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はぐれて、また

ドン!ドン!と、空に光の花が咲きます。

今日はこの商業都市の祭りの日。

私たちは民族衣装を借りて、街へ繰り出すことにしました。


「うわー!空見て!ジオ!エルナちゃん!凄いよ!」

「綺麗ですねぇ……」

「どうやってあんな高さで光ってるんだろうな?」


わいわい……がやがや……

人混みの中、はぐれないようなるべく寄り添い歩く私たち。

たくさんの屋台が、道の端にずらりと並んでいます。


「しかしこのユカタ?というやつはすぐ着崩してしまいそうだ!」

「……普通に歩けば、大丈夫だ。」


皆さん、慣れないシチュエーションで戸惑いつつも、楽しそうです。

私……アルドも、涼しい夜の空気にほっと一息つきました。

昼間の暑さとは大違いです。


「ジオー!チョコバナナだって!食べよう!」

「おう、じゃあ俺は20本頼むわ!」


……ジオさんの食欲はいつも通りみたいですけど。


「ネロも何か食べないか?」

「…………なら、たこ焼き、を……」

「私は……いちご飴、食べたいです……」


……花より団子。色気より食い気。

皆さん、せっかく今花火が始まったんだから、花火見ましょうよ……



「お?輪投げ?俺、やってきてもいいか?」


異変は、まずジオさんから始まりました。


「力比べ?私負けないよ!?」


ミアさんも、屋台につられ離れます。


「ぷ、プリンまんじゅう……?」


エルナさんがプリンに釣られた!


「ネロ……見ろ、海の上の船が華やかだぞ……」

「…………エンツォ……」


2人が景色を見に行って……

……気づいたら、私、一人になってしまいました。

あれ?おかしいな?いい年して迷子とかリーダーとしてどうなんだ?

いつの間にか誰もどこにもいません!



まずはジオさんがいなくなった輪投げ屋台に行きます……屋台のおじさんに聞いても、


「おう、あの兄ちゃんなら景品山程取っていったぞ。あんたもやるか?」


と輪投げを勧められてやってみました……

意外と……難しい……!

結局一つも景品が取れずに、残念賞の飴ちゃんをもらって、コロコロと舐めながら、次は力比べを見に行きます。

ミアさんも既にそこにはいませんでした……

そして、見事にぶち壊された腕力測定マシーン……ミアさんだな?

プリンまんじゅうの屋台は店じまいを始めていました……

何でも茶髪の少女がプリンを食べ尽くしていったのだとか……!?

何やってるんですか?普段のあなたはどこへ行ったんですかエルナさん!!!

そして……エンツォさんとネロさんの向かった先の海辺……

…………カップルだらけでした…………

私一人なんですが!?めちゃくちゃ浮いてるんですが!?

……完全に場違いでした。

慌てて退散しました。エンツォさんもネロさんもあんな空気の中で居座るわけないですよね……

そして……また花火が始まりました。

けれど、さっきの花火よりなぜか色褪せて見えます。

皆……どこに行ったのかなあ……



そうして、飴をなめ終わる頃、私は元の場所に一人で立っていました……

ぼんやりと花火を見上げながら……

その時、声がしました。


「あっ!いたいた!アルドさーん!」

「やっぱりあの背の高さは目立つよなぁ」


食べ物の屋台の方からジオさんとミアさんが、


「あ。いたいた!すぐ分かりました!アルドさん!」


両手にプリンまんじゅうを持ったエルナさんが。


「ふう……ようやく見つけたぞ!」

「………………」


人気のない方からエンツォさんとネロさんが、私を目印に集まってきました。



6人で揃って花火を見ます……やっぱり、1人で見るより……

さっきより、ずっと綺麗に見えました。

皆といること、それが当たり前になっていること。

いつの間にか、家族のように思い始めていたこと。

ようやく私は、気づきました。


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