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第40話 家の確保と魔法鞄

お待たせしました。続きです。


2018/01/17 読みにくい箇所を修正しました。

 ギルドで冒険者登録とパーティ登録をした俺達は、宿を探していた。


「約3ヶ月住むのかぁ。どうする? 家借りるか?」

「うーん、そっちの方が良いかもしれないけど、帝都だと高くない?」


 お金がなぁ。


「宿泊施設で住み込みながらってのも出来るけど……?」

「それだと冒険が出来ない」

「うーん。ちょっとジャンヌさんに聞いてみようか」


 ギルドを出て30分。

 速攻で戻る。


「次の方! あら、どうなさいました?」

「すぐ戻ってきてすみません。3ヶ月程住む家か宿を探したんですが、いまいちわからなくて……」

「なるほど。少々お待ちください。……こちらが現在利用できる宿泊施設、不動産の価格表となっています。不動産はご希望でしたら内見も出来ますよ」


 カタログみたいなのが出てきた。

 わーお、至れり尽くせり。

 仕事がめっちゃ早い。


「凄いですね……仕事が早いと言うか」

「お褒めいただき、ありがとうございます。ですが、これくらいは出来ませんと受付には立てません」


 最前戦とか言ってたしなぁ。


「えーと。オードリー、どう?」

「どれどれ……。値段的には一番外の家とかが安いんですけど、治安とか築年数考えるとちょっと」

「かと言って中央の方は予算に全く合わないな」

「中間層はどれも良さげだけどぉ。なぜかしらぁ。しっくり来ないというか、もう一声感が強いというか?」


 うーん。


「ではギルドの宿泊施設になさいますか?」


 ああ、オードリーも言ってたっけ。


「でもあれはE〜G用では?」


 とオードリー。駆け出し用なのかな?


「私が相談すれば泊まれないこともありません」

 それはダメだな。

「いえ、必要としている人達がいるなら、それを奪うことはしたくありません」


 それを聞いたジャンヌさんは、少し微笑んだように見えた。


「じゃあどうするのよ?」

 ステフ……それを考えてよ。天才でしょ?


「……私の知り合いに、いい不動産屋がおります。そちらに掛け合ってみますので、少々お待ちいただけますか?」

「え? それは、いいですけど」


 なんでそれを早く、とは言えないな。

 なんとなくわかるし。


「申し訳ありません。こういった私的な繋がりを最初に持ち出しますと、他の宿泊施設や不動産屋に迷惑がかかりますので」

「はい。それはわかります。いくらでも待ちますので、お願いします」


 〜〜 30分後 〜〜


「エーリ様、お待たせしました。こちらでございます」


 提示された資料には、ギルドから徒歩10分、3階建の最上階、南向きの4LDK、1ヶ月金貨15枚と書かれていた。


「?! こんな良物件が金貨15枚? あの、これは……?」


 オードリーが信じられないものを見たという顔をしている。


「はい。この不動産屋はほぼ道楽でやっておりまして……私の父なんですが。貸すかどうかを私に一任してくれております。皆様は有望かつ信用に値すると判断しましたので、ご提案させていただきました。如何でしょうか?」

「どうすr 「「「ここで!」」」


 相談するまもなく、女性陣が即答する。


「かしこまりました。それでは手続きをさせていただきます」


 ジャンヌさんもどことなく嬉しそうだ。


 こうして、帝国内では超優良物件な家を確保したのであった。

 因みにジャンヌさんのお父さんは、髭とパイプが似合う素敵な方でした。



「……んー! 何だかんだあったけど、なんとかなって良かったね! お兄ちゃん」


 ステフはベッドに大の字になり、一息ついている。


「確かにな。よし荷物を置いたら魔法鞄のお店に行こう。行けるか? オードリー」

「うん!いつでも大丈夫だよ、エーリきゅん!」


 部屋の中だからか、きゅん呼びに戻っている。

 オンオフが切り替えられるならいいか。


「ステフは観光だっけか?」

「ん〜、ちょっと疲れちゃったから、休んでる。ルイーズさんも出かけていいよ?」

「私も残るわぁ。お風呂に入りたいし、護衛も必要でしょう?」


 まあそうだな。

 長旅中、部屋に入っての風呂はそこまでなかったし。


「じゃあ行ってくるよ。ステフはゆっくり休め。ルイーズ、後は頼んだ」

「「はぁ〜い」」


 家を出て、店へ向かう。


「ふんふんふーん!」

「ご機嫌だな」

「ええ! そりゃもう! 生まれて初めてエーリとデートしてるんですから!」

「ああ、そう言えばこうして二人で出かけるのは初めてか」

「そうですよー! うふふ〜。たーのしっいっなぁ〜!」


 超ご機嫌なオードリー。

 すれ違う人達が笑っているが、喜んでくれてるならいいか。


 20分ほど歩くと、店に着いた。

 格式が高いことがわかる店構え。重厚感のある扉。ドアマンまでいるよ……。


「『魔法鞄専門店 異世界への扉』か」

「はい。帝都にも一つしかない専門店です」

「え? 魔法鞄てそんなに貴重なの?」

「まあそれもあるんですが、扱うこと自体が許可制でして」


 ふーん。厳しいんだなぁ。

 こういう高級店は初めてだけど、変な格好もしてないし、オードリーもいるから大丈夫だろう。


「よし、入ろう」「ええ」


 扉に近づくと、ドアマンが微笑んで開けてくれた。

 そこには、スーツを着た40〜50代であろう男性が立っていた。


「いらっしゃいませ。『異世界への扉』へようこそお越しくださいました。初めてのお客様でございますね。私、当店の店主を務めております、ノーマン・ベルウッドと申します。以後、お見知り置きを」


 片眼鏡をかけ、某芸術家と同じ10時10分にセットされた髭をしたノーマンさん。

 挨拶の後、最敬礼で出迎えてくれる。

 ……インパクト強すぎて言葉がでねぇよ。


「『虹の絆』Cランク冒険者のエーリと申します。魔法鞄を見せていただきたいです」

「同じくDランク、オードリーです。『説明』はしておりませんので、お任せします」


『説明』はしていない。その言葉にノーマンさんはニヤリと笑う。

 ……なんだ? オードリーもすました顔してるし。


「かしこまりました。こちらへどうぞ」


 促されて店内を進む。


 ショーウインドウには様々な鞄が飾られてあり、どれも高そうである。

 全部魔法鞄なんだろうな。


「我がベルウッド家は代々魔法鞄を扱っておりまして、世界で販売されている魔法鞄は、我が家のみが販売を許可されております」


 マジか……。

 世界中でここの鞄を使ってるってこと?


 店の中央に来た時、ノーマンさんがくるりとこちらを向いた。


「こちらのお客様に『説明』を行う。皆その前提でいるように」


 ??? ノーマンさんが見た方向には店員さんが2名いたが、頷いているだけだった。

 ……ますます分からん。


「まず、魔法鞄に触れてみますか?」

「あ、はい」


 ノーマンさんの近くにあった鞄を鍵付き棚から出してもらい、持たせてもらう。

 見た目は普通のリュックサックだな。


「では開けて手を入れてみてください。大丈夫、噛まれませんよ(・・・・・・・)


 オードリーがクスリと笑う。


「じゃ、じゃあ。うわ、真っ暗」


 鞄の中は真っ暗で、中に何が入っているかわからない。

 正直手を入れるのが怖い。


 意を決して手を入れてみる。

 黒い部分に触れると、波紋が広がって指先が消えていく。


「う〜〜。なんか不思議な感覚ですね」

 ぞわぞわする。


「ははは。それが異世界、というより別の空間に繋がっている感覚でございます。その鞄にはお茶が入っておりますので、『お茶』と念じてみてください」


「え? ……(お茶)」

 ?! 何か手に持たされた気がする。


 ゆっくり引き出してみると、ソーサーに置かれ、熱々の紅茶が入ったティーカップが出て来た。


「それは今朝入れたものです」

「えーと、異空間? には時間経過がない、ということですか?」

「左様でございます」


 それは凄いな。

 容量にもよるけど、これがあれば旅先でも温かい、または冷たい食べ物が食べられるのか。


「液体などはどうなんですか? 例えば水をこのまま入れたら」

「その場合もそのまま入っていますよ。さながら谷に向かって流し入れているような状態と申しますか。出す場合は入れた者の意思を汲み取り、塊で出したりちょろちょろ出したりも可能でございます」

「凄いな。生物などはどうですか?」

「鞄の能力によります。最高級品ですと出来ることも(おお)ございますから、可能な鞄もいくつか」


 なるほど。ものにより入れられる物が変わってくる、と。


「今触っておられる『ジョアンナ』は、生物も可能でございます。入れておける期間は約一週間。許容量も桁違いで、1ブロックは入ります」

「ええええ?! そんなに入るんですか?!」


 俺の驚きにノーマンさんは満足げに頷いている。


「因みに、おいくらで……?」


「我が家に受け継がれている子ですから、非売品ではありますが……。値段をつけるとしたら白金貨1000枚以上からですね。もちろんいくら積まれても売る気はございませんが」

「……オードリー、白金貨って金貨何枚?」「えーと、100枚かな」


 1,000(白金貨) × 100(金貨) × 10,000() = 1,000,000(10億円),000 チーン!


「マジで……?」

「マジ、でございますよ」


「なんか魔法鞄て高いと聞いたんですが、この店で一番安いのはおいくら……でしょう?」


 もう聞くのも怖くなって来たな。


「金貨100枚でございます」


 それなら何とかいける!


「あ、じゃあそれを見せていただいても良いでしょうか?」


「……ええ、良いですよ」


 あれ? ノーマンさんが悪い笑みを浮かべているような。


 ノーマンさんは一度下がると、小さなポーチを持って来た。


「こちら『エリザベータ』でございます」

「? 容量はどのくらいでしょう」

「馬車10台くらいですね」


 十分だな。


「じゃあこれを下さい」

「手を、入れてみていただけますか?」

「……は?」

「ですので手を」

「はぁ……」


 よくわからないが、入れないといけないらしい。

 よっと。ズボッ

「うわっ」

 オードリーが顔をしかめる。ん?


 ガブ!!


「痛ってぇええええええええええ!!」




 噛まれた……。

本編40話、投稿も50回を超えました!

毎日投稿を続けて1ケ月。


皆さんが見てくださることがモチベーションに繋がっています。

これからもどうぞよろしくお願いします!


お気にめしましたらブクマもお願いします!

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