第45話 集団鑑定(エーリ)
続きです。
久しぶりにステータスが出ます。
長めです。
2018/02/03 誤字、読みにくい箇所を修正しました。
ギルドに行った俺達は、ジャンヌに観光ルートを聞き、アンジーのパーティメンバー登録も行なった。
「魔法鞄ですか……。検索いたします。アンジェリーナ様ですね。……容量、不明?! し、失礼しました。それにしても、エーリ様は次々と凄い方とパーティを組まれるのですね」
「でもエーリはその私達の誰よりも強いですよ?」
オードリーが朗らかに言い切る。
「……そんな気はしております。アンジェリーナ様との主従契約、及びパーティメンバー登録が完了いたしました。アンジェリーナ様は主人であるエーリ様と同じランクの扱いとなりますので、Cランクということになりますね」
「わかりました。エーリ様と一緒で嬉しいです」
まあ生物であり、道具でもあるからな。線引きは難しいが、お互いがそれでいいなら問題ない。
「ありがとうございます、ジャンヌさん。紹介していただいた家、とても使いやすくて助かってます。本当にありがとうございました」
「「「「ありがとうございます」」」」
全員で頭を下げる。
「そんな。大したことなど。でも、父の物件を褒めていただき、ありがとうございます。父も喜んでおりました。どうぞ遠慮なく使ってくださいませ」
ジャンヌさんは少し照れながらも、可愛らしい笑顔を向けてくれる。
こういう仕事出来る美人の素の表情って、男心をくすぐるな。
「じゃあ、これからもよろしくお願いします。よし、観光に行くぞー!」
「「「「おー!」」」」
「お静かに願います」
「「「「「すいません」」」」」
「ふふ。それでは」
最後にコントも交えつつ、俺達はギルドを去ったのだった。
その後、ジャンヌさんの作ってくれたルートで観光をした。
中央にほど近い教会でミルク像を見たり(帝都だけあって、細部に渡り本物に忠実だった)、観劇をしたり、オススメのお店でご飯を食べたり、大満足な内容だった。
食事処では、店主の人に「小僧、お前強いだろ?」って言われてドキッとしたけど。
この『へべれけ』ってお店、店主が元Sランクで、従業員はほぼAランクらしい。
店に入った時に全員がこちらを見たんだけど、色々見抜かれてそうでちょっと怖かったな。
でも味も接客もとても良くて、毎日でも来たいくらいだった。
なんてこともあったが、楽しい時間はあっという間に過ぎて、家に戻ってきた。
「よし、じゃあやろうか」
いよいよ【集団鑑定】を行う。
「エーリ。ゲム魔法でこの部屋を覆ってください。今日は全員が無防備になりますから」
「了解」
俺は部屋の形に合わせてゲム魔法を発動させた。
密度も高いから、大抵の攻撃に耐えられるはずだ。
「ルイーズさん」「ええ」
それを確認したオードリーとルイーズは、俺達を囲うように向かい合い、両手を俺達に向けた。
「では始めます。準備はいいですか?」
「いつでも」「大丈夫ー」「問題ありません」
「詠唱を開始するわぁ。リラックスしてねぇ」
2人は頷きあい、タイミングを測って詠唱を開始する。
「「オードリー、ルイーズの名において、【集団鑑定】を執り行う。我らは互いに傷つけず、また傷つかないことをここに誓う。我らは魂を共有し、互いに全てをさらけ出し、何事においても嘘をつかない事をここに誓う。我らが魔力よ。我らを1つに繋ぎたまえ。【集団鑑定】」
俺達からそれぞれの魔力が出て、混ざっていくのを感じる。
ゆっくりと意識が遠のいていき、やがて現実世界から精神世界へと意識が移っていくのを感じた。
〜〜 精神世界 〜〜
「ん……ここは……庭?」
目を開けると、どこかの家の庭にいた。
「いらっしゃぁ〜い。エーリくんが1番乗りねぇ」
「ルイーズ……。ここは、精神世界なのか?」
「そうよぉ〜。今向いてる方が私の世界。反対側は何もないでしょう? そっちはエーリくんの世界ねぇ」
振り返ると真っ白な世界が広がっている。
「この差は、なんなんだ?」
ルイーズの方は、『世界』と言っても過言ではない。
なんか人もいるし。
「『歴史』の違いかしらねぇ。長く生きていると、魂にも色々と刻まれるのよぉ〜。それが投影されているのぉ」
「へぇ。なんか、いい街だな」
活気があるし、人々も笑顔だ。
「……ありがとう」
ギュッ
「ルイーズ?」
「ううん。なんでもないわぁ。……それより、来たみたいよぉ?」
「うん?」
指差す方を見ると、オードリー、ステフ、アンジーがうっすらと浮かび上がってくる。
それと同時に、3人の世界とも繋がった。
オードリーとステフは俺と同じく真っ白なのだろう。変化はない。
アンジーの方は、異常だった。
真っ黒な、宇宙? のような空間に、恐らく魔力の塊、家、食べ物、馬車、武器の数々、そして山?! 色々な物がプカプカ浮いている。
「凄いな」「ええ」「いっぱいだねー!」「そうですね」
なぜかアンジーも他人事のような話し方だ。
「見たことなかったのぉ?」
「はい。私を見ようとすると『呑まれそうだから』という理由で、鑑定していただけてませんでした」
「呑まれる?」
「鑑定は対象者と深い繋がりを持つことになるからぁ、相手の精神が凄いと鑑定士の精神が侵されることがあるのよぉ〜。この無限の広がり方を見ると、確かに私とオードリークラスの鑑定士じゃなきゃ無理ねぇ」
規格外、か。
「ルイーズの時も驚きましたが、これは凄いです。私一人だとダメでしたね……」
オードリーが少し悔しさを滲ませながらアンジーの空間を見る。
「オードリーだってこれから成長するだろ? あんまり凹むなよ。次は一人でも大丈夫さ」
「エーリ……はい」
返事をするオードリーは、気持ちを新たにしたようだ。
うん、オードリーはこっちの方が良い。
「じゃあ始めましょうか。まずはステータスの確認ね」
「順番に行こう。俺、ステフ、オードリー、ルイーズ、アンジーで」
「わかったわぁ。じゃあ、リラックスしてねぇ」
ルイーズの手が光だし、俺の全身を包んだ。
やがて俺の体から光が溢れ、文字を形成していく。
【括弧内は赤ちゃん時からの倍率、※は桁が多いので桁表記】
【名前】:エーリ
【性別】:男
【体力】:900,000,000(90倍) ※9億
【魔力】:10,000,000,000(200倍) ※100億
【攻撃力】:50,000(50倍) ※5万
【防御力】:700,000(7倍) ※70万
【力】:8,000,000(100倍) ※800万
【耐久】:999,999,999,999,999,999,999(約100倍) ※9じょ、以降割愛
【器用】:200,000(2倍) ※20万
【敏捷】:10,000(1,000倍) ※1万
【素早さ】:10,000(1,000倍) ※1万
【知性】:5,000,000(5倍) ※500万
【精神】:999,999,999,999,999,999,999(約100倍) ※9じょ、以降割愛
【運】:1
【魅力】:無限
【二つ名】
[転生者][全能神に愛されし男][生還者][ミルク村][ルークとミリアの子][おねしょ芸術家][魔殺鏖殺][山賊に愛されし男][たらし][魔族の友][神を超えし精神力][Cランク冒険者][虹の絆][アンジェリーナの主人]
【才能】
[全属性魔法(全能神)]:上 → 極
[神力(全)]:未習得
[天運]:発動中
[愛縁奇縁(神)]:発動中
[金剛無双(神)]:特上 → 神
[戦神]:上 → 最上
[軍神]:微 → 上
[長命(神)]:並 → 特上
[大団円]:発動中
[不屈]:発動中
[トラブルホイホイ]:放浪中
「「「「「…………」」」」」
取り敢えず皆目を擦って指で数を数えだした。
「なあ」
「なんでしょう?」
「これ間違ってたりは?」
「しません」「しないわねぇ」
ですよね。
「お兄ちゃんて、凄かったんだねぇ。21桁の数字なんて初めて見たよ」
「エーリ様は、なんか凄い」
「100億の魔力を入れて全然余裕なアンジーさんが何を言う……」
「「「確かに」」」
「うん?」
アンジーさんは自分の凄さに気づいてないようです。
「まあ、数値は正直どうでもいいんだ。修行の成果って事で」
「どうでも良くないですけど、まあ、はい。エーリですから」
「この二つ名の混沌っぷりはなんなんだ?」
[魔族の友][神を超えし精神力][アンジェリーナの主人]。
これらはいい。ほぼ事実だしな。
[おねしょ芸術家][魔殺鏖殺][山賊に愛されし男][たらし]。
何これ?
100歩譲って[魔殺鏖殺]はいいよ。
理由はどうあれいっぱい殺したもん。
何? [おねしょ芸術家]って?
あれか? おねしょでミルクの絵を描いたからか?
ミルク村の皆の間では、俺は[おねしょ芸術家]と陰で言われてんのか?
[山賊に愛されし男]って何?
誰? そう呼んだの。
そりゃ生まれた時から襲われましたよ? ええ。
帝都に来るまでもいっぱい遭遇したしね。
でもさ、愛されたいわけじゃないよね。
愛したいわけでもないし。
[たらし]。
まあ有り難いことに美人なパーティメンバーがいっぱいいますよ。
村の皆にも可愛がられたし、何より全能神ミルク様にも愛されているようだし。
ただなぁ〜。[たらし]って書かれちゃうと印象が良くないよね。
大体女たらしのことを連想させるよね。
悪意に満ちてるよね。
「お兄ちゃん、目が笑ってないよ」
「エーリ様、笑いながら怒ってます。凄いですね」
「気持ちはわかるんだけど落ち着こうか」
「結構しっくり来るわねぇ」
「ルイーズ?!」
「エーリくん、やっぱり[転生者]だったのねぇ」
「あー、何だかんだで言ってなかったか。……ん? やっぱり?! ルイーズ……転生者を知ってるのか?」
転生者に驚かなかったのは意外だったが、それよりもなぜ転生者の存在を知っている?
「すごぉー…………い昔に会ったことがあるのよぉ。鑑定もしたし。エーリくんに魔力を分けてもらった時にぃ、これだけの出力を出せるのって、昔会った転生者くらいだったなぁって思ってたのぉ。まあ数値はエーリくんの方が段違いに高いけどねぇ」
ミルクの話っぷりからも、昔転生者が居たんだろうってのは予想がついていたけど、まさかルイーズが知っていたとは。
「黙ってて、ごめんな」
「いいのよぉ〜。瑣末なことですもの。私はエーリくんと一緒に居られればそれでいいわぁ」
「ルイーズ……。ありがとう」
「どういたしまして」
ギュッと抱きしめ合う。
オードリーも微笑んでくれている。
俺はいい仲間に恵まれたなぁ。
ますます頑張らないと!
……まあ、それはそれとして、だ。
「悪意ある二つ名の犯人探しは後にしよう。気になったんだけど、才能の欄に矢印書いて『上 → 極』とか書いてあるのは何?」
「探すんだね……。あれは、エーリが努力した結果、これくらいのことが出来るようになりましたよって意味だよ」
「あれ? 最初から1番上じゃないんだな」
才能があれば何でも出来るかと思ってた。
「うん。才能があっても、伸ばさなかったら宝の持ち腐れなんだよ? 努力してても、やめちゃったらどんどん下がっていくし」
「私もいっぱいそういうのを見てきたわぁ。堕落した極の才能持ちが、努力した微の才能持ちに負けるとかぁ、結構よくあるのよねぇ」
「養成所にも居そうね……。楽しみだわ。ふふふふ」
才能だけが全てじゃない、か。
うん。いいな。
「[神力(全)]の未習得ってのは?」
「神力は神様に教えてもらわないとダメよぉ〜。試練をクリアしないと教えてくれないのぉ。しかも使用にも色々制限がかかるしねぇ」
「めんどくさそうだから追々で良さげだな」
それにしても……
「[トラブルホイホイ]の[放浪中]ってのはなんなんだ?」
「これが例のアレぇ?」
「そう。何度もヤバいトラブルを持ってきた厄介な才能」
「……これってさ、そのヤバいトラブルを持ってきてる最中なんじゃないの?」
ステフがさらりとヤバめな事を言う。
「……ありえるな」「ありえますね」「ありそうねぇ」
「お茶が美味しいです」
アンジーはのどかである。
「まあ、この才能に関してはどうこう出来るものでもないらしいし、正直修行するなりして備えるくらいしか出来ないんだよな」
「私は人脈作っとくよ。多分役に立つだろうし。使える駒は多い方がいいでしょ?」
「ステフ……」
黒いよ。
「まあ、俺はこんな感じか。よし、じゃあ次はステフだ」
「はーい。私も久しぶりで楽しみ!」
「じゃあステフ、いきますよ?」
「うん!」
ステフに向かって、オードリーの魔力が伸びていった。
ブクマ、評価ありがとうございます!
いつも見てくれる皆様に感謝を!




