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第12話 オードリー・アールという女

分けたもう片方です。いやー、シリアスじゃないものを書くと、心が落ち着きますね。


※2017/12/10 読みにくい箇所を修正しました。

(えーと、赤ちゃんのフリ、と)


「だぁ! ばぁ」


「エーリね。まずはあなたの鑑定を始めさせてもらうわ。その間、これで遊んでいるのよ」


 オードリーがそう言うと、ポン! と赤ちゃん用のおもちゃが出てきた。

 とりあえず遊んでみよう。コロコロ……。


「ふふ」


(ん?今、笑ったように見えたが)


 オードリーは真剣な顔をしている。


(気のせいか)


「ミルク村、エーリ。ルーク、ミリアの子。体力、精神力、魔力……全てのステータスが常人の2倍はある。ああ、村長が言ってたわね。ミルク様がお力を使った時の触媒として、この子を使ったと。であるならば何らかの影響が出ていても不思議ではない、か。ふむ。才能は……土魔法、水魔法が少し。雷魔法の適性が高いのはミルク様の……ギフト? 全能神からの贈り物なんて、羨ましいわ」


「だぁ。あぶう〜。ま、ま。(どうやら隠蔽は上手くいってるな)」


 急にオードリーがノートの様なものに何事か言い始めた。

 ペンが浮かび、サラサラと書いていく。自動筆記か。


「鑑定終了。全能神ミルク様の影響が見られたが、養成所への取り込み及び排除の必要性なし。報告を終了する」


(鑑定中に報告するのか! だがバレてないようだ)


 ブン、とノート型魔導具? が消える。

 報告が終わった様だ。


(あれ? オードリーのステータスとか見えてないけど)


 そう思った瞬間。

 パッ! バララララララララララララ!


 オードリーの物と思われし記憶の映像、音声とステータス画面が現れた。

 と同時に……



「あーーーーーーーーーーーーーーー! お仕事しゅうりょー! はぁ! やっぱり鑑定士って肩凝るわぁ。お仕事後のこの自由時間がないとほんっとやってられなぁーーーーい」



(……この世界の能力高めの人達って、みんなこうなのか?!【雷帝(ぱしり)】といい、この人といい!)



「さて、と」


 オードリーが服を脱ぎ始める。


(?!)


 そこには下着姿になった彼女がいた。


 すっきりとした首筋。

 華奢な肩。

 スラリとした腕。

 細い指。

 発育のいい胸。

 引き締まってくびれのある腰。

 豊かな尻。

 しなやかな脚。


 およそ大抵の男が持つ、理想の体型をした存在がそこにいた。


 思わずゴクリと唾を飲む。


 目が合った。


(しまっ「エーリきゅーーーーん!」


 ガバッと抱きしめられ頬ずりされる。


「んぅんぅんぅんぅ! はあぁ〜〜か〜わい〜い! 初めて見た時から辛抱たまらなかったよぉ! よく我慢したなぁ。私エラい!」


 ……放心状態だった。これ、ホントにオードリーか?


 じーーーー。オードリーがこちらを見ている。


(ヤバい!)


「だぁ! ま、まんま! ぁい!(ご機嫌風)」


 オードリーの瞳がみるみる輝いてくる!


「んーーーーーーーー!! エーリきゅん! ちゅき! だいちゅき!! ホントのママは外にいるけど、今だけは私がママでちゅからね〜!」


 チュッチュチュッチュと俺のいたるところにキスをしては頬ずりし、

 抱きしめ、またキスをする。


 多分、ラッキースケベな漫画で、主人公が赤ちゃんと人格入れ替わったらこんな感じなんだろうが、あまりの展開に俺はまるでついて行けてなかった。


 いきなり抱きしめられ、いたるところにキスをされる。

 俺の気持ちなどお構いなしに、好きだ何だといいながら身体を触られる。

 なぜかお嫁にいけない気がした。男なのに。

 ただ仕事を完遂すべく、オードリーの愛撫に笑顔を振りまき、赤ちゃん言葉を使っていた。




 ひとしきり俺を弄んだオードリーは、満足したのか俺を下ろし、ゴロンと寝転んだ。


 ……タバコでも吸うんだろうか。


「はぁ。スッキリした。ありがとね、エーリきゅん。お姉さん日頃のストレスを解消できたよ」


(俺はストレス溜まったよ!)


「お姉さんねぇ、お外だとこんなんじゃないんだよ? もーっと無表情で、無感情を貫かなくちゃいけないの。えーっと、ほら見て。あそこ。お姉さんの小さかった頃の記憶」


 オードリーが指差す先には、オードリーが赤ちゃんだった頃の映像が流れている。

 ……みんな笑顔だ。この頃までは、って感じか。


「お姉さんのお家、アール家って言うの。代々鑑定士の家系で、お姉さんも鑑定士になる運命だった。今日のエーリきゅんみたいに鑑定されて、歴代最高の鑑定士の才能を持ってるって言われて。物心着いた頃からすっごく厳しく育てられたんだ」


 次の映像には、遊んでいるオードリーからおもちゃを取り上げ、腕を引っ張っていく男性の姿が写っていた。椅子に座らせ、分厚い本を読むように言っているらしい。オードリーが泣いていると平手打ちをし、読むように促す。何度も繰り返すうち、オードリーは泣きながら本を読み始めた。


「ある日家庭教師として家に来ていた特級鑑定士のおじいちゃんがね、家族に内緒で冒険の本を持って来てくれたの!分厚い鑑定士の本に挟んで、勉強してるふりをして冒険の本を読んでいたわ。おじいちゃんも私も、鑑定士の話を口でして、目と頭は冒険のことを考えていたのよ」


 凄い事するな。普通むりだろ。


「そんなある日。辛くなった私はおじいちゃんに言ったの。鑑定士なんかやりたくない。あの本みたいに冒険してみたいって」


 オードリーの目がキラキラ輝いている。

 こっちの方が好きだな。


「でもね。おじいちゃんは言ったのよ。なら、一刻も早く特級鑑定士におなりなさいって。そうなれば皇帝陛下や宰相、他国の国賓の秘密を握れます。ある程度仕事をした後はそれを盾に、冒険者として生きたいと願えば良いのです。後は魔術契約などで縛れば情報漏えいや暗殺からも身を守れます。ってね」


 ……どこかのカフェラテ神と似てるな。


「7歳で特級になって5年! もう少し頑張れば材料も集まる! 私は冒険者になるの!!」


 そんなことを言うオードリーは眩しくて、早く冒険者になれればいいなって、そう思って。

 年だってまだ若い。7歳から始めて5年経つんだから、えーと……


 7+5=12


 ……12?


 は?


「12?! オードリーってそんないい身体してんのに12歳なの?!」

「うわ! ビックリした! 急に大きな声出さないでよエーリきゅん。そうよ、お姉さんはじゅうに……え?」

「え?……あ、しまった」


 赤ちゃんの身体で普通に喋ってしまった。

 ※精神体なので喋れます。by作者



 暫く見つめ合った後、オードリーはボーッと周りの映像を見回し、自分の身体を見つめ、そして叫んだ。



「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」




『楽しくなって来たわねぇ』


 どこかのカフェラテ神がニヤリと笑った。

気づいたらPVが1000を超えてました!

皆様ありがとうございます!!

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