアンジーと関わるとやけにエロく聞こえるな。
(魔力や物を)いっぱい出すとか、入れるとか。
アンジーの見た目もロリっぽいから、やけに背徳感が助長されるし……。
「『−』ってさ。鑑定できなかったってことなのかな?」
「どうでしょう。初めて見ましたし、私の知識にはありません」
「私もないわぁ」
「私、凄いんですか?」
アンジーが期待に満ちた目で聞いてくる。
「う、ん。凄い、よな?」
「凄い鑑定士の二人が見れないんだから、凄いんだよアンジーちゃん!」
「そうです、ね。凄いと思います」
「凄いは凄いわねぇ」
「ふふふん。私は凄いです」
アンジーが踏ん反り返っている。
本人が満足ならいいか。
「結局アンジーについては凄い、としか分からなかったわけだが……」
「いいんじゃない? 数値がおかしいお兄ちゃんの魔法鞄なら」
いや、お前もおかしいからな?
「そうですね。『エーリの』という言葉をつければ解決します」
「『エーリの』妹、『エーリの』パーティメンバー、『エーリの』魔法鞄。……ふふ。違和感がないわねぇ」
「俺は規格外の代名詞か?!」
コクリ。
全員で頷きやがった?!
なぜ自分達はまだマシ、みたいな顔ができるのか……。
ん?
「そういや【集団鑑定】しても精神リンクしてないな」
「ああ、今はオフの状態ですから。練習してみましょう」
そう言うとオードリーは目を瞑った
(コンコン)
お? なんかノックされたような気がする。
「扉を開けるイメージで、私を迎え入れてください」
えーと、(ガチャ)。
『聞こえますか?』
『おお、聞こえる。』
「成功です」
おぉ〜、と声が上がる。
「なんかミルクと話してる感じだったな」
今も聞こえてるのか?
「聞こえてますよ」
「オフにする時はどうすればいい? 」
「相手と繋がる時と同じで、イメージでオフにしてみてください。私は扉と言いましたけど、何でもいいです。あ、相手にはオフにすることを伝えてあげてくださいね? 急に聞こえなくなると不安になります」
了解。……じゃあ、一旦オフにするぞ?
『はい。』
カチ
俺はスイッチを切るイメージにした。
聞こえるか?
ミリアに風呂でのことを伝えようと思うんだが……。
……よし、大丈夫そうだな。
もしこれで聞こえてたんなら、それは賞賛されるべき偉業だ。
ミリアの恐怖を知ってなお、表情を変えないとか無理だからな。
「うん、皆で練習してみよう」
「「「「はーい」」」」
それから俺達はお互いに連絡を取る練習をした。
これは魂で繋がっている状態らしいので、どれだけ離れていてもちゃんと連絡が取れるのだそうだ。
「あとは合図を決めましょうか。これをしたら全員リンクをオンにする、とか」
「そうだな……。じゃあ右耳を触る、で。やめるときはリンクで話そう」
「「「「はい」」」」
「もう大丈夫ですね。これで、私達は深く魂で結ばれました」
「これからも色々あるだろうけど、よろしく」
「はーい」
「こちらこそよろしくお願いします」
「末永くお願いするわぁ」
「ずっと一緒です」
俺達の【集団鑑定】は、絆を深め、魂で繋がって終わった。
しかし【トラブルホイホイ】が気になる。
[放浪中]
……まるで生きていて、意思があるような書き方だ。
何か、とても嫌な予感がする。
修行の継続と、ミルクが戻ってきたら伝えないと。
一抹の不安を覚えた俺は、そう心に刻んだ。
〜〜 現実世界 〜〜
「ん?」
「んあ?」
「ん……」
「ん〜〜」
「ほえ」
目覚めた俺達は、各々自分の体に異常がないことを確認した。
まあゲムで満たしておいたから、そうそう何かあるもんでもないが、こういう先入観が油断に繋がるからな。
……今度映像とか音とか記録できないかやってみよう。
「さて。これからどうする? 夕飯はどこかで食べるか?」
「そうですね。これから作るのも時間がかかりますし」
「えー? 私疲れちゃったよー。これからどこか行くのやだ」
「そうねぇ。何だかんだでもう夜だしぃ」
「エーリ様、魔力ください」
「あれ疲れるんだけど……」
「「「「うーん」」」」
どうしたものか。
地球だと出前があるんだけどな。
こちらにあったとしても伝える手段がない。
コンコン。
「あ、はい」
悩んでいると、ノックの音が聞こえた。
この家を知っているのは限られているが、誰だろうか?
十分注意してドアを開ける。
ガチャ。
「夜分遅くに申し訳ありません。今お時間よろしいでしょうか?」
「ジャンヌさん?! ええ、構いませんが、どうしたんですか?」
そこにはジャンヌさんが立っていた。
「ち、父がエーリ様達を食事に誘ってはどうか、と申しておりまして。お食事はもうお済みでしょうか?」
「お父上が? あ、いやまだ食べていなくて、どうしたらいいかと悩んでいたところです。え、と。よろしいんですか?」
「エーリ? どなたで……あ、こんばんは」
「こんばんは」
「ジャンヌさんのお父上が、夕食を一緒にどうかって言ってくださってるんだけど」
「行くーーー!」
「私も賛成ぇ」
「行きます。お腹減りました」
「あ、じゃあお邪魔させていただいてもいいですか?」
そう言うと、ジャンヌさんの顔が笑顔になった。
それはもうパァっと。
この人めっちゃファンいるだろうなぁ。
「ええ! 父も喜びます! ではこちらへどうぞ!」
なぜかルンルンのジャンヌさんに連れられ、ジャンヌの実家? に着いた。
隣の建物だった。
「ただいま父さん。エーリ様達をお連れしました」
「お帰りジャンヌ。やあ、待ってたよ」
「「「「「こんばんは」」」」」
ジャンヌのお父さんが出迎えてくれた。
長身痩躯、という言葉がぴったりだが、どこか気品が漂う所作をする人だ。
「何だジャンヌ、かしこまって。いつも通り親父って言ったらどうだ?」
「「「「「親父?」」」」」
「ちょっ?! 何言ってるのよ父さん。(やめてよ! ギルドじゃ全然違うんだから!)」
今、親父って言ってたような?
「ははは。悪い悪い。ほらジャンヌ。エーリくん達を席に案内しなさい」
「んもう! あ、申し訳ありません。こちらへどうぞ」
「は、はい」
うーん。いつものジャンヌさんだ。
聞き違いだろうか?
とにかく案内されるがまま席につく。
「家を借りる際にご挨拶させていただきましたが、あらためまして。『虹の絆』リーダーのエーリです。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
俺の挨拶に合わせて皆も会釈する。
「これはご丁寧に。ではこちらも。アルベルト・メイガード。ジャンヌの父です。前は挨拶だけだったからね。ジャンヌが推すエーリくん達と話してみたくて、こうして誘ってみたんだ。迷惑だったかな?」
「いいえ。お気遣いありがとうございます。ジャンヌさんには大変お世話になっていますし、アルベルトさんにもあの様な素晴らしい家を貸していただいて、私達一同とても感謝しています。ぜひご一緒させてください」
「ははは。君は本当に10歳かい? ご両親はエーリくんを誇りに思っているだろうね」
柔和な顔をさらに柔らかくする。
「恐れ入ります。私も両親含め、ここにいる皆のことも誇りに思っております。ご紹介しても?」
「ああ。お願いしよう」
中々こうして、人に紹介することもなかったからな。
ちょっと気合いが入る。
「まずは家族から。妹のステファニーです。私の自慢の妹です」
「ステファニーと申します。おじ様のような素敵な殿方にお会いできて光栄です。ステフとお呼びくださいませ」
うわぁ……猫かぶってるぅ〜。
少し顔が引きつりそうになったが、根性で堪えた。
「ありがとうステフ。君の様なレディに会えたことをミルク様に感謝しなければね。私のこともアルと呼んでくれるかい?」
「はい。アルおじ様」
ウフフ、と白ステフが微笑む。
「続きましてオードリーです。幼くして帝国特級鑑定士になった才女です。いつも私を助けてくれます」
「オードリーと申します。『家は人なり』と申しますが、これほど実感したことはございません。アルベルト様の内面が如実に表れた、素晴らしいお宅ですね。お借りしている部屋の家具も、帝城で見たものと遜色ございませんし、そのセンスに脱帽いたします」
「いやお恥ずかしい。特級鑑定士様にそう言っていただけると、私に見る目があったかと錯覚してしまいそうだ。粗末な部屋だが、存分に使っていただけますかな?」
「大切に使わせていただきます」
このオードリー、いいわぁ……。
「アルベルトさん。こちらはルイーズ。魔石士です。縁があり、『虹の絆』に入っていただきました。魔法に関して造詣が深く、色々と師事させていただいています」
「ルイーズ、と申します。ジャンヌ様は上級受付ということですが、私からすれば、特級であっても何も驚くことがないほどの能力だと思いますわぁ」
「いえいえ。これなど特級には程遠い若輩者です。この程度で満足してもらっては困りますよ」
「まぁ、お厳しいこと。その厳しさも、ジャンヌ様を思ってこそとわかっております。優しさと甘さを履き違えずにいるのは難しいことですのに、流石ですわぁ」
いつものムンムンな色気じゃなく、そっと香る様に漂う色気も、いいものだなぁ。
「最後にアンジェリーナです。『異世界への扉』のベルウッド様から譲り受けました魔法鞄です」
「アンジェリーナです。お招きいただきありがとうございます。私はエーリ様と虹の絆で結ばれた皆が大好きです」
「丁寧なご挨拶ありがとう。ジャンヌから聞いているよ。素晴らしい魔法鞄だとね」
「えっへん」
ウインクするアルベルトさん。
俺ウインク苦手なんだよなぁ。
どうしても両方つむってしまう。
「以上が私の自慢の家族とメンバーです」
「エーリくんだけじゃなく、思った通り皆さん素敵な方ばかりだ。今夜は楽しい夕食になりそうだ」
「では、夕食の準備をいたしますので、しばらくご歓談ください」
ジャンヌが食事の準備のために部屋を後にする。
アルベルトさんの言う通り、楽しい夕食になりそうだ。
……そう、この夕食会は、俺達にとって忘れられないものとなるのである。
20,000PV、3,000ユニークを達成しました!
見てくださった皆様、ありがとうございます!




