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17.クリア報酬

眠い。疲れた。

 しまらないなー。


 そう思いつつも先へと続く扉を進むことにした。


「この先には何があるんでしょうか。」


 雫が興味ありげに聞いてくる。


「さあ?ミカは知ってるか?」

「わかりません。普通はレアなアイテムが手に入ったり、巨大な魔石があったりするんですけども。このダンジョンは普通じゃないですから100層のダンジョンの先に何があるかなんて誰もわかりません。」

「そうか。」


 やっぱり先生でも知らないことが…(二回目)


「ユリアは知ってるか?」

「?先生がわからないのに私が知ってるわけないじゃないですか。」

「そうだよな。」

「ですよね。」


 雫も俺に続いてうなずく。


「あの、先生って何ですか?私だけ仲間外れにされてる感があって悲しいんですけど。」

「気にするな。お前の知識には世話になってるから。」

「話がかみあわない…。」


 ミカが一人うなっていた。



――――――――


 扉をくぐった先は一本の通路が続いていた。1分ほど歩いたところで多少大きなところに出た。


「これは?魔法陣?」

「ですね、行き止まりに魔法陣は多分、というか確実に転移の魔法陣ですね。」


 だろうな。むしろそうじゃなかったらどうしろと?


「俺もいつか魔法陣使えるようになりたいな。」

「全魔法使えるのにですか?」

「もう、環境を破壊したくないんだよ。」

「「「…」」」


 この瞬間、みんなの心が一つになった。主に悲しい方向で。


「とりあえず、行ってみるか。」

「ですね、そうじゃないとどうにもならなそうですし。」


 そういって、俺たちは転移の魔法陣に進んだ。





 ん?


「あれ。あいつらは?」


 同時に魔法陣に乗ったはずなのに、そこにいたのは俺一人だった。


 まあ、いないものは仕方がない。どっかでまた合流するだろう。


とりあえず進んむ。しばらく進むと立札があった。


『仲間については安心してくれて構わない。それぞれの適性にあわせて転移させただけだ。』


立札にはそう書いてあった。


「あんたが迷宮か。自我があるのな。」


 立札に対してそう返すと、立札の文字が変わっていった。

これは、事前に迷宮があったと知らなければかなりビビってたな。


『そうだ。自我があるのは神々の対戦の時代から生きているためだ。かなりの力が貯まってな。そして、主らには私のクリア報酬を渡そうと思う。まさか100もあるのに初めにクリアするのが人間だとは思わなかったぞ。』

「お前がそれほどに広げたんだろうが。」

『そもそもクリアできることを前提にしていなかったからな。ハッハッハ。ちなみに最後の黒神竜は私がまだ若いころ外から入ってきて住み着いたものだ。かなり強かったからラスボスの位置に置いておいたが。まさか倒されるとは。

 ほかのボスもかなり強く設定したはずなのだが、3分でやられたのもいてひやひやしたぞ。』


 そういえば黒神竜以外、異常に弱かった気がしたけどあれでも強いほうだったのか。銃の威力見直さなきゃならないかもしれん。


『まあ、無駄話はこれくらいにしておいて報酬を渡そう。』


 その直後上からものすごい勢いで、立札と俺の間に何かが突き刺さった。


「これは刀?」


 そう、俺の前にあったのは二振りの刀だったのだ。

片方は、真っ黒な刀身に血のように赤黒い筋が稲妻のように奔っている。

もう片方は、これまた真っ黒な刀身に今度はくらい青の筋が奔っている。明らかに対になっているとわかる。


『この刀は神々の対戦を終わらせた武器だ。』

「!?」 

『神々が暴れまわっていた時、突然この二振りか空から落ちてきて地面に突き刺さった。その余波だけですべての神が滅んだ。だが、もともとこの地にいたいきものや植物だけは何事もなかったかのように残った。そのおかげで今までこの世界は発展してきた。』


 その話を知って俺は思わず顔が引きつった。


『その頃は最上位の神級武器だった。だが10000年以上魔力を注ぎ続けて強化してきた。そしてつい500年前神話級武器となった。しかし、この刀の魔力は特殊だ。まさか適性のある者がいるとは思わなかった。』


 慌てて魔眼で見てみる


 終双刀 紅魂軼(こうてつ)

 神話級

 魂へと干渉する。斬りたいもののみを斬る。

能力:魂斬り、終焉の責


 終双刀 蒼魁軼(あおきり)

神話級

 認識、意識へと介入する。斬る対象を識別する。

能力:意識断ち、終焉の説


 さらに顔が引きつった。


『これがお主への報酬だ。』

「こんなもの渡して大丈夫なのか?」

『ああ、持ち主自体が成長しなければこの刀も本来の力は出せない。ちなみに、お主はもともと存在、魂を複数所持できる器のようだ。この二つを使い、肉体を用意すれば、死者の蘇生すらできるだろうな。』

「まさに神の武器だな。」

『そうだな。だがお前自身もそれを使いこなせる才能がある。』


 ヤバいなこれは。


「本気でやればいつかは使いこなせるんだな?」

『ああ、だが生きているうちにたどり着けるかは、わからん。』

「わかった。受け取ろう。」

『ならば、抜け。』


 俺は両方同時に手をかける。なんだか魔力が刀の持っている魔力とまじりあっている気がする。


そして上に引き上げる。


「おもい!!」


 それはあまりにも重かった。


「でも!!」


 そこから全力で持ち上げていく。

 そろそろ体力も尽きそうなころ、突然音もなくするりと持ち上がった。


 その後はもう先ほどのような重さも感じなく、不思議と手になじんだ。そして、刀身から光が出て、消えたときには鞘が刀身を覆っていた。


『お主を主と認めたようだな。』


 なるほど。


『ほかの者にも報酬を渡した。では外まで移動させよう。』


次回は雫たちのほうも書きます。

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