吹雪の山荘にて
「な、なんてことだ……」
雪山へ配達依頼に来た私たち、"寄せ集めの6人組"。
しかし、外は吹雪になり帰れない状態で、吹雪が収まるまでこのコテージに留まらせてもらうことになった……だが……
朝起きたら、私……アルドの部屋に、血まみれの人物が……!?
そこへばあんと扉が開く。
「なんということだ……殺人事件が発生してしまうなんて!」
外は未だ大雪。閉ざされたこの山荘で……
なぜか私たちは殺人事件に巻き込まれてしまった!?
「アルドがそんな事するわけないだろう!」
怒りで語気が荒くなるジオさん……嬉しいのですが、少し冷静に……
「そんなに庇うってことは、あんたも殺人事件のお仲間じゃ無いのかい?」
コテージのほかの客……マイケルといったか……
が、私たち6人に容疑をかけてきます。
コテージには他にジャックとジルという兄妹、不安そうなサニーという少女……
そして、あと一人……
「みんな!落ち着いてくれ!この名探偵、ミツヒデ・アケチがすべてを解決するとも!」
……アケチ違いじゃないですか!?
コゴロウ呼んでくださいよ!!!
アケチさんはどうやら一人一人に尋問をしていくようでした……
「まずは君、アルドと言ったか……昨日眠ってから、異変は感じなかったのかい?」
「昨日は……眠る前にお酒を一杯頂いて……そのまま朝までぐっすりと……」
特に異変は感じずに寝ていた、というと、マイケルさんが急に叫びだしました。
「こいつがやったに違いない……なんてったって、部屋は密室、扉を破った中に死体とこいつが居たんだからな!」
……なんでいきなり扉破ってるんですか……器物破損じゃないですか……
「だが……本当にそうかな?」
ミツヒデ・アケチさんはぐるりとみんなを見渡します。
「被害者のジェイソンさんは、君に高額の借金をしていたらしいじゃないか!」
マイケルさんはぐっと詰まります。
「他にも……ジャックとジルは親を亡くしてからここで無理やり働かされていたんだろう?」
兄妹はコクリと頷きます。
「そして、サニーさんは好みと見るや口説くオーナーのジェイソンさんに迷惑していた……おやおや、冒険者の彼らより、君たちの方が動機がある?」
「だが、結局鍵のかかった部屋にいたのはコイツだ!」
マイケルさんは私を指差し、兄妹も少女もこくこくと頷きました……物理的な障害……これは、難しい……!
「ですが、私たちはここへ荷物を届けに来ただけで……」
「そんな怪しい顔をして荷物を届けに来ただけ?ふざけるなよ!」
怪しい顔……怪しい顔……怪しい顔……
私は久々の罵倒にがっくり落ち込みました。
マイケルさんも、私の落ち込みっぷりに
「お、おう……済まない……」
と謝るくらいでした……謝るくらいなら言わないでください。
アケチさんは何か考えているようでした……
そして、ひらめいた!とばかりにジャックとジル兄妹に指を突きつけます!
「そうか……わかったぞ!犯人は君たちだ!このコテージの小さな窓を抜けられる……そして、アルドさんの真上の部屋なのも!ロープを使えば、簡単に密室を作り出せる!」
「こんな子どもたちがどうやってあんな背の高いジェイソンさんの頭を殴り殺せるんですか……」
私は疑問を口にしました。
アケチさん、撃沈。
「じゃあもう君が犯人でいいや……」
「いきなり投げやりになりましたね!?」
「大体アルドはこの顔だが真面目ないい奴なんだぞ!」
「そうだよー!裏で「ククク……」とか言ってそうだけど!」
「いくら顔が怖いからって言っていいことと悪いことがあります!」
ジオさん……ミアさん……エルナさん……
全員結局顔怖いって言ってますよね?
そこへそれまで黙っていたエンツォさんとネロさんが言いました……
「よし!正義の救命活動!」
「……こいつ、生きてるぞ。」
えっ!?
私たちは全員、そちらを向きました……
頭から血を流していたジェイソンさんが、ゆっくりと起き上がっています!
「なんだ……死んでなかったのか……」
「「せっかくいなくなったかと思ったのに……」」
「またセクハラに耐えなきゃいけないの……?」
……奇跡の復活を遂げたのに喜ばれないって、悲しいですね……
「ではなぜ!ジェイソン氏はアルドさんの部屋にいたのか教えてもらおう!」
アケチさんは元気を取り戻していました……テンション高い人だなぁ……
「……冒険者のリーダーって聞いたからな……酒に眠り薬を混ぜて、寝ている隙に金を取ろうと……」
さ、最低だーーー!!!
「誰にも邪魔されないよう鍵を閉めたんだが……暗くてそのまま転んでしまってな……怪我して気絶してたんだよ……」
「と、いうか犯罪者じゃないですか!?」
「なんつー事考えやがる!」
「ほかの人にも迷惑かけるの、止めなよ!」
「正義ではないな!」
「………………」
「アケチさん?彼、どうするんですか?」
私は聞きました。
「雪がやんだら、騎士団に引き渡すよ……」
この雪のように儚く散っていった被害者たちの魂を、慰めるためにも……
「いえ、誰も死んでませんって。」
「……じゃあ、この騒ぎなんだったんですか?」
やっぱり誰かコゴロウさんの方呼んできてください!




