5.初めてできた○○と、二人の奴隷
今回ちょっと長いです。
ちなみに咲と雫はかなりラノベ好きです。
「何があったんですか!?」
ぼろぼろのままで、ギルドに戻った瞬間そんな叫び声が聞こえた。
「は?」
「何があったですかお二人が受けてたのただの薬草採取系依頼でしたよねなんでそんなことになってるんですか近くにいた魔物もただの中型依頼でしたよねFランクの冒険者なり立てでも勝てるくらいの相手だったはずですまさかべつのまものが?それだったら大変ですすぐに調査しないと二人とも大変でしたよねお姉さんが癒してあげますさあこっちに来てくださいああ逃げないでそんなにつらいことがあったんですか人間不信になるくらいに?まさか盗賊ですかそんな外道がいるなんて絶対に討伐しますからそんなにおびえないでこっちに来てくださいお姉さんのところにね、ぐへへー」
「ヤメロ近づくなー!!あんたこそ何があった!?キャラ変わりすぎだろ!!」
「キャラ?これが素ですが何か?さーて二人ともお姉さんが丁寧に丁寧に治療…治療を…ぐへへへへへへへへ…」
「怪我してると思うならそんな襲ってくんじゃねえよ!!」
「キャーーー!!こっちにまで!?咲君!逃げましょう!!」
「まってぇぇぇぇー、ぐへへへへー」
三時間後
「このたびは大変失礼いたしました。他に誰もいませんでしたので、つい素が出てしまいました。申し訳ありません。反省はします。もう少し仲良くなってから襲…お話しするべきでしたね。申し訳ありません。」
「あんた全然反省してねえな。」
「反省はしております。…悪いとは思ってませんが。」
「はぁ、もういいや。それより今回の報告したいんですが?」
「はい、今回の依頼薬草採取でしたよね?何があったのでしょうか、ただの薬草採取であんなになることはないと思うのですが。」
「ああ、中型の魔物と出くわした。」
「どの魔物だったのですか?正直ゴブリンを簡単に倒せるというあなたたちの実力ならそこまで苦戦するようなことはないと思うのですが?」
「どっから聞いたんだよ。ヴァルトベアがいた。」
「魔石商のおばあちゃんです。…ヴァルトベアですか!?Sランクの!?すぐに討伐隊を送らないと!!」
「成る程、でも簡単にとは言ってないんだけどな。…ダイジョブだ、俺たちが倒した。問題ない。」
「いくつも持ってきたから簡単に倒せたと思ったと言ってましたがそうではないのですか?…お二人で倒したんですか!?どうやって?」
「まあ、実際楽勝ではあったけど。…倒し方は企業秘密だ。」
「そうですか…。ってどっちがですか!?ゴブリンですか?熊さんですか?ヴァルトベアのほうだったらさすがに泣きますよ!?」
「いや、楽勝だったのはゴブリンだ。熊さんは死にかけた。」
「そうですか、よかったです。いや、よくはないですけど、あれが簡単に倒されてたらA・Sランクの人たちが全員やめてしまいますよ。ただでさえFランクの冒険者が倒したってだけでやめようとする人がいたのに。一応ステータスプレート確認させていただきます。……疑ってたわけではありませんが、やっぱり驚きました。ほんとに討伐されていたんですね。」
「ああ。」
そういえばステータスの値が何故かやばいことになっていたので、その辺りは隠した。一応そういう機能もあるようで使っても何の問題もない。というかほとんどの人が使っているようだ。
ちょっと上の人に確認を取ってくるということで、30分ほどして……
「それでは本来の依頼の確認をさせていただきます。今回は、天災級の魔物…ヴァルトベアの迅速な討伐に動いていただけたので、追加の報酬もあります。」
「わかった、翠の葉はこれだな。」
「なんか、ため口のほうが似合いますね。…翠の葉150枚ですか、120000エルですね。」
「……」
いや、あの本性見たら敬語いらんと思うだろ……思うだろ?
「そして、ヴァルトベア討伐報酬が3000000エルですね。併せて3120000エルです。」
「?ちょっと桁間違ってない?」
「後二十回くらい計算しなおしたほうがいいと思います。」
桁がWhat?の額だった3000000エルっておかしくね?人の前では基本無口の雫でさえ突っ込んだよ?
「いえ、ホントはもっと出るはずなんですが今回確認ができる前の討伐でしたのでこの額です。申し訳ありません。」
「あ、いえ、あの、多すぎない?って意味で言ったんだけど?」
「え?いえこれでも少ないほうですよ?なんせ相手はAランクで、大人数のパーティを作って倒すような相手ですよ?」
「……Sランクは?」
「知らないんですか?Sランクなんて世界探しても数人しかいませんよ?」
「あ、そなすか、はい。」
初耳や。
「すみません、ホントは何倍か出るはずなのですが。さすがにそれほどの報酬をFランクの人に出すとほかの冒険者の方々がクレームを言ったり、上の人たちがうるさかったりするんです。被害が出る前に命がけで倒してくれたんだといっても聞いてくれなくて。」
「いや、十分だ、まさかこれほどになるとは思ってなかったし。」
「ほんとですか?嫌いになったりしませんか?」
「いや、何で嫌いになるんだよ。こっちは十分に報酬をもらった。ギルドは安い費用?で被害が出る前に天災級の魔物を処理できた。これでいいだろ?あんたは悪いことしたわけでもないのに何で謝んの?……したか、襲いかかってきたな。」
「リアです。まだ自己紹介してなかったので。あんたと呼ばれて自己紹介してないことに気付きました。リアと呼んでください。あと襲いかかったことに関して悪いとは思ってません。」
「え、あ、うんわかった。ごめんリア。あと、襲ってきたことに関しては、悪いと思おうね?」
「はい、ありがとうございます。じゃあ報酬の件はこれでいいでしょうか?」
「ああ。」
「では、ステータスプレートをお願いします。」
「はいよ。」
そういえば、この世界では誰もがステータスプレートを持ち、それでお金などの取引もする。何故かステータスプレートだけかなりオーバーテクノロジーだ。しかも無料で配るほどの、生産性もある。謎だ。
「あと、ギルドマスターが合いたいといってますので会っていただいてよろしいですか?」
そるあ、あんなの倒したらそうなるよね。テンプレだ。
「ああ、今からか?」
「いえ、できれば明日の朝がいいのですが。」
「わかった。」
「そうですか、それではお願いします。」
「了解だ。じゃあ今日はこれで。」
「あ、ちょっと待ってください。」
なんだろ、まだなんかあんのかな。
「どうした?」
「あの、二人とも、と、と、友達になってくれませんか!!」
「は?」「はい?」
友達?友達ってあの友達?なんで?俺たちに?まじで?雫を除けば友達なんて伝説上の生物だと思ってたんだけど?え?マジで?相手から?俺たちに?まさか聞き間違い?ともだち…TOMODATI?…とも…???????????
「やっぱり駄目でしたか、すみませ…」
「いや、駄目じゃない!え?TOMODATIってあの『友達』?全然駄目じゃない!!でもなんで俺たちに?」
「え?いえ、私友達いないんです…。今まで、素の私についてこれたの二人だけなんです。あの私を見た瞬間みんな私から距離を取っていって……。だからうれしかったんです。そして、お二人と……サキさんとシズクさんと、友達になりたいと思ったんです。」
ついていけてはないけどな。
「そうか。リア、お前も同じだったんだな。実は……俺たちもお互いにしか友達いないんだ。なろう、友達!ぜひ!!」
「私も咲君以外の友達いないんです。ぜひなりましょう!」
「はい!はい!よろしくお願いします。」
俺たちは三人で抱き合い涙を流した。
……このようにして俺たちには初めての友達ができたのであった。
その日はまた豚肉屋にとまった。米には困らねぇよ?
さて、忘れてはいない、俺たちの今日の目的は奴隷を買うことだと。……決して忘れてはいない。友達ができたうれしさで、目的を忘れたなんてことはない。絶対にない。
「さて、奴隷買いに行くぞ。」
「そうですね、完全に忘れてましたもんね。」
「いうなよ。俺が否定してたのが無駄になるだろ。」
「?」
ちなみに熊さんの魔石がまた高く売れて、現所持金は5230000エルだ。
――――ある奴隷商にて――――
「いらっしゃいませ。」
お客様が来た。ずいぶんと若い男女だ。
「どのような奴隷をお求めでしょうか?」
「ああ、魔法が使えるもの、或いは使えなくとも深い魔法の知識があるものを頼む。」
「かしこまりました。」
若いがなかなか貫禄がある。きっと、それなりの人なのだろう。
魔法力、魔法知識ならこの二人だろう。最も買ってもらえるとは思えないが。見た目は良くても制御できないものを買うもの好きはいない。
「魔法についての知識、または強い魔法力があるのはこの二人ですね。しかし、二人とも魔法力が強すぎるためうまく扱えない方が多いようであまりお勧めは出来ません。奴隷紋ですら、制御しきれません。」
お客様は二人を見て面白そうに「ほう?」と声を出す。
「いかがでしょう、少しの魔法が使えるものならばほかにもおりますが?」
「いや、二人とも買おう。いくらだ?」
「ほんとでございますか?では、二人合わせて100000エルですが……」
「安いな。」
「いえ、あまりに魔法力が高いためこちらでも扱いに手を焼いていますので。売れればもうけもの程度の認識でしたから。制御できない奴隷をわざわざ買う人も少ないので。」
まさか、買っていただけるとは思わなかった。
「よし、これで頼む。」
「それでは契約を行います。奴隷紋に血をお願いします。」
「わかった。」
奴隷紋が光る。これで契約完了だ。
「ありがとうございました。これで奴隷の契約は完了です。」
――――――――――
俺たちが買ったのは黒髪で七歳くらいの人間の少女の奴隷と、金髪で十歳ほどのエルフの少女の奴隷だ。どちらも絶望の顔をしていた。
「なぜ二人とも買ったんですか?」
「いや、ちょっとおもしろいことがあってな。」
「?」
いや、びっくりした。初めて見たとき声が出てしまったくらいだ。
「なあ、日本に戻りたいと思うか。いま、そのための転移魔法探してるんだが。」
俺は、黒髪の女の子のほうに日本語で話しかける。なんと、俺たちの持つ翻訳スキルというのは、ただ翻訳できるという者では無く、そもそも異世界語を話せるようになるものだったのだ。
「咲君なんで日本の話するんですか?この子がわかるわけないじゃないですか。召喚されたわけでもなさそうですし。」
雫がそういうが黒髪の子は見るからに動揺していた。
「なんでわかるんですか?あなた日本人なんですか?」
「え?」
「ああ、この間召喚された、先に言っとくが勇者と一緒にするなよ?」
「え、あ……はい。」
なんと、魔眼で見たときこいつのステータスに、
種族:人間(日本からの転生者、10歳のころ死亡)
と書いてあったのだ。
「雫、こいつ日本からの転生者だ。」
「!そうだったんですか。」
「精神年齢は俺と同じ17だな。よろしく、俺は咲だ。」
「私は雫です。」
「あ、はい。私はミカと言います。あと、できれば昔の年は足さないでください。こっちに来てから体の年齢に引っ張られて、たまに子供みたいな行動しちゃうので。」
「了解。一応これから俺の奴隷だから。」
「あ、わかりました。よろしくお願いします…ご主人、様?」
「無理に呼ばんでもいいよ?」
「あ、いいえ、あのままだと一生鉱山で働かされて、空腹で死んで行くとこでしたから。それを助けてもらいましたし。それに大体の人は奴隷に対してひどくするっていうから、でも咲さんならそんなことしないと思うし。」
「しないとは限らないぞ?」
「するんですか?」
「しないけど。」
「なら、だいじょぶです。これからよろしくお願いします、ご主人様。」
そういってミカが笑顔でお辞儀した。笑顔めっちゃ可愛かった。ただでさえ結構美少女なんだよね。そのうえに満面の笑顔。なんかね、ぐっと来た。守ってあげたい感じだよね。
思わずなでる。雫をなでる癖がミカにも出てしまった。
ミカは驚きつつも嬉しそうにしてなでられる。うん、可愛いね。手を放すと名残惜しそうにこっちを見てきた。やめろよ、思わずなでそうになるじゃねえか。
「さて、問題はこっちだな。」
俺は、もう一人に奴隷のエルフの少女のほうを見る。
エルフの少女はこっちを見ておびえたようにしている。さて、どうしたもんか。こっちはさらに特殊なんだよなぁ。
「はぁ。」
長かった。
死ぬかと思ったよ。余計なこと書きすぎた。受付のリアちゃんを書きすぐった。
エルフの子にはもうちょっと面倒な事情がある予定です。




