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かつて最弱だった魔獣4匹は、最強の頂きまで上り詰めたので同窓会をするようです。  作者: カモミール
2章:セントラルフィリアの冒険

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17話.フェルミナの冒険③:フェルミとリア 前編


「なかなかね。これが、貴方の力を最も引き出せる最強の装備よ!」


先程知り合った自由の騎士団リア・エリーゼ・ヴァイロンが、冒険者として

の装備を勧めてくれた。


な、なんでこんなことに……


可愛さのかけらもない男物のカブト、謎に肩がはみ出した鎧。切先から鍔にかけてグルリとまるまった(いわゆるククリナイフ)


鏡で自分の姿を見る。

全体的にカッコ悪い。変人みたいだ。


フェルミナはコルニクスランドという鳥の魔獣の国の王だ。

そこの住民は人化の術を持つ鳥の魔獣、鳥系の魔族で構成されている。


魔族、魔獣ともに、言語による意思疎通ができる者が大半を占めるため、

そこは国として機能しており、外交も盛んだ。

魔獣の国が他の国に国として認められている理由は、フェルミナがその圧倒的な力を縦に

交渉したからだが、それは余談である。


さて、そうして一国の王になったフェルミナは当然ファッションのも気を使う。

国の顔として、国家間の会議、パーティから国民との交流など、その場に合わせて

様々な服で着飾ってきた。


当然おしゃれの研究にも余念がない。

そんなフェルミナだからこそ、このリアが推す格好がいかに自分に合っていないか

よくわかったのだ。

羞恥と抵抗感で顔を覆ってその場にうずくまりたくなる。


確かにこの鎧は硬いし軽い。

それに、剣は耐久力と破壊力は申し分無い。

機能美だけ考えたらそこそこいい装備なのかもしれない。それはわかる。

わかるんだけども!と心の中で叫ぶ。


けど、これが、怪鳥王フェルミナの姿かと思うと、なんだか情けなくなってきた。


「ごめんなさい。もうあなたとはこないわ」

それだけ言って、フェルミナは試着として着た装備を全て脱ぎ捨てた。




時は少し前に戻る。



「フェルさん、合格よ。むしろこっちが頼み込んで仲間に加わって欲しいくらい」

気絶から目覚めたリアは私を快く迎えてくれた。


初めは、強さの資格が必要だと言われ焦ったものだが、これでクラーケン討伐に参戦できる。

フェルミナは安堵の吐息をして胸をなでおろした。


同じ医務室では大男3人組がうーん、うーんとかなり苦しそうにうなされていた。

模擬戦で最初に吹っ飛ばした人間たちだ。


少しやりすぎたかしら。まぁどうでもいいことね。


「俺も合格には大賛成だが、その前にフェルミさん、あんた何者なんだい?あの動き、そんじょそこらで身につけられるものとは思えねぇ。かといってフェルミなんて名前聞いたこともないぞ」

ギルドマスター、カジットが尋ねる。

そういえば、模擬戦前に素性が聞きたいって言われていた。


リアとの戦いは結構楽しかったし、熱中して忘れてたわ。

どうしようかと思案し、その場で設定を少し考える。


そうしてできたのが、

私の正体は旅人でたまたまこの街を訪れた時、クラーケン襲来を知った。何かできることがあるなら協力したいと思って来た、と言う設定だ。


ギルドマスターはその作り話に納得してないみたいだったが、リアは

「いいんじゃない?冒険者だって素性関係なくなれる職業だし、フェルさんの話が嘘でも本当でも変わらないわ」

と言って、彼を説得してくれた。


少し作り話の設定が甘かったみたいだけど、変に追求しないで柔軟に受け入れてくれた

リアには本当に感謝だ。



「ところでよ、フェルミさんの装備だけど」

「ええ、そうね」

「?」

小首をかしげる。

装備は可愛いくて動きやすい物を買ったけど、何か問題があっただろうか?


ギルドマスターとリアの2人は顔を見合わせて言った。


「「よくない」」

「え、そ、そうかしら!?オシャレでカワイイと思うのだけど」


私は装備に手を当てて言う。

「オシャレ基準で防具選ばないで!!」

リアがいった。


え?そんなに変なことしたかしら?


防具なんて、私にとっては動きづらくなるだけで、

なくてもあまり変わらないんだけど。

正直、その場で浮かないための雰囲気づくりの装飾でしかなかったので、困惑する。


「確かに見た目はいいかもしれないけど、鎧はかなり薄っぺらいし、防御力低いわよ、それ」

リアが指摘する。

「それと、その剣なんだが、耐久性に問題があるぞ。切れ味は間ぁギリギリ及第点としても、クラーケン相手につかったらすぐ折れちまいそうだ」

相手は筋肉の塊だからな、とカジットが付け足す。


え、この装備よくないの?

まぁ、確かに冒険者っぽい格好は正体がバレないためのカモフラージュだけど

よく考えたらメインの武器はこの剣になるのよね。


自身が買った細い剣を見る。

本来の戦い方は正体を隠すことを考えたらすべきではない。


鎧はともかく、剣が折れやすいのは少しまずいかも。


「金はギルドで出すから、新しいの買って来たらどうだ。リア、お前もついていってやれ」

「しょうがないですね。冒険者の先輩が最高の防具を選んであげますか」

えっへんと得意げな顔をする。


「あ!あ〜、お前はお前でなぁ。とはいえ、同じ女性だし、フェルミさんに打ち解けてるのはお前しかいないかぁ。よし、機能美にこだわるのもいいがくれぐれも、最低限、普通のやつを買ってあげるんだぞ」

カジットが何故か言いづらそうにブツブツという。


「?」

この時は、なぜギルドマスターがそう言う言い方をしたのか分からなかった。


「分かってますって。フェルさんの装備は戦った私が1番いいのを選べると思うし、大船に乗ったつもりで期待してて。フェルさん、貴方のとっても強い力をもっともっと強くしてあげる」

そうして、リアはポンと私の手に肩を置いてウインクをする。



そうして、武器屋にきてこの有様だった。


カジットさん、こうなること分かってそうだったけど、なんでこの子をお供に選んだわけ!?


結局武装は店主に見繕ってもらい、

私の防具は可愛くはないけれど、普通の見た目で、機能面でもまぁまぁいい程度のものに落ち着いたのだった。


「え~、私の選んだ奴の方が絶対つよいのにぃ」


リアは不満そうに頬を膨らませて、ブ―ブ―とぼやいていたが、

あの格好は絶対却下だ。生理的に受け付けない…


それにしても。


装備を買い終わり、街を見渡す。


防具を買った店の周辺。この区画だけは、人通りも多く営業している店も多い。


この街は私たち魔獣四王の影響で、活気が失われてしまったと思っていたけど、こんな形で賑わっていたなんて。


リアに話を聞くと、なんでもロイド君という領主の息子が店に一軒一軒頭を下げて回り、

この目立たない都市の端で何とか営業するように働き書かけたんだとか。

そして、都市の復興の足掛かりとして祭りを開こうとしてるらしい。


まだ子供らしいが大したものだと思いながらその話を聞く。


防具を買った冒険者専門店も一度は閉店したそうだが、そんな経緯があって店を再開し、祭りに向けて準備を手伝っているらしい。


目を細め、都市の人たちをじっと観察する。

この都市はきっと復活するのだろう。商人達の顔を見てればわかる。

こうやって逆行に抗う人間たちの姿は好きだ。

俄然クラーケン討伐にもやる気が出る。


そんな気持ちになる私は魔獣としてはおかしいのだろうが。


その時、ふとどこか遠くから声が聞こえてきた。

裏路地からかしら?


「おい、どうだった?ぼっちゃんとの商談は?」

「ダメだった。取りつく島もない。計画に勘づいたのかどうか知らないが、今のやり方じゃ無理だと思ったぜ」

「じゃあ、プランBで真っ向から行こうか」


鳥の魔獣である故に聴力がよく、聞こえてきた会話だが、かなり小さい声だった。

聞いた内容だけでは、何のことか分からないか、なんとなく犯罪

めいたものを感じた。


都市は少しずつ活気を取り戻してるみたいだけど、治安は悪いのね。


何かよくないものを感じたし、潰しておいてあげようかしら。


そう思った時、リアが会計を終えて武器屋から出てきた。


「次はカフェでお茶でもどうかしら?フェルさん」

リアが誘ってくれた。

ま、私には関係ないわよね。

それよりカフェの方が楽しそう。


「いいわね。あと、フェルって呼び捨てでいいわよ。多分私、あなたより年下だし」

「え!?うそでしょ。何歳なの!?」

「何歳だと思う?」


私たちはその男たちの不穏な会話を無視した。


リアとは思ったより気が合い、会話も弾んでいたので、その男達が、なんの悪事を企てていようが、そんな些事はどうでもいいことだった。


そして、そのままカフェで、お茶を美味しく頂いた。


その時にはすでにあの怪しげな男たちのことを忘れていたが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とは、私はこの時考えもしなかったのだ。








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