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四話
「かなた、遅くなってごめんね」
虹太は何も答えない。怒っているのだろうか。
やはり待たせすぎたから……。そう考えていると、虹太が話しだした。
「ううん。全然大丈夫だよ。僕はママが来るまでちゃんと待ってるもん」
虹太は大人びている部分もあるが、本当に心の優しい子だ。
私が育てているというよりも、母親として育てられていると言った方がしっくり来るのかもしれない。
本当にいい子だと実感した私は、ふと、真実との会話を思い出した。
第二子の話だ。
「ねえ、かなた。かなたは兄弟欲しいと思ったことはある?」
「分からない。ママは?」
「ママは……うーんいてもいいかなとは思うけど、かなたが要らないならいいかな」
「僕は……僕はママがいたらそれでいいよ」
なんとも健気だ。
私は虹太を抱き締めた。
とは言っても、夫である顕はどう思っているのだろう。
あまり夫婦仲は良くないが、それでも顕に聞いたら何か答えが返ってくるかもしれない。
私は夜、顕が帰宅してから聞いてみることにした。




