やっぱりこうなる私たち
ガランガラーン!!!
「おめでとうございますエルナさん!1等賞の温泉ペアチケット三回分です!」
なんと私、エルナは、まさかの商店街のくじ引きで、温泉を当ててしまいました……
「温泉!良いですね!私大好きなんですよ!」
アルドさんは大喜び。
一泊二日の旅館……ちゃんと6人全員行けるなんて!私も大喜びです!
「熱いの苦手なんだけどな……」
「バカ!せっかくエルナちゃんが当ててきてくれたんだよ!贅沢者〜!」
ジオさんとミアさんはいつも通り……
だけどジオさんは温泉苦手なのかなぁ。悪いことしたかな?
「俺たちは内風呂に入ろう!」
「………………、普通の温泉がいい」
「ネロー!!!」
エンツォさんとネロさんもいつも通り、うん、そうですよね!
「たまには依頼のこととか忘れて温泉旅館でのんびりしましょう!」
アルドさんの声に、私たちは盛り上がりました。
………結局変なことになったんですけどね……。
温泉は……なんと、ほぼ貸切状態でした!
今日は平日で、人がほとんど来ない時間帯なのだとか。
ラッキーにラッキーが重なっています!
「反動が怖いですよ私は……いつも何かが起こるんですから……」
アルドさんは胃が痛そう。ヒールじゃ一次的処置にしかならないんですよね……
「まずは温泉にはいる前に汗を流さないか!正義の卓球だ!」
「おっ……いいねぇ、受けて立つぜ!」
「エルナちゃん、私たちはあっちの歌い放題コーナーへ行こうよ!」
「私、歌はあまり……あわわ……」
その場にはアルドさんとネロさんが残されてしまいました……。
2人とも、なごやかな会話とかするのかな?
私とミアさんは歌を全力で歌って、ジオさんとエンツォさんは全力で卓球をして。
アルドさんとネロさんは結局その審判をしたそうです。
さて、次はいよいよメインイベント!温泉ですよ!
「覗いちゃやーよ!特にジオ!」
「ミア以外に興味ないっての」
「やだ……ジオったら……」
「はーい、ミアさんはこっちですよー」
無理やり女湯に引っ張っていきます。
男湯の方から、「正義ー!」と聞こえてくるような気がするのは、気の所為でしょうか……?
とりあえず、服を脱いで体重計に……
うっ、最近ネロさんのお菓子ばっかり食べてるから………
でも美味しいんですよ……ネロさんの作るもの……
「早く行こう!エルナちゃん!」
ミアさんは温泉にワクワクです!私もワクワクしています!
「はぁ………きもちーねぇエルナちゃん……」
「気持ちいいですねぇミアさん……」
女湯はしみじみと2人でお湯に浸かってのんびり。
男湯は……なんか、すごい音が……
アルドさんの悲鳴、ジオさんのツッコミ、エンツォさんの「正義がー!!!」という声………
なんか女湯までデッキブラシがとんで来ました。
男湯、一体何が起こっているの……?
その時……足にぬるりとしたものが触れました。くすぐったい!
「み、ミアさん!くすぐらないで下さいよ〜!」
「え?私何もやってないけど……わぎゃっ!?ぬるっとした!?」
水の中をかき回しても何もいません……そこへ、
バシャアン!
透明なスライムが、飛び跳ねました!
「なんかいるー!!!」
「す、スライムです!アルドさん……は、男湯ー!」
他にもいるのか、ぬるっとした感覚がまだ足に絡みつきます!
「ま、まだいます!結構いる!?」
「待っててエルナちゃん!……どりゃあああ!このエロイムめ!!!」
男湯からとんできたデッキブラシでミアさんはスライムを一匹轢き潰しました……
そして、そのまま滑って、男湯との仕切りを、ぶち壊しました………
「「「「「キャアアアア!!??」」」」」
温泉は大混乱!私は慌ててタオルを拾って、更衣室に駆け込み顔だけ出します!
すっぽんぽんのジオさん、顔を覆って真っ赤になっているアルドさん、後ろを向いているエンツォさんとネロさん………
「いきなりなんだよミア!びっくりしただろう!?」
ジオさん……相手がミアさんだからってもう少し隠したほうが……
「見てません!みてませんから!!」
恥ずかしそうにしゃがみ込むアルドさん……可哀想……
「正義は覗きなどしない!そうだろうネロ!」
「…………そうだな。」
エンツォさんとネロさんは完全に壁の方を向いています……
だからといって、その堂々とした立ち姿はどうなんですか?エンツォさん。
「スライムだよ!透明なスライムがお湯のなかにいるんだよ!」
「スライムですって!?」
慌てたアルドさんが腰にタオルを巻きました。
「ミアさんも巻いて下さい!」
「はーい、めんどくさいなー」
そしてタオル1枚集団ができました……なにこの状況……
「とりあえず……凍らせてみます?」
「温泉台無しだろ……」
「今更だな!」
冷静に周りを見ると、壁は破壊、男湯は何があったのかぐっちゃぐちゃ、女湯はスライムの残骸と大変な有様でした……
ここまで滅茶苦茶なら……もう、変わらないのでは?
その時、ネロさんが、ナイフを投げました。
トスッ。トストストスッ!
ぷかぁと浮いてくるスライムたち。
「えっ……あの透明なの、見えるんですか?」
「………よく見たら核がうっすら見える」
………私にはわかりません………
私たちは、総出で透明スライムの残骸を温泉から運び出し、なるべく片付けました。
でも、壊れた男湯と女湯の壁だけはどうにもできませんでした………
温泉にも事情を説明したのですが、
「それはそれとして、弁償ですね」
と言われてしまいました……
身体を癒しに行ったのになぁ……
なんだかぐったりしながら帰る私たち。
たまの休みもこうなるんですよね……
もうしばらく……温泉はいいです………




