表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/352

第33話 ゴーレム、壊れる

お待たせしました。続きです。


馬車旅を始めた3人の道中話です。


2018/01/06 読みにくい箇所を修正しました。

 ゴーレム馬車にのって、数時間。

 途中の村や町で人の乗り降りがありつつ、楽しい馬車旅となっている。


「そうだ、オードリーさん。魔法鞄て持ってますか?」

「え? 私は持ってないなぁ。欲しいの?」

「うん。あると便利だよなぁって、買い物の時に思って」


 流石に毎回この荷物というのは、肉体的ではなく精神的に辛い。


「うーん。帝都に行けば専門店があるから、着いたら行ってみましょうか?」

「うん。お金をいっぱい稼いで、凄いの買うぞー!」


 クスクス、と周りから笑われてしまった。

 んん? 変なこと言ったかな?


「お金があれば良いってものでもないんだけどね」

「そうなの?」


 分からん。


「……実際に見ればわかるわよ」


 苦笑気味に言われてしまう。

 まあ、帝都に行けばわかるか。


 その後も順調に進んでいたのだが、不意に御者台から声がかかる。


「この先の町まであと数十分だが、そろそろ魔力がなくなりそうだ。っかしいな。さっきの町で入れたばっかだってのに。……誰か、魔力に余裕がある奴はいないか?」

「あ、はい。僕は余裕があります」

「坊主が? まあいいか。じゃあちょっと止めるから、補充してくれ」

「はい」


 ゆっくりと馬車が止まる。

 ちょうど良いので、一旦休憩となった。


「ここに手を置いて。そう、そこだ」

「はい。それで、どうすれば?」

「魔力を注ぐんだ。まあ坊主が苦しくない分だけでいいぞ」

「あ、はい。じゃあ……」


 とりあえずゆっくりと注ぎ込むことにした。

 ガソリンと同じだ。

 少しずつ一定量を……。

 えい。


 ビキッ


 ……ボン!


「ん?」

「え?」


 御者のおじさんは、ガチャっと馬の胴体を開いて、中の様子を確認する。


「……魔石が壊れてやがる。坊主、何した?」

「え?! いや、少しだけ魔力を入れただけですよ?!」

「そう、だよなぁ。坊主くらいの年の魔力なんざたかが知れてるし……。うーん、どうすっか」


 音を聞いて、何事かと乗客たちが集まってくる。


 事情を察知したであろうステフが、小声で聞いてくる。


「(お兄ちゃん、どのくらい入れたの?)」

「(いや、大して入れてないよ。しかもゆっくり入れ始めた直後だったし)」

「……お兄ちゃん、オードリーさんを呼んでくるね!」

「! そうだね。頼むよ!」

「うん! オードリーさーん!」


 ゴーレムが魔石で動くとは知らなかったけど、まさか壊しちゃうなんてな。

 本当にちょびっとしか入れてないんだけど。


「ゴーレムの魔石が壊れたと聞きましたが」


 ステフに呼ばれたオードリーがやってきた。


「ああ、これなんだが」

「ちょっと見てみますね」

「ああ、頼む。特級鑑定士様に見てもらうことじゃあないんだがよ」

「構いませんよ。では、【鑑定】」


 ポワッとオードリーの魔法色が光を放ち、魔石を鑑定していく。

 やがて光が収まり、オードリーが見たことを話してくれる。


「どうやら、魔石に傷がついていたようですね。そこから魔力が漏れてました。……その状態で魔力補充を繰り返していたため、限界が来たということのようです」


「マジかよ……。若い頃苦労して手に入れた上物だったっつうのに……」


 ガックリと頭を下げて、御者が呟く。

 多分相当苦労したんだろう。


「慰めにならないかもしれませんが、魔石も『長い間ありがとう、壊れちゃってごめんなさい』と言っていましたよ」


 魔石って、喋るんだ……。


「そうか……。今までありがとなぁ。持ち帰って、ネックレスとかイヤリングにして、家族で付けることにするよ」

「そうしてあげれば、この子も喜ぶでしょう」

「ああ、ありがt「それで、この後どうするの?」


 ヒョイっと顔を出したステフが、感動の場面をぶった切る。


「嬢ちゃん……。うーん、代わりの魔石を次の町まで行って買ってくるか、魔力を直接補充するかしてやらなきゃならねえが、手持ちの金も、魔力も、余裕ないしな」


「(オードリー。どうする? 俺が魔力を補給すれば楽勝で行けるけど)」

「(やめておきましょう。ゴーレム馬車を数十分走らせるだけの魔力持ちって、正直平民には存在しません。注目、集めたくはないでしょう?)」


 まあ、確かに。

 じゃあどうしよう。


「ねーねーおじちゃん! お兄ちゃんが隣町まで行って魔石を買って来るよ! 代金は今乗っているみんなの、目的地までの運賃、でどうですか?」

「え? まあ同じレベルの魔石なら、それでもお釣りがくるが……坊主一人で行くのか?」

「うん。こう見えてお兄ちゃん、足には自信があるんだ。村一番だったんだよ? 魔物に襲われても逃げ切れるし、ね? お兄ちゃん!」

「え? あ、ああ。30kmなら2時間くらいで走れるけど」

「そんなに早いのか?! まあそれでも今日はここに野宿することになるな。準備はしておくから、頼めるか?」


「うん! いいよね? お兄ちゃん、オードリーさんも!」

「え? ええ。私は護衛で残りますから」「俺も、良いけど……」

「じゃあ決まり!」


 確かにいいのだが、なんで俺が……。


「(お兄ちゃんの魔法なら、すぐ行けるでしょ? 後は適当に時間つぶして帰ってきてくれれば良いから)」

「(え? まあ、良いけど)」

「(こういう時が恩の売り時だよ。道中ゴーレムのことをいろいろ聞けるし、もしかしたら帝都での申請にも有利に運ぶかもしれないんだし)」


 なるほど、一理ある。


「(わかった。やるよ)」


 荷物を最低限にして、少しでも軽くする。

 この方が対外的にはいいだろう。


「エーリ、気をつけてね」

「行ってらっしゃい。こっちは任せて(・・・)


 ステフの目が怪しく光る。


「あ、ああ。じゃあ、行ってきます」

「すまねえな坊主。頼むわ」


 軽く頷き、まずは普通に走る。

 馬車が見えなくなったところで、雷属性を満たして一気に加速!


 ドンドン加速し、凡そ1分程で遠くに村が見える。

 目的の町ではないため、通り過ぎることになるが、この状態は見られない方がいいな。

 また普通の走りに戻して、通らせてもらうことにした。


 だが、村が近づくにつれて、何か聞こえてくる。

 あれは……悲鳴?!


 断続的に聞こえてきているため、あの村で何かが起きているのは確定だ。

 もう少しで見える。……見えた!


 そこで、目にしたのは、

 汚い格好、練度の低い攻撃と統率の取れてない行動。

 若い女性と金品を略奪している、THE山賊だった。


 山賊に縁ありすぎだろ……。

 まあ、こっちは本物か。

 おっと、集中!


 見えている分には死体がない。

 まだ間に合う!


 ドン!


 俺は雷属性で一気に村に突入した。



いつのまにか8000PVと1500ユニークを超えていました!

皆さんありがとうございます!


継続は力なりですね。

これからもっといいお話が書けるように頑張っていきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ