白銀の騒乱
「うおおおお!!!正義の雪かき!!!」
なぜ冒険者が、朝から雪かきをしているのでしょう……
エンツォさんが凄まじい勢いで雪をかいていきます……
が、かいた雪が、後ろに積もって結局雪かきになってません。
「エンツォさん、後ろに積もっていますよ」
「おいエンツォー!真面目にやれー!」
アルドさんとジオさんが白い息を吐きながら注意をしています。
私……エルナも非力ながら、雪を溝の流れに流す役を仰せ使っています!
それは、昨日アルドさんとギルドへ依頼を探しに行った日のことでした……
見事に、依頼が……ありません……
「魔物も冬は冬眠してしまうものが多くて……アルドさん達ではフェンリルとか雪女とか、まだレベル的に無理でしょう?」
アルドさんと私は必死で首を横に振ります!
死んでしまいますよ!
ギルドのお姉さんは笑いながら、私たちに依頼を一つ、差し出してきました。
「合同パーティによる……街の、一斉雪かき……?」
「ええ。暫く酷かったからね。明日朝イチで、冒険者みんなで集まって雪かきをするの」
雪かきって……あまり冒険者って感じもしませんけど……
「どうしましょう?アルドさん。」
「他にないなら……しょうがない。受けましょう」
そうして私たちは街の南地区の一部の雪かきをすることになりました……
「皆ってば雪かきに苦戦しすぎだよ〜」
「慣れてないなら仕方ねぇだろ、ミア」
……ジオさんとミアさんはここからほど近い田舎の実家でもやっていたそうです。
皆とは手つきからして違います!
そして……ネロさんは……
「………………」
無言で息を切らしています。
雪の塊を持ち上げようとして、静かに諦めました。
あの塊何かしら。雪だるまの名残かな……
「おーい、そっちは終わったか?手伝おうか?」
他パーティの方がやって来ました!どうやら隣の地区は終わったみたい……
「悪いな。うちのパーティ、非力なのが多いんだ」
「その割にはほとんど終わっているな……」
「6割は私!」
「そ、そうか……」
あっ、他のパーティの冒険者の方達が引き気味です……
「私の魔法が炎だったらよかったんですけど……水ですからね。凍ってしまえば余計危ない」
「まあ、そんなに悲観するな。我々とでさっさと終わらせてしまおう!」
……この街、変な人も多いですけど、お人好しも凄く多いんですよね……
そうして、私たちの地区の雪かきも終わり……
「僕たちは違う地区も回るつもりなんだ、君達はどうする?」
「俺は行こうかな」
「私も〜!」
「私は……ちょっと限界で……」
「………………」
「すまん!ネロについていてやりたいんだ!」
ジオさんとミアさん、そして私がついていくことになりました。雪で滑ってケガをした人がいたら、困りますものね!
そして……中央区……
雪が大量に積まれた山がありました……
これでかまくらを作ったら、巨人でも入れそう……そこへ……
「炎よ、わが力を持って、目の前の者を、焼き切れ!」
「待て!」
一緒に来た冒険者さんの制止も虚しく、炎が発動し、そして……
「雪が崩れたぞーー!!!」
「雪崩だーーー!!!」
こちらにも雪が崩れてくる……!
逃げ場がありません……!
全員埋まっちゃう……!
「危ない、皆!おりゃあ!」
………ミアさんのほうきの一振りで、雪崩は私たちから軌道を変えました……
他パーティの冒険者さんもドン引きです……
「誰だ集めた雪に火を撃った馬鹿はー!」
「ほとんどの奴が埋まったぞ!見つけ次第雪から引っこ抜け!」
アルドさんやエンツォさんも呼んできて、皆で雪に埋まった人を引っこ抜きます……
私はネロさんと、引っこ抜かれた人に温かなお茶を渡す係です!
ケガをした人にもヒールをかけていきます……
そうして、昼も過ぎる頃にはなんとか少し雪も溶け……
全員、救出です!
「いきなり雪崩が起きるとか、災難だったぜ……」
人を雪から引っこ抜くのに、一番活躍したジオさんです!
「びっくりしたよねー!ねー!」
私たちを雪崩から救ってくれたミアさんです!
今日はこの2人に1番助けられた日でした。
ちなみにネロさんは、最後まで雪の塊と格闘していました。
それにしても……寒かったなあ。
やっぱり、冒険者の仕事とはズレてる気がします……。




