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第13話 おかえり平穏&はじめましてステータス

続きです。


予告通り、今日はこの1話のみとなります。仕事が・・・。

明日からまた複数話投稿に戻る予定です。


※2017/12/10 読みにくい箇所を修正しました。

 〜〜 精神世界 〜〜


 やってしまった……。


 オードリーの前で普通に話してしまった。


 現在オードリーは自分の服を掻き集め、胸の前で抱いている。

 涙を流し、膝をクロスさせて小刻みに震えながら首を横に振る。


「いやぁ、来ないで……」


 そこだけ見れば、無理やり致された後にしか見えない。

 目の前にいるのが赤ちゃんだとしても。


 いやお前だからな!? 無理やり人の身体を好き放題したの、お前の方だからな!?



 やがてオードリーが小声で問いかける。


「あなたは……何なの?」


「私がこの世界に呼んだ転生者よ」


「え?……全能神、ミルク、様?」


 ミルクが上からふわりと舞い降り、俺とオードリーの間に着地した。

 久しぶりの生ミルクだ。新鮮である。


「ミルク、いいのか?……ってなんか変な感じだな。赤ちゃん姿で普通に話すのって」

「前世の形にしてもいいけど、そのままの方が面白いわ」

「面白いてお前」


「あ、あの」


 おずおずとオードリーが問いかける。


「何? あーその前に服を着てちょうだい。あなたもその方がいいでしょう?」

「あ、はい」


 ミルクの言葉を受け、やっと服を着始めるオードリー。

 残念な気がするが、【鑑定士(へんたい)】様をこのままにしておくわけにはいかない。

 オードリーは服をきて、ようやく落ち着いたようだ。

 俺も場に収拾がついて安心する。


「さて、まずは自己紹介から始めましょうか」


 お互いに落ち着いたところで、話し合いが始まった。



 〜〜 現実世界 〜〜


 エーリと【鑑定士(へんたい)】が奇声を上げた後、ルークはひとり奮闘していた。

 鬼の形相で肉切包丁を振り下ろそうとするミリアを羽交い締めにし、役に立たない村長に食器の片付けと家の前の掃き掃除を命じた。


「離してルーク! この女を殺してエーリを救うの!」

「落ち着けミリア! この【鑑定士(へんたい)】を殺したらミリアが捕まっちまうだろ! エーリを母なし子にする気か?!」

「その時は村長がヤッた事にすればいいわ!」


 え〜……あ!


「鑑定を中断したらエーリにどんな影響があるかわからないんだぞ!?」

「あ……」


 ミリアはハッと気づき、肉切包丁を下ろした。


 後にルークは語る。人生で一番頑張ったと思う、と。


「ごめんなさい……」

「いいんだ、ミリア」

「ルーク……」


 肉切包丁片手にしゅんとするミリア。

 いい笑顔で肩に手を置くルーク。


 二人は見つめ合い、お互いの顔が近づいていく。


 そして、口づけをした。


 合わせた唇をゆっくりと離した二人は、顔を紅潮させ、寝室へと向かおうとする。


 エーリに弟か妹が出来そうである。




「ぜんのうしん、みるく、さま?」


 オードリーの呟きがそれを阻止する!


「「ちっ!」」


 二人は舌打ちして戻ってくる!


「あーミリア。村長を呼んできてくれ」

「はぁ。わかったわ」


 ようやくルーク一家に平穏が戻ってきたのであった。



 〜〜 精神世界 〜〜


 オードリーと俺が落ち着くのを待って、自己紹介が始まった。


「それじゃ私からね。知ってると思うけど私はミルク。全能神よ」

「オードリー・アール、帝国特級鑑定士です」

「エーリ。転生者です」


 短い自己紹介は一瞬で終わる。

 沈黙が支配した。


「あ、あの……。転生者というのはなんで、しょうか?」


 オードリーが聞いてくるが、恐る恐ると言った感じだ。


「エーリは元々別の世界の人間だったの。それを私が引き抜いてこっちの人間として転生してもらったのよ」

「はぁ。わざわざそんなことをする理由をお聞かせ願えますか?」


 まあ気になるよな。


「好きになったからよ!!」


 言いきったなーー。


「そんな理由で別世界から人間ひとり引き抜いてきたんですか?!」


 オードリーが突っ込む。

 よくよく考えれば確かにすごく力の無駄遣いな気がする。


「そんな理由とは何よ! 好きって感情はすっごい力を持ってるのよ!……まあ別の理由もあるけどそれはついでよ。それに下着姿で赤ちゃんを抱きしめたりキスする変態に言われたくないわね!!」

「ひう!!」


 オードリーの顔が真っ赤に染まる。

 人ってあんなに赤くなるんだな。


 どんどん小さくなって、うずくまっていく。


「ミルク、いくらヘンタイさんだからって、オードリーをいじめるなよ。話が進んでないぞ」

「うぅうううう」


 オードリーが唸る。


「あなたも人のこと言えないじゃない。まあいいわ。ほら、オードリー立ちなさい。今後の話をするわよ」

「今後の、話?」


 腕を引っ張られながらようやく立ったオードリーが、ミルクに問う。


 ミルクは転生時のステータスアップと、自分が施した才能の話を説明した。


「確かにステータスは常人の2倍はありますが、才能はそれ程とは……」

「え? ああ、隠蔽したままだったわね。はい」


 ミルクが指をパチンと鳴らすと、改竄していた情報が元に戻った。


「ほえ?」


 オードリーが呆気にとられている。

 まあミルクがいっぱい詰め込みましたって言ってたからな。

 オードリーの目の前に表示されているステータス画面の、恐らく才能欄には細かい文字がぎっしり書かれていた。


 そういえば転生してから自分のステータスを見るのは初めてだな。


「ミルク、抱っこしてくれ」

「はーい。よいしょっと。んふーーー。エーリはちっちゃくて柔らかくて可愛いねぇ」


 俺を抱っこしたミルクが感嘆の声を上げる。

 ミルクも色んなところが柔らかい。

鑑定士(へんたい)】モードのオードリーでは感じなかった心の安らぎを感じる。

 やはり女体はいい。


 ふう。


 おっと。ステータスステータス。


「オードリー、すまないがちょっとずれてくれ。俺も見たい」

「あ、う、うん。これでいい? エーリきゅん」


 あんだけ叫んでたくせにエーリきゅんかい……。

 もう癖になってるな。


「ああ。どれどれ……」


 転生して初の、ステータス画面とのご対面となった。



 そこで俺は、優秀過ぎる自分のステータスと、今後の人生で悩まされることになる「アレ」の存在を知ることになる。



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