第七章 不思議な虚空の中の宴⑦
いよいよ忘年会が始まります。
料理に、乾杯に、賑やかな仲間達。
そして今回は、タリアへの少し遅れた誕生日祝いも。
年末らしい温かな時間をお楽しみください。
【登場人物】
・青星テツロウ
・赤井エアリ
・青星リオ
・紫雲タリア
・桃野リブラ
・銀水ピスカ
■第七章 第七話
しばらくして。
大テーブルから少し離れた場所に置かれていた、
丸いテーブルへ、
皆がゆっくり移動していく。
ピスカ。
タリア。
リブラ。
リオ。
エアリ。
そして、
中央付近には小さなテツロウ用の席。
先ほどまでの賑やかな忘年会とは違う。
大人たちだけの、
落ち着いた酒席が始まろうとしていた。
テツロウが席へ腰掛けると、
ピスカが優しく微笑む。
「ふふ♪
ここからはこちらを呑みましょうか」
そして。
ドン、と。
一升瓶が、
丸いテーブルへ置かれた。
「おお……」
テツロウが思わず見上げる。
巨大な皆にとっては普通の酒瓶でも、
今のテツロウにとっては、
まるで巨大なビルのような大きさだった。
「ピスカさん……」
するとピスカは、
くすりと優しく笑う。
「はい♪
テツロウちゃんはこちらですわ」
そう言いながら、
テツロウ用の小さなお猪口を用意した。
「おお、ありがたい……」
すると今度は、
タリアが酒瓶へ手を伸ばす。
「では、テツロウ氏。
私が注いであげますね」
タリアは少し嬉しそうに笑いながら、
巨大な一升瓶をゆっくり傾ける。
そして。
テツロウ用の小さな小さなお猪口へ、
丁寧に日本酒を注いでいった。
とくとく、と。
静かな音が、
暖かなログハウスへ響いていく。
ピスカは、
テツロウ用の小さなお猪口へ酒を注ぎ終えると、
今度はタリアへ視線を向けた。
「タリアさん。
お誕生日おめでとうございます♪」
「ありがとうございます」
「もう二十歳ですものね。
タリアさんも少しどうですか?」
そう言いながら、
ピスカは日本酒の瓶を軽く持ち上げる。
するとタリアは、
少し照れたように笑った。
「……では。
せっかくですし、少しだけ」
リオが嬉しそうに微笑む。
「ふふ♪
タリアさんのお酒姿、少し新鮮ですわね」
「いや、そんな大したものじゃ……」
タリアは苦笑しながら、
自分のお猪口を受け取った。
その時だった。
ピスカの視線が、
向かい側へ座っていたリブラへ向く。
「……あら?
お初ですね♪」
「あっ、はい!」
リブラは姿勢を正し、
ぺこりと頭を下げた。
するとリオが、
穏やかに紹介する。
「私たちが通っている大学の同級生で、
アイドル活動をされているリブラさんです♪」
「はじめまして~♪
桃野リブラです!」
リブラは明るく笑いながら、
小さく手を振った。
「リオ様とテツロウ様に誘っていただいて、
今日は参加させてもらってます♪」
「まあ♪
そうでしたのね」
ピスカは優しく微笑む。
そして次の瞬間。
くすり、と。
少し楽しそうに、
テツロウへ視線を向けた。
「テツロウちゃん。
また女の子を口説いたの?」
「ぶっ!?」
思わずテツロウがむせる。
するとリブラが、
きょとんとした後、
楽しそうに笑い出した。
「えっ、そういう感じなんですか~?♪」
「違う違う違う!」
「ふふ♪」
ピスカは、
どこか面白そうに肩を揺らしていた。
やがて。
皆へ酒が行き渡った頃。
ピスカは、
小さくお猪口を持ち上げながら微笑む。
「せっかくですし♪
改めて乾杯しましょうか」
するとリブラが、
嬉しそうに頷いた。
「いいですね~♪」
タリアも、
少し赤くなった顔のままお猪口を持ち上げる。
リオとエアリも、
穏やかに微笑んでいた。
そしてピスカは、
テーブル中央の小さなテツロウへ視線を向ける。
「テツロウちゃん。
お願いしますわ♪」
「え、また俺?」
「うふふ♪
本日の主役みたいなものですもの♪」
「いや、タリアちゃんの誕生日なんだけど……」
「でも、
皆テツロウちゃん囲んで呑んでますわよ?」
「……否定できない」
リブラが、
くすくす笑う。
「確かにそうですね~♪」
テツロウは苦笑しながら、
小さなお猪口を持ち上げた。
周囲には、
巨大なお猪口達。
暖かな照明。
静かな冬の夜。
そして、
優しく自分を囲む皆の姿。
テツロウは小さく息を吐く。
「じゃあ――」
静かな酒席の中。
テツロウは、
少し照れながら笑った。
「タリアちゃんの誕生日と、
今年一年に――乾杯」
『乾杯♪』
穏やかな声と共に、
巨大なお猪口がゆっくり掲げられる。
静かな乾杯の音が、
冬のログハウスへ優しく響いた。
宴は、まだ続いていた。
お猪口が重なり。
笑い声が増え。
暖かなログハウスには、
ゆったりとした酔いが回り始めている。
そして――
「ではここで♪」
突然。
ピスカが楽しそうに立ち上がった。
「テツロウちゃん、
スペシャルゲーム開催ですわ~♪」
「…………はい?」
テツロウが嫌な予感しかしない顔をする。
だがピスカは、
完全に楽しそうだった。
「せっかくですし♪
みんなで順番に、
テツロウちゃんと呑みましょう♪」
「なんですかそれー!?」
リブラが目を輝かせる。
エアリも、
少し頬を赤くしながら笑った。
「ピスカさん、
もう結構酔い回ってますね~……」
だが。
「でも、ちょっと面白そうです♪」
「エアリちゃんまで!?」
すると今度は、
タリアがぐいっと顔を近づけてくる。
少し赤くなった顔。
酒で柔らかくなった表情。
「テツロウ氏。
ここからは――」
タリアは、
どこか楽しそうに笑った。
「スペシャルな展開が続きますぞ~♪」
「近い近い近い」
「ふふ♪」
その様子を見て、
リブラがさらに興味津々になる。
「テツロウ様のスペシャルゲームって、
一体なんなんですか~?♪」
「うふふ♪
お兄様へ、
特別なことをして差し上げるのですわ♪」
リオが優雅に微笑む。
そして。
テツロウへ視線を向けた。
「これから、
皆さんの特別なご奉仕が待っていますわ♪」
「なんだその不穏な言い方」
「ふふ♪
きっと楽しいお酒になりますわよ?♪」
「俺の意思は……?」
「「「ありません♪」」」
綺麗に揃った。
「なんでだよ!?」
ログハウスの中へ、
また笑い声が広がる。
「ではまず、
私からですわね♪」
ピスカが、
楽しそうに微笑みながら手を差し出す。
「時計回りで、
テツロウちゃんへ特別な事していきましょう~♪」
「それ絶対ろくでもない流れだよな?」
テツロウが冷静に突っ込む。
だが周囲は、
誰一人止める気がなかった。
「ふふ♪
細かいことは気にしません♪」
ピスカはそう言いながら、
そっとテツロウを巨大な掌へ乗せる。
暖かく、
柔らかな手の感触。
そのままピスカは、
大事そうにテツロウを持ち上げた。
「ではまず――
ピスカの番ですわ♪」
次の瞬間。
テツロウの視界が、
ふわりと持ち上がる。
そして――
ピスカは、
自分の肩口近くへ、
テツロウをそっと寄せた。
ロングヘアから、
ほのかにシャンプーの香りが漂う。
暖かな体温。
包み込むような距離。
その近さに、
テツロウの鼓動が少しだけ早くなる。
さらに、
ピスカは片手でお猪口を持ちながら、
くすりと微笑んだ。
「ここなら、
お酒も飲みやすいでしょう?♪」
「いや……
近いんだけど」
「うふふ♪
テツロウちゃん、
もっと上も下も見ていいんですのよ?♪」
「ぶっ……!?」
思わずテツロウがむせる。
ピスカは、
楽しそうに肩を揺らした。
そのたびに、
柔らかな髪がふわりと揺れる。
近い。
近すぎる。
酒の熱とは別に、
テツロウの鼓動が少しずつ早くなっていった。
「ピスカさん、
完全に酔ってますわね♪」
リオがくすくす笑う。
「いいじゃないですか♪
忘年会ですもの♪」
ピスカは、
どこか楽しそうに肩を揺らす。
そのたびに、
テツロウの視界もゆっくり揺れた。
「わぁ~……
そういう感じなんですね♪」
リブラが目を輝かせる。
「なるほど……」
タリアも、
少し赤い顔のまま頷いていた。
するとピスカは、
テツロウ用の小さなお猪口へ、
再び酒を注いだ。
とくとく、と。
静かな音が、
暖かなログハウスへ響いていく。
「はい♪
テツロウちゃん、どうぞ♪」
巨大な女性達に囲まれながら、
テツロウは小さくため息をつく。
「……今日は、
本当に俺に拒否権ないな」
ピスカの肩口という特等席で、
テツロウは小さなお猪口を傾ける。
日本酒の熱が、
じんわりと体へ広がっていった。
「……うまい」
「ふふ♪
それは良かったですわ♪」
ピスカは満足そうに微笑む。
そして。
「では次は――」
ゆっくりと視線を横へ向けた。
「タリアちゃんですわね♪」
「えっ、私ですか!?」
タリアが少し慌てる。
だが周囲は、
すでに完全に乗り気だった。
「タリアちゃんファイトー♪」
「見てみたいです~♪」
リブラとエアリが、
楽しそうに笑っている。
ピスカは、
そんな皆の様子を見ながら、
テツロウを優しく掌へ乗せ直した。
「はい♪
テツロウちゃん、次ですわ♪」
そして、
そっとタリアへ手渡していく。
タリアは、
少し緊張した様子でテツロウを受け取った。
「な、なんか責任重大ですねこれ……」
「ただ抱っこするだけなのに?」
「ピスカさんの後って、
なんかプレッシャーあるんですよ!」
そんな事を言いながらも、
タリアはどこか楽しそうだった。
しばらく悩んだあと――
「……よし」
タリアは小さく頷く。
そして。
テツロウを、
自分の膝の上へそっと座らせた。
「おおっ?」
「テツロウ氏、
これなら普通に一緒に飲めますぞ♪」
タリアは、
どこか得意げだった。
目線の高さも近い。
巨大感はあるが、
先ほどのピスカとは違い、
“隣で飲んでいる”ような距離感になる。
さらにタリアは、
自分のお猪口を軽く持ち上げた。
「せっかくですし、
一緒に乾杯しましょう」
「お、いいなそれ」
テツロウも、
小さなお猪口を持ち上げる。
カチン。
小さな音。
タリアは、
少し嬉しそうに笑った。
そして――
「……テツロウ氏も、
メンテナンスしないとですね♪」
「は?」
次の瞬間。
タリアは、
お猪口を持ったままのテツロウを、
その巨大な手でそっと自分の方へ引き寄せた。
「うおっ!?」
視界いっぱいに広がる、
タリアの姿。
銀紫色の髪。
少し赤くなった頬。
そして、
覗き込むような視線。
タリアは、
真面目な顔のまま小さく頷いた。
「ふむ……」
「な、何を確認してるんだよ」
「今日のテツロウ氏は――」
タリアは、
少し楽しそうに笑った。
「問題ないですね♪」
「何判定だそれ!?」
周囲から、
くすくすと笑い声が漏れる。
するとリブラが、
興味津々に身を乗り出した。
「タリアさん酔ってません~?♪」
「酔ってませんぞ」
即答だった。
だが頬は、
かなり赤い。
その様子を見て、
テーブルにはまた穏やかな笑い声が広がっていった。
その様子を見て、
周囲からまた笑い声が広がっていった。
「では次は――♪」
タリアは、
少し赤くなった顔のまま、
隣へ視線を向けた。
「リブラさんですぞ」
「えっ!?
私ですか~!?♪」
リブラが嬉しそうに声を上げる。
「はい♪
順番ですから」
タリアは笑いながら、
膝の上にいたテツロウをそっと持ち上げた。
そして。
リブラへ、
丁寧に手渡していく。
「はい、テツロウ氏」
「なんか受け渡しが完全に流れ作業になってない?」
「うふふ~♪
人気者ですね~♪」
リブラは、
初めて抱える小さなテツロウを、
興味津々な様子で見つめていた。
「わぁ……
本当に小さいんですね……♪」
「今さら!?」
リブラは、
楽しそうに笑いながら、
テツロウをそっと自分の近くへ寄せる。
だが。
ピスカやタリアのように、
すぐ“特等席”へは持っていかない。
代わりに――
「ん~……」
リブラは少し考え込む。
「どうしました?」
「せっかくですし、
アイドルっぽくしたいなって♪」
「嫌な予感しかしない」
その瞬間。
リブラは、
テツロウを自分の肩へちょこんと乗せた。
「おおっ!?」
「どうですか~?
ライブのマスコット感ありますよ♪」
「なんだその扱い!?」
だがリブラ本人は、
かなり楽しそうだった。
しかも。
肩へ乗せられたことで、
リブラの表情がかなり近い。
酒で少し赤くなった頬。
楽しそうな笑顔。
そして、
くるくる変わる表情。
いかにもアイドルらしい、
賑やかな距離感だった。
「テツロウ様、
ちゃんと落ちないでくださいね~♪」
「落ちたら普通に危ないからな!?」
「ふふふ~♪」
リブラは、
わざと少し肩を揺らしてみせる。
「うおっ!?」
「きゃははっ♪」
その様子を見て、
周囲からまた笑い声が広がった。
「リブラさん、
完全に遊んでますわね♪」
「楽しそうです~♪」
エアリとリオも、
くすくす笑っている。
するとリブラは、
少しだけ申し訳なさそうに笑った。
「テツロウ様、
怖がらせてごめんなさい♪」
そう言いながら、
今度はテツロウを、
自分の腕の中へ優しく抱え直す。
「おっと……」
先ほどまでより、
少し落ち着いた距離。
リブラは、
そんなテツロウを見つめながら、
小さく微笑んだ。
「はい♪
今度はちゃんと、
リブラのお酒も飲んでくださいね♪」
そして、
テツロウ用の小さなお猪口へ、
とくとくと酒を注いでいく。
「なんか急に丁寧になったな……」
「ふふ♪
さっきはちょっと、
楽しくなっちゃってました♪」
リブラは、
どこか照れたように笑っていた。
「では次は私ですわね♪」
リオが、
優雅に微笑む。
リブラは、
大事そうにテツロウを抱えたまま、
そっとリオへ手渡していく。
「はい、リオ様♪」
「ありがとうございます♪」
リオは、
壊れ物でも扱うように、
優しくテツロウを受け取った。
そして。
掌の上のテツロウを見つめながら、
くすりと微笑む。
「お兄様。
少し顔が赤くなっていますわね♪」
「そりゃ飲んでるからな……」
「ふふ♪
酔いが回っているのかしら?」
リオは、
ゆっくりとテツロウを持ち上げる。
そのまま、
自分の眼前へそっと近づけた。
至近距離。
青い髪が揺れ、
リオの優しい瞳がすぐ近くにある。
「それとも――」
リオは、
少し楽しそうに首を傾げた。
「照れていらっしゃるのかしら?♪」
「……っ」
テツロウが言葉に詰まる。
その反応を見て、
リオは満足そうに微笑んだ。
そして――
自分の懐へ、
優しく抱え込むように包み込んだ。
「うおっ……」
ふわりと、
柔らかな青髪が近づく。
暖かな体温。
落ち着く香り。
リオの懐は、
不思議と安心感があった。
「お兄様。
落ち着きますでしょう?♪」
「……まあ、
なんか安心するな」
「ふふ♪
それは良かったですわ♪」
リオは嬉しそうに微笑みながら、
そのまま片手で優しくテツロウを支える。
そしてもう片方の手で、
ゆっくりお猪口を傾けた。
「では最後は、
エアリさんですね♪」
リオが、
名残惜しそうにテツロウを見つめながら、
そっとエアリへ手渡した。
「はい♪
お預かりします♪」
エアリは優しく笑いながら、
テツロウを両手で受け取る。
今日は白衣ではない。
冬用の赤いシャツに、
落ち着いた色合いのコート姿。
いつもより、
少しだけ大人っぽい雰囲気だった。
「エアリちゃん、
今回はどこなんだ?」
「ふふ♪
ここです♪」
そう言ってエアリは、
胸元の小さなポケットを軽く開く。
そして。
テツロウを、
そこへそっと入れた。
「おおっ……」
柔らかな布地。
暖かな体温。
すぐ近くで聞こえる、
エアリの心音。
白衣の胸ポケットとはまた違う、
冬服ならではの暖かさだった。
エアリは、
そんなテツロウを優しく覗き込みながら微笑む。
「今日はここで、
テツロウさんに特別なご奉仕しますね♪」
「……なんか、
一番落ち着くな」
「本当ですか?♪」
エアリは、
嬉しそうに微笑みながら、
両腕で胸ポケットをそっと支えた。
「テツロウさん、
どうですか?
さらに安定しました?♪」
暖かな体温。
優しく伝わってくる鼓動。
テツロウは、
エアリの温もりへ包まれていく。
優しく揺れる胸ポケットの中で、
テツロウの意識は、
少しずつ眠気へ引き込まれていくのだった。
そして――
ガタン。
ゴトン。
規則的な揺れと音。
「……ん」
ぼんやりとした意識の中で、
テツロウはゆっくり目を開けた。
目の前に見えたのは――
電車の天井だった。
「……あれ?」
まだ少し重い頭のまま視線を動かす。
すると。
「おはようございます、テツロウさん♪」
優しい声が降ってきた。
そこにいたのは――
等身大のエアリだった。
冬用の赤いシャツ姿のまま、
座席へ腰掛けている。
そして――
テツロウは、
そのエアリの膝の上で眠っていたらしい。
「うわっ!?」
慌てて起き上がろうとするテツロウ。
だがエアリは、
くすくす笑いながら軽く肩を押さえた。
「ふふ♪
テツロウさん、飲みすぎましたか?」
「……あー……」
テツロウは額を押さえる。
頭の中へ、
断片的に記憶が戻ってきた。
鍋。
日本酒。
「……確か、
みんなで忘年会してたんだっけか」
「はい♪
とっても楽しそうでしたよ♪」
エアリは、
どこか嬉しそうに微笑む。
電車は、
静かな夜の街を走っていた。
窓の外には、
冬の灯りがゆっくり流れていく。
そして――
カメラが、
ゆっくりと引いていく。
夜の線路を走る小さな電車。
そのさらに外側では、
巨大なエアリ達が、
静かな冬の夜を眺めていた。
エアリは、
少し嬉しそうに微笑む。
「……テツロウさん、
胸ポケットの中で、
すっかり眠っちゃってましたね♪」
「ふふ♪
お兄様、かわいらしかったですわ♪」
リオも、
どこか満足そうに笑う。
タリアは、
思い出したように頬を赤くした。
「……テツロウ氏、
かなり安心しきってましたぞ」
「うぅ……
寝顔、反則級でした~……♪」
リブラは、
まだ余韻が抜けていないらしい。
ピスカも、
穏やかに目を細めた。
「ふふ♪
とても楽しい忘年会でしたわね♪」
小さな電車は、
巨大な彼女達に見守られながら、
冬の夜をゆっくり走っていく。
■第七章 完
第七章、最後までお読みいただきありがとうございました。
冬の日常、大学での特別講義、新たな仲間との出会い、そして忘年会。
穏やかな日々を描いた第七章でしたが、楽しんでいただけましたでしょうか。
また、リブラも少しずつ青星家の日常へ溶け込み始めました。
これから先、どのように関わっていくのかも見守っていただければ幸いです。
※挿絵はAIを用いて作成しています。
AIの仕様や制約により、
作者のイメージ通りに再現できていない部分もありますが、
あくまで参考イメージとして補完しながら
お楽しみいただければ幸いです。
ご感想・レビュー・応援コメントなどもお待ちしております。
第七章も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回、第八章は9月4日(金)公開予定となります。
引き続き、『不思議な宇宙のもとで。』をよろしくお願いいたします。




