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海に現れたもの

「クラーケンだ!クラーケンが出たぞ!!!」


それはお昼のデザートのジェラードを食べている時に起こりました。

クラーケンだって……?危険なのでは……?

周りは急にざわざわしだし、冒険者と思われる人たちが海へ駆けてゆきます。

港町は商業都市なだけあって、冒険者が多い……!

私たちでは物の数にもならないのではないか?

そう思いながらも、私たち"寄せ集めの6人組"も港へ走りました……



「何だありゃあ!」


ジオさんが叫び、私たちは呆然とします。巨大な……クラーケン!

大きな建物ほどの巨大さ……あまりにも、大きい!

冒険者や船の乗務員らしき人たちが、すでに戦っています!

銛で突いたり、剣で切ったり。


「炎よ……燃え上がれッ!」


あ、2カウントの魔法使いも居る!なんて頼りに……

いや、いい匂いしますね……いか焼き……?

いやそんな事を言っている場合ではない!!!

クラーケンは大型の船を沈めようとしているようで……

乗組員や釣り人たちが必死に押さえています!


「アルド!クラーケンは任せた!俺は船を押さえる!」



「網を使ってクラーケンの触手の動きを封じましょう!」


私は叫びました。

ネロさんと必死で網を広げ……

ネロさんはボウガンの矢に網の端をくくりつけ……

撃ちました!クラーケンの足は網のなかで絡まっています!

あとは、ほかの冒険者とともに、クラーケンを叩きましょう!


「いくよー!どっ……せえええい!」

「ミア!無茶だ戻れ!」


いつの間にか船の上にいたミアさん!?

思いっきりクラーケンの触手にシールドバッシュをぶちかましています!

強い……だが……!


「何するのさ!この触手!うおおお!!!」


……触手と力比べになっている!?

そこへ、船を安定させたジオさんが到着し、ミアさんと力比べをしていた触手をスパンときり落としました!


「無茶するなミア!船の安定に回ってくれ!」

「打撃は効きにくいみたいだね……ジオ!任せたからねっ!」


バトンタッチ!

ジオさんは船の上で触手を切り落とすことに専念し始めたようです!

エンツォさんの突剣とはクラーケンは相性が悪い……!

今回は、エンツォさんはネロさんと組んで、走り回りながらボウガンを打ち込み、ネロさんへ来る触手を打ち払っているよう!

そして、私は……


「水よ、わが力を持って、目の前の敵を、凍りつかせん!」


……触手二本の動きを止めました!

その間に、きり落としてしまいましょう!



他のパーティも……数がすごいな、さすが商業都市。

大量にクラーケンの触手に集っています!


「嵐よ、切り裂け!」

「炎よ!燃え上がれ!」


スパンと切られた触手が炙られて……

落ちた触手を拾っていく街の人が居ます……

まさか……食べるのだろうか……?

ともかく、ほかの冒険者も斧や弓矢、槍などでどんどん触手を減らしていきます……そして……


「本体だ!本体が頭を出したぞー!!!」

「とにかく炎魔法使いは燃やせー!!!」

「遠距離攻撃できる奴は狙え!!!」


私も、あまり効かないとは知りながらも何度も氷を打ち込みます。

じわじわ……じわじわ……それでもクラーケンは港に近づいてきます!

ミアさんは船を安定させ、ジオさんはひたすら触手を切り続けている……

私たちも、役に立てているのだろうか……?



「炎よ、燃え上がれ!」

「嵐よ、切り裂け!」


……主戦力は天才級の2カウント2人。特に炎がいるのが強い!

私たちのパーティも、遠距離攻撃ができないパーティも、陸に上がらせないため、ひたすら触手を切り続けています。

これ以上先へ進まれては大惨事だ!

ネロさんもボウガンで本体を攻撃し続けています!

今このパーティで一番触手を切り落としやすい武器なのはジオさん!

ほぼナタですが、スパンスパンと切れ味が凄まじい!

私たちは蟻の子のように必死でクラーケンに群がります……

頼む……このまま、帰ってくれ……!

そうして、ついに触手が普通のイカと同じくらいの数になったクラーケンは、不利を察したのかじわりと海の方へ戻り始めます!

背を見せた!更に矢と魔法が叩き込まれる!


「水よ、わが力を持って、目の前の敵を、撃ち抜け!」


私も微力ながら何度も術を発動させて、そして――

クラーケンは、諦めて、海の中へ帰っていきました……

やった!クラーケンが……諦めた!

私たちはわっと喜びに湧きます。勢いで隣にいた剣士とハグまでしてしまいました。

そうして港の人たちは触手を拾い集めています……

冒険者たちもばらばらにギルドへ向かうようです。

私たちも、6人揃ってからギルドへ向かいました。

ギルドは大騒ぎのぎゅうぎゅう詰め。

あれだけの事件があったからな……仕方ないですよね。

そうして1時間待って、私たちはギルドカードの確認と報奨金を受け取り――


「ジオさん、ミアさん、おめでとうございます!レベル、3になっていましたよ!」

「っし!ようやく……1人前か!」

「やったよ〜ジオ!」


あちらこちらでレベルアップの喜びに湧いています。

そうして……ギルドを出た私たちが、宿に帰る途中で広場で見たものは……


「く……クラーケン、焼き?」


港の人たちがクラーケンの足を集めてたのは、これのためだったのか!?


「美味そうじゃん!アルド!食っていこうぜ!」

「冒険者の方30%引きだって!お得だよ!」


確かにいか焼きの匂いしてたけど……あんなに死闘した相手を……いいのかなぁ。

けれど、私たちは戦闘後の空腹には勝てず、クラーケン焼きに齧り付いたのでした……

クラーケン焼きは、大変美味しかったです。


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