↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議な宇宙(そら)のもとで  作者: まほ。かんた。
不思議な聖夜の遊園地
59/70

第八章 不思議な聖夜の遊園地②

第八章 第二話です。


天の川遊園地へ到着したテツロウ。


最初に案内役となったのは、

リオとピスカでした。


巨大なクリスマスイルミネーションに彩られた遊園地で、

不思議な聖夜の探索が始まります。

■第八章 第二話 


 12月24日。


 テツロウは、

 巨大なリブラの頬へ寄せられながら、

 天の川遊園地へやって来ていた。


 クリスマスイルミネーション。


 流れる音楽。


 賑やかな歓声。


 そして、

 巨大な女性と共に訪れる

 クリスマスイブの遊園地。


 その全てに、

 テツロウはまだ慣れないままだった。


 「テツロウ様♪

  遊園地、楽しみですね~」


 リブラが嬉しそうに微笑む。


 近い。


 とにかく近い。


 柔らかな桜色の髪と、

 甘い香りに包まれながら、

 テツロウは少し困ったように苦笑した。


 その時だった。


 「お兄様。

  メリークリスマスですわ」


 「テツロウちゃん、

  お疲れさま~♪」


 遊園地の入口で待っていたのは、

 巨大なリオとピスカだった。


 二人とも、

 クリスマス仕様のサンタ衣装姿である。


 イルミネーションの光を受けたその姿は、

 巨大なクリスマス装飾のようにも見えた。


 リブラは、

 少し名残惜しそうに微笑む。


 「テツロウ様。

  名残惜しいですが、

  ここからはリオ様達と

  楽しんでいらしてください♪」


 「リオ様、

  テツロウ様をお願いします」


 リブラは、

 テツロウをそっと抱えていた手を緩め、

 リオへと差し出した。


 リオも両手を伸ばし、

 小さなテツロウを優しく受け取る。


 リブラの手からリオの手へ。


 テツロウは、

 今度はリオに支えられる形となった。


 「リブラちゃん、

  また後でね」


 テツロウが声をかけると、

 リブラは嬉しそうに微笑んだ。


 「はい♪

  テツロウ様、

  楽しんできてくださいね~」


 「ええ。

  お任せください」


 リオは優雅に頷いた。


 そして、

 小さなテツロウへ視線を向ける。


 「お兄様。

  ここからは、

  私達がご案内しますね」


 エアリも、

 くすりと笑う。


 「では、

  リオさん、ピスカさん。

  お願いします~」


 そう言い残し、

 エアリとリブラは、

 ゆっくりとその場を離れていった。


 ……と思った次の瞬間。


 ピスカが、

 リオに抱えられたテツロウへ、

 ぐいっと顔を近づけてくる。


 「テツロウちゃん♪

  遊園地、楽しみましょうね~」


 「ピ、ピスカさん、近い……!」


 巨大な笑顔が、

 すぐ目の前いっぱいへ広がる。


 するとリオが、

 くすりと微笑んだ。


 「お兄様。

  クリスマスですし、

  遠慮しなくてもいいんですよ?」


 「もっと大胆になさっても……♪」


 「なにを言ってるんだ……」


 テツロウは、思わず言葉を失う。


 そんなやり取りをしながら、

 リオ達は最初のアトラクション前へ到着した。


 巨大な観覧車。


 イルミネーションに彩られた、

 クリスマス仕様の大観覧車だった。


 リオは、

 テツロウを優しく地面へ降ろす。


 「お兄様。

  最初のアトラクションはこちらです」


 「観覧車か~」


 テツロウは見上げる。


 しかし――


 観覧車の頂上は、

 リオやピスカよりも低い位置にあった。


 「……これに乗るのか」


 巨大スケールの遊園地。


 改めて、

 その異常なスケール感を実感する。


 テツロウは、

 ゆっくりとゴンドラへ乗り込んだ。


 すると――


 観覧車が静かに回転を始める。


 ゆっくりと高度が上がっていく。


 しかし、

 進行方向には――


 巨大なリオが立っていた。


 白いファー付きのサンタ衣装。


 視界いっぱいへ広がる、

 赤い布地と柔らかなシルエット。

挿絵(By みてみん)

 ゴンドラは、

 リオの足元から、

 ゆっくりとその体をなぞるように上昇していく。


 太もも。


 腰。


 腹部。


 そして、

 胸元近くへ差しかかる頃には、

 テツロウは思わず息を呑んだ。


 巨大なサンタ衣装の装飾が、

 すぐ目の前を通り過ぎていく。


 白いファー。


 揺れるリボン。


 やわらかな赤い布地。


 巨大なリオの体から伝わってくる、

 圧倒的な存在感。


 「お兄様。

  どうですか?

  景色、楽しめています?」


 リオが、

 優しそうに微笑みながら問いかける。


 だが、

 テツロウの視界いっぱいに広がっているのは、

 巨大なリオの姿だった。


 「……景色なのか?」


 思わず呟く。


 するとリオは、

 どこか嬉しそうに目を細めた。


 「ええ♪


  お兄様にとって、

  素敵な景色に見えているなら……

  リオも嬉しいですわ」


 「そういう意味か……」


 テツロウは、

 なんとも言えない気持ちになる。


 やがてゴンドラは、

 観覧車の頂上へ辿り着いた。


 だが――


 それでもなお、

 リオやピスカの顔は、

 さらにその頭上にあった。


 リオは、

 くすりと微笑む。


 「お兄様。

  今度は、

  ピスカさんも楽しまれてくださいね」


 「テツロウちゃん、

  ようこそ~♪」


 ピスカが、

 巨大な笑顔で手を振る。


 観覧車は、

 今度はゆっくりと下降を始めた。


 視界には、

 巨大なピスカの姿が広がっていた。

挿絵(By みてみん)

 胸元を彩る白いファー。


 ゆったりとしたサンタ衣装。


 イルミネーションの光を受けた、

 柔らかな曲線。


 ゴンドラは、

 胸元から腹部、

 そして腰元へと、

 ゆっくり景色を下っていく。


 「テツロウちゃん♪


  遠慮しないで、

  ちゃんと景色楽しんでね~」


 ピスカは、

 優しそうに微笑む。


 テツロウは、

 その圧倒的なスケール感に、

 思わず言葉を失っていた。


 「…………」


 巨大な女性達が佇む

 違和感ある遊園地。


 その中にいる自分が、

 どこか不思議だった。


 やがてゴンドラが、

 地上へ戻ってくる。


 しかし――


 リオは、

 テツロウへ優しく声をかけた。


 「お兄様。

  まだ降りないでくださいね」


 「……え?」


 次の瞬間。


 リオは、

 その巨大な体をゆっくりとかがませる。


 そして――


 テツロウの乗るゴンドラを、

 観覧車のホイールからそっと外した。


 「うわっ!?」


 テツロウは思わず声を上げる。


 しかし、

 リオの動きは驚くほど丁寧だった。


 そのまま、

 ゴンドラは巨大な掌の上へ乗せられる。


 リオは、

 ゴンドラをゆっくりと

 自分の体へ沿わせるように動かしていく。


 胸元。


 肩。


 首元。


 そして頬の近くへ――


 巨大なリオの気配が、

 ゴンドラ越しにすぐそばへ広がる。


 「お兄様。

  これなら、

  もっと私達を観覧できますわ♪」


 「いや、観覧って……

  そういう意味なのか?」


 しかしテツロウは、

 思わず周囲を見回してしまう。


 巨大なリオの髪。


 サンタ衣装。


 イルミネーションに照らされた白いファー。


 そして、

 目の前いっぱいへ広がる、

 圧倒的なスケール感。


 ゴンドラ越しとは思えないほどの、

 不思議な近さだった。


 するとリオが、

 楽しそうに微笑む。


 「ふふ♪

  お兄様、

  ちゃんと見てくださってますね」


 「そりゃ、

  ここまで近いとな……」


 テツロウが言葉に詰まっていると、

 リオは満足げに目を細めた。


 するとリオは、

 今度はゴンドラをピスカへ渡す。


 「ピスカさんもどうぞ」


 「は~い♪」


 ピスカは、

 嬉しそうにゴンドラを受け取った。


 「テツロウちゃん♪


  今度は、

  私の景色も思いっきり観覧してね~」


 そして、

 ピスカもまた、

 ゴンドラを自分の体へ沿わせるように

 ゆっくり動かしていく。


 柔らかな笑顔。


 ふわりと揺れる髪。


 近くで見るサンタ衣装。


 そして、

 包み込むような存在感。


 テツロウは、

 照れくさそうに視線をそらした


 「……なんというか、

  本当に景色扱いなんだな」


 「もちろんですよ~♪」


 ピスカは、

 とても嬉しそうだった。


 テツロウは、

 巨大なサンタ衣装越しに広がる景色を見上げながら、

 小さく呟く。


 「……観覧車なのか、

  これ。


  なにを観覧してるんだか……」


 するとリオが、

 くすりと微笑んだ。


 「ピスカさん。

  最後は二人で、

  お兄様へ素晴らしい景色をお見せしましょう♪」


 「リオちゃん、

  まかせて~♪」


 ピスカは嬉しそうに頷く。


 そして、

 リオへゴンドラをそっと渡した。


 リオは、

 テツロウの乗るゴンドラを優しく支えながら、

 微笑みかける。


 「お兄様。


  最後は――

  特盛の景色を堪能してくださいませ♪」


 「いや、

  その言い方……」


 テツロウが何と返すべきか迷っている、

 次の瞬間だった。


 リオとピスカが、

 ゆっくりと身を寄せ合う。


 巨大なサンタ衣装。

 白いファー。

 イルミネーションに照らされた、

 華やかな赤い布地。


 二人の巨大な体が並ぶことで、

 ゴンドラの周囲いっぱいへ、

 圧倒的な存在感が広がっていく。

挿絵(By みてみん)

 そして――


 テツロウの乗る小さなゴンドラを、

 二人はまるで宝物を扱うように、

 ゆっくりと自分達の間へ運んでいく。


 視界いっぱいへ広がる、

 巨大な景色。

 柔らかな髪。

 サンタ衣装の白い装飾。

 近くで揺れるリボン。

 そして、

 包み込まれるような距離感。


 「お兄様、

  どうですか?」


 「テツロウちゃん、

  ちゃんと見えてる~?」


 二人が、

 楽しそうに覗き込んでくる。

 その巨大な笑顔に囲まれながら、

 テツロウは思わず息をついた。


 「……もう、

  完全に観覧車の意味が変わってるな」


 するとリオが、

 どこか嬉しそうに微笑む。


 「ですが、

  お兄様はちゃんと景色を

  見てくださっていますわ」


 「そりゃ、

  これだけ近ければな……」


 テツロウは、言葉を飲み込んだ。


 しかし実際、

 視線を逸らそうにも難しかった。


 二人の巨大なサンタ衣装が、

 視界いっぱいへ広がっているのだ。


 白いファー。


 赤いリボン。


 イルミネーションを反射する柔らかな布地。


 さらに、

 リオとピスカが身を寄せ合っていることで、

 ゴンドラの周囲は完全に

 巨大な景色に包み込まれていた。


 ピスカが、

 優しそうにテツロウを覗き込む。


 「テツロウちゃん、

  顔赤くなってない~?」


 「なってないって……」


 「ふふ~♪

  でも、

  ちゃんとドキドキしてる顔してるよ~?」


 「……っ」


 図星だった。


 近い。


 近すぎる。


 しかも、

 二人ともクリスマス仕様の衣装だからか、

 いつもよりどこか華やかで、

 余計に目のやり場に困る。


 すると今度は、

 リオがゴンドラをゆっくり持ち上げる。


 「お兄様。

  今度はこちら側ですわ♪」


 ゴンドラが、

 巨大なリオの胸元近くへ移動する。


 白いファー付きのサンタ衣装が、

 すぐ目の前いっぱいへ広がった。


 ふわりと漂う、

 甘い香り。


 巨大な体から伝わってくる、

 圧倒的な存在感。


 テツロウは思わず、

 ゴンドラの窓へ手をつく。


 「うわ……

  本当に近いな……」


 「ふふ♪

  お兄様、

  ちゃんと楽しめています?」


 「いや、

  観覧車でこんな緊張するとは思わなかった……」


 すると、

 ピスカが楽しそうに笑う。


 「じゃあ次は、

  私の番ね~♪」


 今度は、

 ゴンドラがゆっくりピスカ側へ移動する。


 巨大なサンタ衣装。


 柔らかな白いマフラー。


 包み込むような笑顔。


 そして、

 近づくたびに感じる、

 不思議な安心感。


 ピスカは、

 そっとゴンドラへ頬を寄せた。


 「テツロウちゃん、

  ちゃんと見えてる~?」


 「見えてるっていうか……

  近すぎるんだけど……」


 「うふふ♪

  でも、

  嫌じゃなさそうだよ~?」


 「それは……」


 言葉に詰まる。


 二人とも、

 完全に楽しんでいた。


 巨大な遊園地。


 巨大なサンタガール達。


 そして、

 その間で翻弄される自分。


 なのに――


 どこか心地良かった。


 イルミネーションの光が、

 巨大なリオとピスカを照らしている。


 まるで、

 クリスマスの夢の中にいるようだった。


 その時だった。


 遠くから、

 次のアトラクションの音楽が聞こえてくる。


 エアリの声も、

 端末越しに響いた。


 『みなさーん♪

  そろそろ次へお願いします~』


 「あら、

  もう次ですわね」


 「もっとテツロウちゃんと遊びたかったな~」


 二人は少し残念そうに微笑む。


 そして、

 ゆっくりとゴンドラを地上へ戻していく。


 テツロウは、

 ようやく小さく息をついた。


 「……次、

  どんなアトラクションなんだろうな」


 しかしその時、

 彼はまだ知らなかった。


 このクリスマスイブが、

 さらにとんでもない方向へ進んでいくことを――


■第八章 第三話へつづく

第八章 第二話をお読みいただき、

ありがとうございました。


今回は、

リオとピスカによる観覧車のお話でした。


巨大な遊園地ならではの、

少し不思議なスケール感を

楽しんでいただけましたら幸いです。


次回は、

別の仲間たちによる案内が始まります。


※挿絵はAIを用いて作成しています。

 AIの仕様や制約により、

 イメージ通りに再現できていない部分もありますが、

 あくまで参考イメージとして

 補完しながらお楽しみいただければ幸いです。


※作品の感想なども

 お聞かせいただけましたら幸いです。

 今後の創作の励みになります。


次回 第八章 第三話は

9月11日(金)公開予定です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。