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魔獣少女たちの同窓会 ~かつて最弱だった魔獣たちは最強まで上り詰めたので再会するようです。~  作者: カモミール
4章:昔の冒険

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80話.迷いの森での邂逅


肌寒い。

ルナは、お湯を沸かしていた。


入れるのは茶葉だ。


父も母もコーヒーが好きだったが、私の口には合わなかった。


初めてコーヒーを飲んだ時、苦味で舌を出してしまったことを思い出す。


母も父もその様子を見てかわいいって笑っていて、

私はむずかゆくって、照れ隠しで怒った。


当時は、恥ずかしさしかなかったけど、今思えば平和な光景だった。


思えばあの時はまだあの子もいたっけか。


今もコーヒーが苦手なのは変わらない。

苦いし。まだ10歳だから大人になったら好きになるのかもしれない。


ただ、私の舌は変わらずとも生き方はずいぶんと変わってしまった。



のそのそとセレーネがテントから出てきた。


「おはよう。ルナ。むにゃむにゃ」


寝ぼけた声でセレーネは言う。


挨拶の後何か言いたかったみたいだけど、まだ舌がまわっていないのかよく聞こえない。


どうやらよく眠れたらしい。



私はその様子を見て苦笑した。


おはようと笑って挨拶を返す。


あの時と比べて確かに色々なことが変わってしまったけれど、今私の側にはセレーネがいてくれる。


私の1人の旅についてきてくれた存在。


彼女といると、この灰色の世界にも少しだけ希望に満ちた日々の光が入り込んできてくれるような気がしていた。


王女と魔獣。

その関係が今後どうなるかは分からない。


けれど、うまくいってくれることを期待せずにはいられなかった。


茶葉が浸透したお湯から袋を取り出し、飲み口に口をつけた。


熱さで少し舌がヒリリとしたけれど、同時にスーッと気分が落ち着いた。


少し飲んではぁーと息をつく。


冷やされた体が内からポカポカとあったまった。


「あったかい」





◇◇



ルナとセレーネの一行は、迷いの森の入り口に来ていた。


この森は、国でも最大級の広さを誇る森だ。

森にはたくさんの危険な魔獣が出現する。


かと言って迂回して進むことは難しい。


迂回路には迂回路でそれなりに危険な魔獣がいるからだ。


だが、生息する魔獣のレベルが低い場所には街道が整備されている。レベルが低いと言っても、一般人が通るには危険なことに変わりないが。だから、商人や旅人は、この森を抜ける時、必ず冒険者に護衛を依頼する。


だが、それでも危険はゼロではない。

稀にだが、等級の高い魔獣が街道に迷い込むことがあるからだ。だから、仮に冒険者を雇っても、気を抜かずに魔獣避けの粉(魔獣の嫌う匂いを放つ粉)を持つことが推奨されている。





ルナがいれば危険な魔獣が出たとしても問題ない気がするが、それを伝えるとルナは怒って油断大敵だと言った。



そして、迷いの森に入る前に、第二の青空魔術教室だと言って、私に戦い方を提示してくれたのだった。




◇◇




迷いの森に入って数十分後。


「…おかしい。この道さっき通ったっけ?」

ルナは目を細めて遠くを見るが、成果はないようだった。


「いや、私には全部同じ風景に見えてどこがどこだか」

私にもここがどこかさっぱりわからなかった。

「…うーん困りました。…迷った!」

ルナはついにあきらめたのか、清々しいほどに透き通った声で言った。


あははとルナは笑う。


大雑把に見えるけど、もう何日も一緒にいるからか、私には分かる。

ルナの顔はほんの少し引きつっていたから。


ルナ、やけになってるな。


こう見えてルナは実はかなり周りを気にするやつなのだ。


自分が先陣切って歩いてたのに、私を迷子に巻き込んでしまったのを気にしているのだろう。


「ルナ。私気にしてないから。というか、私もルナ任せにしてたのは悪いと思うし」

「う~、ごめんなさい。セレーネ。なんで迷っちゃったんだろ~」


ルナはがっくりと項垂れて言う。


「まぁまぁ、こういうのも冒険ぽくっていいんじゃない」

私は苦笑しながらいう。


「そうね。でも気を付けてよ。ここは迷いの森のどこか分からない。もしかしたら、

安全ルートを外れてるかもしれない。強力な魔獣が出てくるかも」


ルナが真剣な顔で言う。

私はゴクリと唾を飲んだ。


「まぁ、私の傍から離れなければ大丈夫よ。セレーネのことは絶対に守るから」

「…ルナ」


こういう事が平然と言えるのはやっぱりかっこいいなぁ。


私もいつかこうなることを密かに決意したのだった。



◇◇


しばらく木々にそって歩く。

幸いなことにしばらくは魔獣に会わずに進むことができた。


だけど、その幸運もそう長くは続かなかった。



ハンターはずっとこちらを見定めていたのだ。

そして、致命的なことに私たちは罠にかかるその瞬間までその存在に気づかなかった。


「きゃあ!」

「うわっ!?」


地面を踏んだ瞬間ぐにゅっと気持ち悪い感触がした。

そう思った瞬間、わたしもルナも宙に引き上げられていたのだ。


しまった。罠!?

それにあのルナが捕まるまで罠に気づかないなんて。



「あはははは、無様やなぁ。それにしても珍しい獲物やね。まぁええわ。何の恨みも無いけど今日の晩飯になってや」

高笑いが聞こえた。


言語を話すってことは、人間!?

そう思って、木の上から降りてきた敵を見つめる。


だが、それはなんとタランチュラだった。

タランチュラとは蜘蛛の魔獣。それも私と同じEランクの魔獣だ。


うそでしょ。私と同じしゃべる魔獣…

驚いて声を出せずにいた。


「くっ、油断した。タランチュラが喋るなんて」

「我は特別なんや、っとわざわざ獲物とおしゃべりすることもないな。ほな、さいなら」


タランチュラは口を開けてその牙をあらわにする。

その牙の先からわずかに紫の液体が垂れていた。


毒!?


どうしよう。このままじゃルナが殺されちゃう。

でもルナが捕まるような相手にどうしたら。


私はルナが自力で何とかできる可能性を考えて、彼女を見る。

だが、タランチュラの糸はルナの腕を重点的にとらえていた。


関節に力が入らないようにそのあたりも重点的に縛っている。


あれじゃ人間の肉体構造的に力が入らないはずだ。

このタランチュラ、とんでもなく狡猾だ。


私がやるしかない。そうしないと全滅だ。

それに…


ルナと誓いを交わした夜を思い出す。

あの日、私は何と言った。



「ルナに、手を、出すなぁっ!!」


私は、思いっきりこのタランチュラに体当たりをかました。

タランチュラはその瞬間まで気づいていないようだったが、この糸は私の液体の体を拘束できないみたいだ。

何故なら私のボディは液体100%のスライムボディだから。


思えば、これまでずっとルナに頼ってきた。それが癖になってすらきていた。

彼女は強くてかっこよくて、頼りがいがあるから。

けど今動けるのは私だけだ。


そうだ。私がルナを守るんだ!!












読んでくださりありがとうございます。

今年ももう終わりですね。

皆さんはどんな1年だったでしょうか。


僕はなろう投稿な活動を振り返ってみれば1週間に1度の投稿はそこそこ守れていたし、

悪くなかったのではないかと思っています。(たまに週が空いてしまった事はスルーでお願いします)


ただ、1年前定めていた目標は確か更新頻度を増やす事だったので、その点で行くとイマイチですね。

(ガックシ)


まぁ、あんまり自分に厳しくしても面白くないので今後も無理ない範囲で活動していこうと思います。

自分に激甘ですね(笑)

呆れさせてしまったらごめんなさい。

ただ小説の書き方に関しても少しづつ分かっていっている実感もありますし、そこは成長できてるんじゃないかと思ってます。

そうやって今後も面白さを求めつつ、楽しんで描いていこうと思います。


来年の目標も更新頻度を増やすことですかね。

具体的には来年10月くらいまでには週2ペースで投稿できるようになっておきたいです。


長文失礼しました。

こんな振り返り書いといてなんですが、明日も投稿するつもりです。


多分紅白見ると思うので、午後16時までには投稿してると思います。

来年もよろしくお願いします。




◇◇

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