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そうめん大会とその後の地獄

「そうめん大食い大会!?」


私ーーアルドは頭を抱えました。


「わんこそば形式で一番食べた者が優勝なんだそうだ!優勝賞金もいいぞ!」


この街……芋煮会だの、乙女コンテストだの、変なイベントばっかりですね……


「ネロは裏方の方に応募していた!出場料は安いし!ジオなんかはめちゃくちゃよく食べるだろう!」


それはそうなんですが……私も裏方に行きたいです。

えっ?締め切りはもう切れてる?そうですか……


「全員でそうめんを食べよう!」

「どうしてエンツォさんの決めてくる依頼は変なのばっかりなんですか?」


私はため息をついた。今回は物理的にも胃薬、必要かな……



「大食い大会ねぇ……自信がないこともないぜ。オレの燃費の悪さ、知ってるだろ?」


ジオさんが少し嬉しそうです。

いつもエンゲル係数に悩んでるから、食べ放題が嬉しいんでしょうね。


「おそうめん!ガンガン行くよ〜!食べ切っちゃうもんね!」


ミアさんもやる気満々……


「どうしても出なきゃ駄目ですかね……」

「個人戦とチーム戦があるらしいですから……4人一組、必要だそうです。……その、胃が痛くなったら、ヒール、しますよ?」


エルナさんは気遣いの塊だ……このパーティの癒し……


「皆でそうめんを食べよう!……すまないな、ネロ、仲間はずれにしたみたいで……」

「………俺は構わない」


一人だけ逃げたネロさんが何か言っています。ずるい……



そうして私、ジオさん、ミアさん、エンツォさんの4人はそうめん大会に登録しました……

して、しまいました……。

エルナさん?女性に無理をさせるわけには行かないでしょう。

……会場はなぜか大盛り上がりでした……この街、本当に変な人多いな……


「レディースエンドジェントルメーン!!!今日はそうめん大食い大会!個人に賭けるも、チームに賭けるも自由だぜー!ヒャッハー!!!」


あの謎のマスコット、ソメーンくんと言いましたか……?

いつかのムキムキの盗賊でも入っているのでは……?

というか賭け事なんですか……そりゃあ盛り上がりますよね………。

そして……わんこそば形式のそうめんを私たちは食べ始めました……

ズルは無理そうです……ネロさんはなぜかそうめん茹で係に抜擢されていました……

このそうめん、茹で加減が上手い……さすがネロさん……!


「おおーっと、いきなりNo.3、ミア嬢が、爆食いだー!かわいい見た目に反して凄まじい速度だぜー!ヒャッハー!」


そのヒャッハーどうにかなりませんか……いつかの世紀末が思い出されるんですよ……


「No.4、アルド!食がすすんでないぜ?ヒャッハー!」


うう……なんかもうキツくなってきました。

大食いは私には向かないってあれほどみんなに言ったのに……


「おーっとNo.7!ここで驚異の追い上げ!堅実に食べ進めているNo.2ジオに追いつく勢いだ!通常の3倍速い!?その名も赤い素麺のツャア!」


その名前どうやって今呼んだんですか!?

というか……私はもう……無理……!


「おーっとNo.4、アルド、ここで脱落だぁー!無理はすんな!そうめんはおいしく食べるものだからな!ヒャッハー!」

「アルドさん、回復します!」


エルナさんが駆け寄ってきました……ありがたい……


「くそっ……正義は、こんなことでは負けないんだ!」


ツャアさんに対抗してエンツォさんが爆食いを始めました!?


「こらそこぉ!そうめんは美味しく、丁寧に。だぜ!!!ヒャッハー!」

「私はまだ平気だも〜ん」


ぱくぱく、ぱくぱく……

ミアさんもよく食べますね……力の源なんでしょうか?

そしてジオさん……淡々と、淡々と空の椀が積み上がっていきます!凄い!


「そして、ここからは外れ椀が混じり始めるぜぇ!耐えられるかな!?ヒャッハー!!!」


真っ赤な椀を渡されたツャアさんが言います!


「あまりにも辛い……この麺が赤くなければ即死だった……」


もう意味がわかりません!

ここでミアさん脱落!大量のワサビがきつかった模様!

エンツォさんは苦しげながらも、


「ネロ……への………、で、俺は勝つ……」


と呟いています。頑張ってるなあ。

そしてひたすら食べ進めるジオさんとツャアさん!

ほかの参加者より圧倒的に多い椀!これは、もしかすると……優勝、いけるのでは!?

熱い椀、辛い椀、ワサビのみの椀……ああ!ついにエンツォさんが崩れた!


「正義は……まだ……」


慌ててエルナさんが駆け寄ります。

そして遂にほかの参加者も倒れ、一騎打ち……!


「まだ倒れないというのか!?」

「悪いが、俺等も生活費かかってんだよ!あと俺の今日の分の飯、食いだめしとくんだ!」


……普段どれだけ食べてるんでしょうね。



そうして、そのときは訪れました……遂にツャアさんが椀を置いたのです!


「フッ……ここまでとはな……!」

「No.2!ジオの勝利だぜ!ヒャッハー!!!………ってこらこらこら、まだ食おうとするな!!!」

「まだ7分目ってところなんだ!もうちょっと!もうちょっと!」

「安心しろ!優勝賞品は賞金とそうめん1年分だぜ!その食欲じゃ一ヶ月持たずに消えそうだけどな!ヒャッハー!!!」


またそうめんなんですか!?……これは全部、ジオさんにあげよう……

ネロさんは裏方からやってきて、エンツォさんの肩をポンポン叩いていました……

励ましてるのかな?


「みなさん、お疲れ様でした……暫くは消化にいいものにしましょう!」


エルナさんが天使に見える……普通に優しい、って素晴らしいですね。

その後、私たちは優勝賞品と賞金をもらって宿に帰りました……

けれど、毎日がそうめん地獄です。

ネロさんも、素麺のガレットにしたり、にゅうめんにしたり、色々してくれてはいるようですが、正直飽きました………


「俺はいっぱい食べれて嬉しいけどな!」


ジオさんは頼もしいなあ。そうめんがもう半分も消えている………

私は、ジオさんの体内の宇宙に思いを馳せながら思いました。

やっぱりこの街、変な人多いな……

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