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第38話 ギルドへ

お待たせしました。

続きです。


ようやく・・・ギルドに。


2018/01/06 読みにくい箇所を修正しました。

「ようし、まずはギルドだな。オードリー、場所、わかるか?」

「ええ。帝都は大きいですから、本部が1つ、支部が4つあります。登録自体は支部で出来ますから、そちらにしますか? エーリきゅん」

「うん、最後以外は良かった」


 1ヶ月丸々エーリ『きゅん』だったからな。

 すっかり染み付いてしまっている。


「オードリー、これからは『エーリ』って呼び捨てにしてくれよ。流石に恥ずかしい」

「は、はい。……エーリ」

「なあに? オードリー」

「はう! なんか、妻と夫みたいでドキドキしますね……」

「ねえ、旅の最初、普通に言ってなかった?」「言ってたな」


 何故だろう。

 久しぶりに会った時は、とても大人っぽくなったと思っていたのに。


「普通にしてればオードリーは綺麗なんだからさ。もっと抑えたり、出来るか?」

「き、綺麗……ふふふふふふ。だ、大丈夫です。抑えます。……ふふふふ」

「重症ねぇ……」


 まあ、いいか。


 若干上の空のオードリーだったが、道順は覚えていたのか、特に迷いなく進んでいく。


「それにしても凄い人だな。いつもこうなのか?」

「そうですね。どこも大体こんな感じですよ。あ、スリや痴漢も多いですから、気をつけてくださいね」


 この三人に痴漢。

 まあ美人ぞろいで、年齢や体型も色々取り揃えております、みたいな感じだからな。

 誰かしら痴漢されそうだ。

 でも……掴まったら終わりだな。

 あ、そうだ。多分ダメだろうけど聞いておこう。


「魔法で捕まえたらダメなのか?」

「帝都内は基本攻撃魔法は禁止です。反撃でもなるべく使わない方が良いですね。防御魔法はいいです。あ、ゲムちゃんを薄く纏わせたり、転ばせるくらいは良いですよ」


 旅の中でゲム魔法の愛称は『ゲムちゃん』となっていた。

 なんか生き物みたいで可愛いと女性陣には好評で、外で話していてもペットか従魔だろうと思ってもらえて一石二鳥だ。


「了解。じゃあ手を繋いで。よっと」


 皆の体にゲムの分体を纏わせる。

 密度は高めにしておいたから、大抵の攻撃は止められるはずだし、センサーの役割も出来るから、痴漢やスリも触られる前にわかるだろう。


「相変わらず凄いわねぇ、これ」

「そうですよ。エ、エーリはしゅごいのでしゅ……」

「まだ慣れてないのか……」


 そんなこんなで途中買い食いなどしながらギルドへ向かう。


 ……と。


「えい!」「やぁ!」「とぉ!」

「ん?」


 振り向くと女性陣が各々男の肩を極めて取り押さえていた。


「「「何しやがる?!」」」


「どうした?」

「痴漢されそうになった!」


 なぜかステフは嬉しそうだ。

 お前まだ5歳だろうに……。


「誤解だ! 手がぶつかりそうになっただけだろ!」※対象者:ステフ

「今すぐ離しやがれ! これが間違いだったらどうなるか、わかってんのか?!」※対象者:オードリー

「ひぃい! すいません! 美人だったのでつい!」※対象者:ルイーズ


 すっとぼけ、脅迫、素直に認める、と。

 前の二人は、死ぬな。


「ルイーズ、その人は離していいよ。ルイーズが美人なのは本当だし、気持ちはわかる。ただ、説明のために一緒に来てもらうけど」

「わかったわぁ。良かったわね〜。未遂で」

「ほんとに、すいません」


 うなだれる痴漢。見たところ20代前半か?

 抗えないよなぁ、あの服じゃ。

 ……ふう。


 あっちは、と。


「認めないんですね?」「やってないんだ! 罪には問えないだろう?!」


 確かに。未遂なら幾らでもすっとぼけられるな。

 でもさ、相手が悪いよ。


「じゃあ、見てみましょうか」「え?」

「その人、特級鑑定士だよ?」

「「ええええええええ?!」」


「鑑定」

「わ、ちょ!」


 〜〜 5分後 〜〜


「あなたの名前、住所、年齢、余罪についてもわかりました。鑑定士として証言しますので、観念してくださいね」

「うううう。すんませんでした……」


 一人陥落。


「くっ! 捕まってたまるか! 【火球】!」

「うわ!」


 最後の一人はなんと、ステフに向かって攻撃魔法を放ってきた。

 ステフの足元に着弾する。

 初歩的な魔法だが、当たれば大火傷である。

 まあ、当たってもゲムがあるし、そもそも【絶魔】だから効かないけど。


「あっぶないなぁ。火属性、ね。よいしょっと。あとは、これ」


 ステフは鞄から手袋と縄を取り出す。

 一つは火蛇の皮で作った耐火の手袋。

 もう一つはミルク村謹製、絶魔の縄。

 ルイーズを亀○縛りにした、アレである。


「オードリー、お茶ある?」

「あ、はい。クッキーも食べますか?」「うん。ありがとう」

「私にもちょうだぁい」「どうぞ〜」


 もぐもぐ、もぐもぐ。

 ごくん。


 保護者達は観戦モードに突入した。


「くっ! バカにしやがって! こいつが死んで後悔しやがれ! 我が魔力よ! 業火を以って敵を焼き尽くせ! 【豪炎(ごうえん)】!」


 そこそこ密度のある火球が放たれた。


「暑苦しいなぁ、もう!」

 ボン! ステフが火球を殴って返す。


「え? くっ!」

 バリン!

 男は予想外だったのか、慌てて障壁を張ったが、自分の魔法の威力に負けていた。


「はい、終わり」

 ギュ。

「ぐえ!」


 火球を殴った時点で、ステフは火球の後ろを走っていた。

 痴漢が障壁を張ると見るや、後ろに回り、絶魔の縄を巻いたのだ。


 これで5歳。

 体力や体術も俺や森の魔族達と鍛えてあるから、そこいらの冒険者にも負けないだろう。

 さらにはその知識と【絶魔】体質であるというのは、脅威の一言に尽きる。


「アレが養成されるんだろ?」

「ええ、帝国の最高教育機関で、知識と経験を惜しみなく与えられます」

「末恐ろしいわねぇ。出来るだけ仲良くしておくわぁ」


 ルイーズにとっちゃ【絶魔】は即死魔法みたいなものだしな。


お母さん(ミリア)の次におっかないよ」


 そんな俺たちの気持ちなど知らず、目の前ではステフが観衆に手を振っていた。


「こいつらどうすんだ?」

「ギルドに行けば引き渡しが出来るので、一緒に行きましょう。この角を曲がれば見えて来ますよ。ほら、あれです」


 角を曲がったその先にはゴツいビルの様な建物があり、[ギルド:帝国東地区支部]の看板が掲げられていた。


「デカイな……」

「ええ、1ブロック丸々ギルドになっています。魔物の買い取りや解体、訓練場に宿泊施設。色々揃っていますから」


 建物の大きさには圧倒されたが、見ると冒険者風の人だけでなく、家族づれやご老人方なども利用しているようだった。

 随分オープンなんだな。


「よし、入ろう」


 俺は少し緊張しながら、人生初のギルドへ足を踏み入れた。

転生物でここまで遅いのも珍しいですかね?


いつも見ていただいてありがとうございます!

2000ユニーク達成しました。

PV、ブクマありがとうございます!

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