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帰ってきた冬

「「「初雪だーーー!!!」」」


この街に、初雪の降り始める季節となりました。

エルナさん、ミアさん、エンツォさんは大はしゃぎ。

それをジオさんと私はのんびりと眺めます。


「よくあんなにはしゃげるな……俺は寒くて仕方ねぇよ……」

「この、コタツ?でしたっけ。宿のオヤジさんに借りたんですが、いいものですねぇ。」


私達は大きなコタツでフルーツを食べます。

南の大陸はまだ夏の名残でしたが、この街はもうすっかり冬です。

帰ってきて早々に風邪を引いたミアさんも、今は回復して元気です。


「ねぇ、ジオ!積もるかな?」

「積もったら雪遊びの前に雪かきだからな!」


ジオさんは割とこういうところがあるんですよね……

普段は適当なのに。


「粉雪って感じですねえ……商業都市で食べたかき氷みたい……」

「雪は汚いから食べちゃ駄目ですよ、エルナさん。」


その時、部屋にネロさんが戻ってきた。

両手に抱えた大きな鍋……

ミズタキという料理だそうだ。

もっと北の土地の料理らしいですが……


「さすがネロ!今日も美味そうだ!」


エンツォさんはネロさんの作ったものなら無理してでも美味しいって言いそうですけどね。

……ようやく、帰ってきた気がしました。

寒いのは、嫌ですけどね。


「あー……明日からまたギルド通いか……暮らしていくためには、しょうがないけどな!」


ジオさんがおたまで私の狙っていた鶏つくねを取りました!

私も食べたいのに!食べ過ぎ厳禁ですよ!


「あったまる〜……。でもジオ、ギルドの人たちにも帰ってきたこと、伝えなきゃ!」

「このシイタケ美味しいですねぇ。」

「正義に燃えていれば、寒さもどうということはない!な!ネロ!」

「そうだな……」


皆汁を飲み、具を食べ、思い思いに喋っています……

温まる料理……いいですね。


「まあ……久しぶりですから。まずは肩慣らしな依頼を探しましょうね。この街も、何か変わっているかもしれませんし……」


ミズタキをいただきながらも明日の予定を出し合う。

冒険者は、基本何でも屋。働かざる者食うべからず!です!


「そういえば今年も芋煮会、あんのかな……」

「また懐かしいものを……」


私たちが出会ったあの日。ゴブリン一匹で精一杯だったあの日。

……そして、芋煮愛に負けた日。

私はさっさと記憶を消して、ほかの話題を持ち出しました。


「ふ、冬が深まった頃には雪像まつりとかあるらしいですよ!」


まだ警備員ならこっちのほうが綺麗な思い出になりそうだ……


「しめはおじやかうどん、どっちにする?」


しめ?なんですか?それ。


「……ミズタキは、食べ終わったらその汁を利用して、ライスかうどんかを入れる。それを食べて終わりらしい。」

「私うどん派!」

「俺もうどんだな」

「あっ……じゃあ、私も……」

「私はライスにします。おじや……興味深い。」

「俺もおじや派だ!」


ネロさんもおじや派だったらしく、じゃんけんで決めることになった。結果は……

おじや派の勝利です!

ネロさんは静かに鍋を抱えて出ていきました……


「うどん食べたかった〜!」

「ライスを入れる……味が想像できないんだよなぁ。」

「じ、実は私も……」

「ネロならいい具合にしてくれる!みんな、心配するな!」


エンツォさんの信頼は深いですね……

程なくしてネロさんが鍋を持って戻ってきました……


「おっ、これ、わりといけるな……」

「やっぱりあったまります……というか、暖かすぎて暑くなってきました……」


……それは私も思っていましたよ。

上着を脱いで、窓から外を見上げる。

しんしんと降り続く雪……

今度はどんな依頼が待っているのか、私は胸を膨らませました。


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