第26話 告白(ルーク、ミリア)
ミリア、ルークの過去話が出て来ます。
ちょっと真面目な内容が続いてます。
もう数話で、幼年期終了予定です。
2018/03/31 誤字を修正しました。
魔物達との戦いの後、一人で村へと戻った。
なぜか村の入り口で、ルークとミリアが待っていた。
なんでも【雷神】がひょっこり現れて、
「もう少ししたらエーリが帰って来るだろう。怪我もしておるし心も痛んでおる。ゆっくり休ませよ」
と言ったそうだ。
誰のせいで心が痛んだと思ってやがる!!
感情の高ぶりに伴い、ブワッと虹色の魔法色が漏れる。
「に、虹色……?」
「エーリ、あなた……」
もう、いいのだ。
帰るときに決めたことがある。
家族には、転生者であることを伝える。
もしそれで、家族でいられなくなったとしても。
二人の顔を見て、微笑みながら言う。
「ルーク、ミリア。話が、あるんだ」
「ル? え?」
ルークは俺の態度が変わったことに驚いている。
ミリアは目を伏せている。
「エーリ、まずはお風呂に入りましょう。そのままだとお話しも出来ないわ」
確かに、魔物達の返り血で俺の姿は酷いものだった。
「……わかった。二人はリビングで待っていてくれ」
「ダメよ。皆で入るの。いいわね? ルーク」
「え? いいけど……」
ルークと違って、ミリアは何か悟っているようだ。
わかったよ。多分、最後だもんな。
「わかった。皆で入ろう」
それから、家に戻ってお風呂を入れた。
お湯を沸かしている最中、誰も、何も話さなかった。
「沸いたわ。ほら、行きましょう」
「よーし、久し振りだな」
「……」
先にミリアが洗い、湯船に入った。
俺はルークに洗ってもらう。
まずは返り血を洗い流してもらった。
バシャバシャっとルークが頭からお湯をかけてくれる。
「エーリと入るのも久しぶりだな。うん、やっぱり大きくなった。昔はすっごく可愛かったけど、今は男の子の顔してる。お父さんも嬉しいよ」
「そうだな。大きくなったよ」
最近はルークも仕事が忙しく、ずっとミリアと入っていた。
「エーリ。あなたはね、私達がずっと待ち望んでいた子どもなの」
洗われている俺を見つめながら、何か思い出すように話すミリア。
「18歳で結婚してから、6年間。ずっと子どもができなくてね。周りは結婚してすぐに出来て、おめでとうって、言葉では言ってても、心はそうじゃなかった。夫婦仲もその頃には悪くて、子作りも義務みたいなものだったわ」
「そう、だったのか」
「ああ、そうだったんだ。お互いのどちらかに問題があるんじゃないかってすごく悩んで、……それでな、二人で話し合って、もし次でできなかったら別れようってなった」
「え?」
ルークとミリアを見る。
ルークは微笑んでいるが、どこか痛みを感じさせるものだった。
ミリアは当時を思い出したのだろうか、湯船に浸かり、右腕で目を覆うようにしていた。
「よし、終わったぞ。さあ、入ろう」
「あ、ああ」
じゃぶん
浴槽に、ルーク、ミリア、俺の順番で重なるように入る。
「あぁ〜。やっぱり家族で入るといいな」
「ええ、そうね」
「……うん」
しばしの沈黙の後、ミリアが話し始めた。
「最後って決めた子作りね、二人で泣きながらしたの。ぼろぼろ泣いて、終わったら疲れて、そのまま寝ちゃったのよ。そうしたらね、その夜二人とも同じ夢を見たの」
ミリアはルークと指を絡ませる。
「多分、ミルク様だったと思うんだけど、光り輝く女性がね、『子どもが欲しい?』って聞いてきたのよ。すぐに欲しいですって答えたわ。すると、その女性はこうも言ったの。『普通の子どもは生まれない。あなた達二人の人生に、困難が降りかかることになるかもしれない。それでも、欲しい?』って」
「二人でな、こう答えたんだ」
「「欲しい」」
二人にぎゅっと抱きしめられた。
二人の手が震えている。
ルークは、泣いているのか、嗚咽が聞こえてきた。
「翌日、二人で夢の話をしたの。もしかしたらって気持ちと、ただの夢なんじゃないかって気持ちが自分の中にグルグル回って、生きている気がしなかったわ。……でもね、ある日、つわりが……来たの」
ミリアの声も震えていて、きっと泣いているんだろうと思った。
「嬉しかったぁ……。トイレで二人して泣いたのよ? 私が吐いたりして、ルークは背中をさすりながらね。他の人が見たら変な光景だったんでしょうけれど、私達にとっては何よりも嬉しい出来事だったの」
「あぁ……。あの時ほど神様に感謝したことはない」
「村の皆も本当に喜んでくれて、村長も有名な呪い師に頼んで作ってもらったって、お守りをくれたりして。お腹が少しずつ膨らんでくるのが嬉しくてね。ルークなんか毎日毎日、話しかけたり撫でたり。『よく飽きないわね』って言ったら、『飽きるわけないだろう! 俺たちの子どもなんだぜ?!』って、目がキラキラしてるの。あんなに悪かった夫婦仲がなんだったんだろうって、幸せな毎日だったわ」
「そうして、あの日、お前が産まれたんだ。エーリ」
俺の頭にルークの手が乗り、わしゃわしゃと撫でられる。
「急だったわ。陣痛が来て、産婆さんを呼んで。産まれそうだけどなぜか出てこないって、焦ってたわね。そうしたら急にお腹を押された気がしたのよね。次の瞬間にはスポって出てきてビックリした」
あー、ミルクに押されたあれ、か。
「最初変な泣き方するなぁって思ったけどな」
「私も、じーっとこっちを見て二へっと笑ったような気がしたけど、待ち望んだ子どもだもの。死んでもいいって思うくらい嬉しかった」
「でも、山賊、ああ、もう国軍に復帰したんだっけか。の事件がすぐあったんだよな」
「エーリから虹の魔法色が出て、国軍さん達をやっつけて。ミルク様の加護だって大騒ぎになって」
「そこからは怒涛だったな。今も守ってくださっている【聖域】の展開。腐った国軍連中が来たこともあった」
「あれは……怖かったわ」
ミリアの腕に力が入る。
「私がどうこうなるっていうのよりも、ルークやエーリが死んじゃうんじゃないかって恐怖の方が強かった」
「俺はミリアとエーリを好きにされるのがたまらなく嫌だったよ。自分の無力を呪ったさ。家族一人守れない、役立たずめってな」
「違う! ルークは、カッコよかった……」
「エーリ……」
ジャバっと音を立てて、二人の方に向きを変える。
「そのことを含めて、話があるんだ。お風呂を出たら、リビングで待っていてくれ。ちゃんと、話すから」
「わかったわ」
「ああ、わかった。じゃあ、出よう。すっかり長湯しちまったな!」
そう言って、皆で風呂場を後にした。
本日はこの1話だけです。
続きは明日投稿します。
ユニークな方が1000人超えました!
2回以上チラリとしてくれた方が4桁・・・。
書き始めて半月位だと考えると、ただの素人が書いたリアル本ではあり得ない数字ですね。
「なろう」ならではだなあ、と思います。
これからも毎日投稿を続けていこうと思っていますので、宜しければご覧ください。




