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スライム地獄と退かない男

「スライム退治……ですか?」

「はい!アルドさんは魔術師でしょう?スライムは魔術には弱いんですよね!」


ギルドの人が珍しく勧めてきたと思ったら……

まあ、魔術師は少ないですからね。

私ーーアルドは、ため息をつきました。



「スライムかあ。あんまり俺たちは役に立てなさそうな依頼だな」


ジオさんがぼやきます。


「たたいても切ってもほぼ効かない!正義の鉄槌を下せない!」

「でも……ギルドの人が持ってきたってことは……困ってるん……ですよね?」

「そうですね……」


私は再びため息をついた。

主に私の魔法が中心になるだろう……

皆には盾になって時間を稼いでもらうしかない戦いになりそうだ。


「スライムって見た目はゼリーみたいで美味しそうなのにねー!」


ゼリー食べたいな!ミアさんがネロさんにおやつをリクエストしている……


「………今日はこれ。今度作る」


目の前に置かれたアップルパイにミアさんは目を輝かせた……



そしておやつも食べ終わり、私達はスライムのいるという洞窟へ向かったのだがーーー


「なんですかこれ!」

「スライムいすぎだろ!?」

「せ、正義でもここに入るのは勇気がいるな!」


まさにスライム地獄。足の踏み場もない!


「………………」

「うわーぎゅうぎゅう!」

「笑ってる場合ですか!?ともかく!」


私は杖を握りしめる。


「水よーー」

1カウント。

「わが力を持ってーー」

2カウント。

「目の前の敵をーー」

3カウント。

「氷漬けにせよ!」

バキバキバキィ!


ぎゅうぎゅうに詰まったスライムたちは、一掃されて、なんとか奥へ行く道が見えた。

……奥も、なんか……蠢いていましたが。


「なんか……厄介な依頼になりそうじゃねえ?」


ジオさんの言葉に、私も嫌な予感を感じていましたーー



「水よ、わが力を持って、目の前の敵を、氷漬けにせよ!」

「水よ、わが力を持って、目の前の敵を、氷漬けにせよ!」

「み、水よ、わが力を持ってーー」


多い多い多い!

いくらなんでも多すぎますよなんですかこれ!?


「めちゃくちゃだな……」

「見た目は可愛いのにね。」

「正義では……勝てない相手もいる!」


前で盾をやってくれている3人も、あまりの多さにあきれている……


「ジオさん、さっきスライムの体当たり受けてたでしょう、ヒールしますね。」

「サンキューエルナ!」


……このスライムの多さ、異常すぎる……



ようやく最後の部屋に到着したようです。

うごうごとスライムがひしめき合っているのはわかるのですが、暗くてよく見えません。

松明を掲げた、その時ーーー!


「グッ!?」


暗闇からしゅるりと二本の触手が、私の口をふさいで釣り上げました。

……その先にいたのは……巨大な、スライム!?

まずい、詠唱ができない!


「アルド!」


ジオさんが叫びます。

首に巻きついた触手は、力は弱いものの、このままでは首吊り状態です!

必死で両手で体を支えました。


「クソっ!邪魔だ、どけ!」

「アルドー!今行くからね!ちょっと待ってて!」

「卑怯なスライムめ!」


みんな、スライムをかき分けて必死でこちらへ来ようとしています……


「俺が行く!」


ジオさんが叫びました。


「2人は援護を頼む!」

「わかった!ジオ!」

「仕方ないな、アルドを助けるためだ……行け!」

「アルドさん!もう少し待っててください!ジオさんが向かいます!」

「………右へ行け!」


ネロさんが叫ぶ。


「まだ手薄だ!」


ジオさんは、スライムを必死で踏みつぶし、滑りながらもこちらへ向かってきます!


「………触手来る!」


ネロさんの警告に、ジオさんは冷静に飛んできた巨大スライムの触手を切り落とし、

じわじわ、じわじわとこちらへ向かってきます。

ジオさんをサポートする2人も道を作ったり押し込んだり。

そして……


「待たせたなアルド!」


ジオさんは壁を蹴り、釣り上げられた私の触手を空中でスパンと切り落としました!

必死で咳き込みます。苦しかった……

ありがとうございます、ジオさん……


「よし、アルド、もう一発だ!あのデカいやつに叩き込んでやれ!」

「わ、かり……ました。」


咳き込みながら私は答えます。


「ジオさん……!靴、溶けちゃってるじゃないですか!すぐヒールします!」

「今はアルドの詠唱のほうが先だ!」


三人は、私とネロさん、エルナさんを庇うようにスライムを押し返していた。


「………狙うならコアだ」


ネロさんが私に言いました。


「あのデカさなら、全体を凍りつかせるよりコア狙いのほうが効率がいい」


私は、再び詠唱を始めました。


「水よーー」

必死に押し返す3人。

「わが力を持ってーー」

ジオさんの顔が歪んでいます。

「目の前の敵をーー」

もう限界だ、その時に。

「氷となって、貫け!!!」


私の魔術が完成し、氷が一直線に走り、核を撃ち抜いた。



そしてその後は、ただぎゅうぎゅうしてるだけのスライムを、私の魔法で一掃し、私達は帰路につきました。


「いやー、スライムの酸ってやばいんだな。まさか靴が溶けるとは……」

「無茶しないでください!」


ジオさんにエルナさんが怒っている……

けれど、今回の勝利は彼なしでは出来なかったものだ、許してあげて欲しい。


「……彼、頼りになるんですね。」

「でしょ〜!私のジオだもの!」


私とミアさんは、笑い合いました。

こうしてスライム騒動は幕を閉じました……

苦戦した割に、実入りはあまり、良くなかったのですけどね……

でも、この寄せ集めの6人で一緒にいることが、居心地が良くなってきていることーー

だんだん、認めざるを得ませんでした。

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