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幕間 あとすこしだよ
『あれ』は見つめていた。
いや、値踏みしていた。
遠くに見えるのは白亜の城と、そこに広がる街並み。
そこには一体何人の人が暮らしているのだろう。
『あれ』は笑う。
醜悪な顔がさらに酷くなる。
後ろを振り返る。
そこには『あれ』が沢山いた。
身体の大きさや多少見た目が違うのはいるが、全て『あれ』。
今やその数は優に万を超え、今もなお鼠算式に増えている。
あと少し、あと少ししたらあそこの人を食べられる。
仲間を増やせる。
強くなれる。
いきり立つものを必死になって抑えながら、涎を拭って森へと帰った。
どこかから歌が聞こえてくる。
ひとびとたべにやってくる。
おおきなからだでやってくる。
ぎょろっとおめめでみつけだし、
おおきなおくちでモグモグむしゃり。
きみがいいこかわるいこか、
そんなの『あれ』にはかんけいない。
おとなもこどももおうさまも、
さいごは『あれ』にたべられる。
きみのそばまできているぞ。
エーリのそばまできているぞ。
その歌は誰にも聞かれることはなく、誰が歌ったかもわからない。
邂逅まであと……




