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突然の再会

そして、翌週になり、花祭り当日になった。


商店街では色とりどりの花が並び、たくさんの人でにぎわっていた。


なおきはエプロンを身につけ、まおの隣でお客さんの花束を運んでいる。


「なおきくん、そっちお願い!」


「はい!」


二人の息もぴったりだ。


二人の様子を見ていた店長は、小さく笑う。


「……あの二人、本当にお似合いだな」


花祭りは大繫盛だった。


まおとなおきも大忙しだった。


「なおきくん、その花束お願い!」


「はい!」


なおきは手際よく花束を包装し、お客さんへ手渡した。


「ありがとう、兄ちゃん!」


「ありがとうございます、また来てください!」


大学生とは思えない接客ぶりに、店長も思わず感心する。


「なおきくん、飲み込み早いなぁ」


「人と話すのが好きなので」


「ほんと、助かるよ!」


その様子を見ていたまおは、少し誇らしそうに笑っていた。


(やっぱり、なおきくんはすごいな)


どんな相手でも自然に打ち解けられる。


そんなところも、まおが惹かれいる理由の一つだった。


昼過ぎの客足が落ち着いた頃。


「なおき?」


女性の声が聞こえた。


なおきが振り返る。


「……え?」


そこに立っていたのは、白いワンピースを着た、黒髪のなおきと同じぐらいの女性が立っていた。


「え、あやか?」


なおきが驚いた表情を見せる。


「やっぱりなおきだ!」


あやかは嬉しそうに笑い、そのままなおきの前まで駆け寄った。


「久しぶり!」


「何年ぶり?」


「三年くらいかな!」


なおきも自然と笑顔になる。


「元気だった?」


「うん!」


その様子を見たまおは、少しだけ動きを止めた。


胸が少しだけざわつく、なおきがこんなに嬉しそうに笑っている姿を見るのは初めてだった。


「なおきくん、お友達?」


なおきは振り返った。


「あ、紹介します、この人はまおさん。花屋で働いててーー」


「こんにちは」


まおは優しく頭を下げる。


「こんにちは、初めまして、あやかです。」


あやかも笑顔で会釈した。


なおきが説明する。


「あやかは高校の同級生なんです」


「そうだったんですね」


まおは笑顔を崩さない。


でも心の中では、少しだけ落ち着かなかった。


「なおき、変わってないね」


「そうかな?」


「うん。昔から誰にでも優しかったもん」


「そんなことないよ」


「あるって」


二人は昔話で盛り上がる。


高校時代の先生、文化祭、体育祭。


知らない話だった。


その会話に入れない自分が、まおは少し寂しく感じた。


そして、夕方。


「じゃあ、またね、なおき」


「うん」


「今度さ、ゆっくりご飯でも行こうよ。」


その言葉に、まおの手が止まる。


なおきは少し考えてから答えた。


「予定が合えばね」


「連絡するね!」


そう言ってあやかは手を振り、帰っていった。


帰り道、今日はいつもより静かだった。


「疲れました?」


なおきが聞く。


「ちょっとだけね」


「無理しないでください。」


「ありがとう」


でも疲れている理由は違った。


気になっているのは、あやかのこと。


「なおきくん、高校のとき……あやかちゃんと付き合っていたの?」


少し勇気を出して聞いてみた。


なおきは首を横に振った。


「付き合ってないですよ」


「本当に?」


「はい」


即答だった。


「仲は良かったですけど」


まおは少し安心する。


しかしなおきは話し続けた。


「実は……高校生の頃一度だけ告白された事があります」


「え?」


まお足が止まった。


「でも断りました」


「どうして?」


なおきは少し照れ笑いを浮かべる。


「恋愛よりも部活ばかり考えてたので」


「そうなんだ……」


安心したはずなのに、今度は別の事が気になった。


「じゃあ、今は?」


なおきは立ち止まり、まおの方を見た。


「今は違います、好きな人がいますから」


その視線の先にいるのは、自分。


まおはすぐに気づいた。


胸が熱くなる、嬉しい。


でも、それ以上にーー。


(もう、このまま待たせちゃだめなのかもしれない)


なおきを見つめながら、まおは心の中でそっと決意する。

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