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魔獣少女たちの同窓会 ~かつて最弱だった魔獣たちは最強まで上り詰めたので再会するようです。~  作者: カモミール
4章:昔の冒険

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82話.次の都市

こうして、マクラを仲間に加えたルナと私の一行は、旅を続ける。

※マクラと仲良くなった経緯は21話参照


「ついたーーー」


先程まで木々の隙間から溢れていただけの日差しが、一気に眩しくなった。


迷いの森をついに抜けたのだ。

周りはEランクより上の魔獣ばかり。正直生きた心地がしなかった。


「大袈裟やね。セレーネちゃん。我が街道に案内したんやから、危険な道なんかほぼなかったやろ」

マクラがひょっこりとルナの鞄から顔を出して

呆れたといった顔でため息をついた。


「だって怖かったんだも〜ん」

私は泣きながらルナに抱きついた。


「はいはい、ごめんなさいね。今回は私もちょっと頼りなかったかもね」


ルナが捕まったあの瞬間が、どうしても頭から離れない。


いくらルナでも、相性によっては危険になることもある。

そんな当たり前なことに私は、マクラとの戦いを通して今更気づいたのだった。


ルナもそんなわたしの考えを悟ってか、渋い表情をしていた。


「…調子狂うなぁ。セレーネちゃん、さっきはあんな凛々しかったのに」


マクラが不満そうに言う。


「そりゃ、わたし最弱魔獣だからね」

ヤケクソ気味に胸を張る私に、マクラが呆れた目線を向ける。

「そんなん気にせんでもええやん。我に勝ったんやし」

「そうそう、セレーネカッコよかったよ。私がいなくてもちゃんと戦えてた」

ルナが私の頭を撫でる

「そ、そうかな。えへへ」

褒められた。

嬉しい。

「ほんとよ。すごかったわ」

ルナが私の頭を撫でる手を早めた。


ルナの褒め言葉の追撃に、

私はぐにゃりと顔を綻ばせた。

スライムの液体の顔は、際限なくどこまでも変形できるのだ。


「意外とセレーネちゃんってお調子ものなんやね。覚えとこ」

そんな様子を見て、マクラは飽きれるのだった。



□□




ルナ、セレーネ、マクラの一行は赤茶色のレンガで舗装された道を歩いていた。


建造物もそのレンガでできた独特な街。

その正体は、粘土、泥、頁岩などを土魔法で加工して作った人工レンガだ。

街の名前は、魔法都市ライナという。


街に流れる人口川の水の根本を見ると、全て水魔法の魔道具が噴水口についていた。


ルナの説明では、街のエネルギー源もすべて、火魔法や雷魔法、風魔法で賄われているらしい。


この街は魔法技術開発にとにかく力を入れているのだとか。


露店には、さまざまな魔道具が並んでいる。

高位の魔法使いが作り出した魔具、自然にできた発掘された魔具などレアな魔具などよりどりみどりだ。ここれもルナに尋ねると、この街の商人が全て高値で買い取り、集めたものだという。



だが、そんな魔法に染まった街でもスライムを連れて歩く少女ルナの姿は、奇怪に見えるのだろう。


人とすれ違うたびに、こちらを凝視されるのを常に感じていた。マクラも同様のようだった。

だが、私たちにつけられている隷属の首輪を見ると、テイムされたペットと納得したのか、そのまま通り過ぎていった。


「正直気分はそんなによくないけどね。こんなものセレーネにつけて」

私が言い出したことだけど、嫌な感じとルナはぼやく。

「しょうがないよ。こうしないと街にも入れなかったんでしょ?」

セレーネは、街の入り口で、門番に私とマクラをテイムした魔獣として、同行の申請手続きをして

いたことを思い出す。



「まぁ、そうだけど」

ふてくされたようにルナは言う。

ちなみにマクラは、こんな首輪みられたくないといって、

ルナのバックの中に引きこもっている。



道の端にはずらりと店が並んでいた。

魔道具などの魔法グッズを取り扱う店、魔法で装飾した宝石店、魔法で調理を簡略化した料理店など色々だ。

共通点は全て、魔法が関わってることだろうか。



「セレーネ!見てこれ。きれいね~」


ルナが目を輝かせて言う。

ルナがこんな年ごろの女の子みたいにはしゃいだところを初めてみたので、

セレーネは少し驚く。


「意外、ルナってこういうのが好きなんだ」

「そりゃあ女の子だし」

「そうだっけ」

「どういう意味よ~」

ムッとした顔でルナは言う。

「これでもまだ私10歳よ」

「「10歳!?」」

私とマクラが顔を見合わせる。

今までの大人びた言動、

堂々とした立ち振る舞い、どれをとってもその年齢には見えなかった。

顔立ちも可愛さより大人の美しさに近いし、

背もそこそこ高い。

私たちの反応にルナはさらにムスッとした顔をしたなで、私は慌ててフォローを入れる。


「大人びすぎてるって褒め言葉だよ。とても10歳には見えないくらい綺麗だし」

私は笑って返答した。

「…そう見える?」

ルナが肩までかかった髪をかき上げて言った。

「うん」


「そっか」

そのまま無言の時間が続いた。

その静寂をやぶったのはマクラだった。

「ルナちゃん。勘違いしたらあかんよ。セレーネちゃんはあんたはんが女の子って言うには強すぎてがさつすぎやから、呆れとるんよ」


マクラはカバンの中からぼそりとつぶやく。

「失礼ね!!」

ポカリとルナはマクラの頭にげんこつをお見舞いする。

「ぎゃん!」

マクラは悲鳴を上げるのだった。





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