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不思議な宇宙(そら)のもとで  作者: まほ。かんた。
不思議なメイドの文化祭
29/32

第四章 不思議なメイドの文化祭④

 文化祭編・第四話です。


【今回の主な登場人物】


・青星テツロウ

 本作主人公。不思議な文化祭の中心にいる青年。


・青星エミ

 テツロウの双子の妹の一人。明るく優しい兄さん大好き妹。


・青星ミニ

 テツロウの双子の妹の一人。元気いっぱいでにぎやか担当。


・銀水リウス

 銀髪ショートのクールな少女。照れ屋な一面も。


・紫雲タリア

 機械や開発を得意とする少女。今回の展示の案内役。


・青星リオ

 テツロウの妹。上品で落ち着いた、お姉様のような存在。


・赤井エアリ

 テツロウの幼なじみ。冷静で頼れるサポート役。


・銀水ピスカ

 リウスの姉で看護師。包み込むような優しさを持つ女性。


 展示ブースでの特別な体験を、どうぞお楽しみください。

■第四章 第四話


 文化祭の次なる会場――

 地下に設けられた展示ブース。


 地下メイド喫茶会場を後にした一行は、

 広い敷地の一角に建てられた別棟へと

 足を踏み入れていた。


 外観は倉庫のように大きく、

 内部からは機械音や人の声が

 微かに聞こえてくる。


 テツロウは思わず周囲を見回した。


 「……文化祭って、ここまでやるものなのか?」


 「今日は特別ですわ」


 銀水ピスカが柔らかく微笑む。


 「テツロウちゃんのための文化祭ですもの」


 その言葉に、

 テツロウは少しだけ照れたように視線を逸らした。


 するとピスカは、ふと思い出したように手を打つ。


 「あら、いけない」


 「どうしたの?」とエミが首を傾げる。


 「リオちゃんとエアリちゃんに、

  まだ衣装を届けていなかったの」


 ミニが目を丸くする。


 「まだ着替えてなかったのー?」


 「ええ。二人とも少し遅れて合流予定だから」


 ピスカは手にしていた

 大きめのバッグを軽く持ち上げた。


 中には丁寧に畳まれた布地が覗いている。


 「先に見ていてちょうだい。すぐ戻るわ」


 そう言って、

 ピスカはテツロウへ優しく微笑みかけた。


 「あとで、もっと楽しませてあげるから」


 「な、何をだよ……」


 頬を赤くするテツロウを見て、

 ミニがけらけら笑う。


 「いってらっしゃーい!」


 ピスカは手を振り返し、その場を離れていった。


 人数が少し減ったところで、

 先頭に立っていた紫雲タリアが振り返る。


 紫を基調としたメイド服。


 白いフリルと腰のリボンが上品に揺れ、

 その頭には見慣れたゴーグル。


 黒い作業グローブをはめた手には、

 小型工具が握られていた。


 可憐さと技術者らしさが同居した姿のまま、

 タリアは静かに告げる。


 「では、最初の展示はこちらです」

挿絵(By みてみん)

 展示棟のシャッターが開く。


 その先には――


 広いスペースいっぱいに組み立て式の

 コースが設置されていた。


 ゆるやかなカーブ。


 小さな坂道。


 直線加速区間。


 安全柵まで丁寧に配置されている。


 そして中央の展示台には、

 一台の小型バイクが置かれていた。


 テツロウは目を見開く。


 「……これって」


 タリアは小さく頷く。


 「先日、テストしていただいた車体です」


 「細部を改修し、文化祭展示用に再調整しました」


 「またこれか……」


 どこか懐かしいような感覚が胸をよぎる。


 だが思い出そうとすると、霧のようにぼやけていく。


 「……俺、前にタリアちゃんの後ろに乗って、

  どこか走ってなかったか?」


 タリアは真顔のまま答えた。


 「走行記録上は、その通りです」


 「記憶が曖昧でも問題ありません」


 「問題あるだろ」


 そのやり取りに、エミたちが笑う。


 やがてテツロウはバイクにまたがる。


 サイズは今の彼にぴったりだった。


 エミが両手を口元に添える。


 「兄さん、がんばってー!」


 ミニが跳ねる。


 「一周したら手振ってー!」


 リウスはしゃがんだまま、

 興味深そうに見つめている。


 「……転ばないでよ、テツ兄」


 タリアは静かにスイッチを入れた。


 「走行開始、どうぞ」


 小さなエンジン音を響かせながら、

 テツロウの乗るバイクはコースへと走り出した。


 最初はゆっくりと。


 だが直線区間へ入ると、

 車体はなめらかに加速していく。


 「おおっ……!」


 思わず声が漏れた。


 風が頬を撫で、床面が後ろへ流れていく。


 小さな車体とは思えないほど安定している。


 「兄さん、すごーい!」


 少し離れた位置で、

 エミが嬉しそうに手を振っていた。

挿絵(By みてみん)

 その隣では、

 ミニとリウスがしゃがみ込み、

 コースすれすれの位置から

 食い入るように見つめている。


 「お兄ちゃん、はやーい!」


 「……思ったより、ちゃんとしてる」


 リウスは真剣な目で車体の動きを追っていた。


 テツロウは

 軽く手を上げようとして――やめた。


 片手運転は危険だ。


 (いや、文化祭で何やってるんだ俺……)


 そう思いながらも、口元は少し緩んでいた。


 次のカーブへ差しかかる。


 コースの外側では、

 ミニとリウスがさらに身を乗り出していた。


 巨大なメイド服のスカートが視界の端に広がる。


 白いフリル。


 揺れる裾。


 近くで見下ろしてくる大きな瞳。


 (ち、近い近い近い……!)


 胸が妙に騒ぐ。


 この縮尺だからこその距離感。


 少し顔を上げれば、

 まるで壁のようにそびえる二人の姿がある。


 ミニが満面の笑みで手を振った。


 「お兄ちゃーん!」


 リウスもしゃがんだまま、

 小さく口元を緩める。


 「……ちゃんと前、見て走ってよ。テツ兄」


 「言われなくても――」


 返そうとした瞬間。


 ハンドルが、ぴたりと重くなった。


 「……え?」


 右へ切ろうとしても動かない。


 左へも動かない。


 次のカーブは目前だった。


 「うわっ、ちょ、ちょっと待て!?」


 車体はそのまま直進する。


 迫る外壁。


 ミニが目を丸くし、リウスが立ち上がる。


 「お兄ちゃん!?」


 「テツ兄!」


 テツロウは慌ててブレーキを握る。


 だが勢いは止まりきらない。


 壁まで、あとわずか。


 その瞬間――


 シート下から乾いた音が鳴った。


 「緊急保護装置、作動です」


 紫雲タリアの落ち着いた声が響く。


 「え?」


 次の瞬間、

 テツロウの身体だけがバイクから上空へ射出された。


 「うわあああああっ!?」


 視界が一気に回る。


 天井。


 照明。


 コース。


 巨大な少女たち。


 すべてがぐるりと反転した。


 だが、その先に。

挿絵(By みてみん)

 両手を差し出し、

 落ちてくるテツロウを

 優しく受け止めようとしているエミがいた。


 「兄さんっ!」


 ふわり、と。


 まるで羽を受け止めるように、

 エミは宙から落ちてきた

 テツロウを優しく抱き止めた。


 衝撃はない。


 あるのは、やわらかなぬくもりと、

 甘い香りだけだった。


 そのまま胸元へ引き寄せられ、

 テツロウの顔がみるみる赤くなる。


 「だ、大丈夫か……俺」


 「うん。ちゃんと受け止めたよ」


 エミは嬉しそうに微笑んだ。


 ミニが跳ねながら叫ぶ。


 「また最後それーっ!」


 リウスも呆れたように肩をすくめる。


 「……結局そこに収まるんだ」


 少し離れた場所で、タリアが静かに頷く。


 「安全仕様です」


 テツロウはエミに抱えられたまま叫んだ。


 「飛ばす方がおかしいだろ!」


 タリアは真剣な表情のまま続けた。


 「大事な人を守る仕様です」


 一瞬、場が静まる。


 テツロウは言葉に詰まり、エミは目を丸くし、

 ミニはにやにやと笑う。


 リウスだけが、少しだけ目を細めた。


 そして次の瞬間、

 展示棟いっぱいに笑い声が広がった。


 その様子を見届けると、

 紫雲タリアは小さく頷いた。


 「走行展示、終了です」


 「本命は、この先になります」


 そう言って踵を返し、

 展示棟の奥へ歩き出す。


 「え、まだあるのか?」


 エミに抱えられたままのテツロウが目を瞬かせる。


 「当然です」


 タリアは振り返らずに答えた。


 「文化祭ですので」


 案内された先は、さらに広い空間だった。


 天井も高く、照明設備も増えている。


 中央には巨大な幕で覆われた一角があり、

 まるで舞台のように整えられていた。


 ミニが目を輝かせる。


 「きたきたー!」


 リウスも腕を組み、少し興味深そうに眺める。


 「……ずいぶん大げさだね」


 タリアは操作盤の前へ立つと、

 迷いなくスイッチを押した。


 低い駆動音。


 ゆっくりと幕が左右へ開いていく。


 そこに現れたのは――


 ラベンダー色の装甲をまとった人型機体。


 堂々と立つ鋼の巨体。


 片腕には大型シールド。


 肩部、胸部、脚部にも細かな改修が施され、

 以前より重厚で頼もしさを感じさせる姿だった。


 テツロウは思わず声を漏らす。


 「おお……!」


 エミも嬉しそうに頷く。


 「兄さん、かっこいいね」


 ミニは跳ねながら叫ぶ。


 「ヴァルゴだー!」


 リウスも素直に感心したように見上げた。


 「……これは、ちょっと悔しいけど格好いい」


 テツロウは機体を見上げながら、首を傾げた。


 「……これ、初めて見る気がしないんだよな」


 鉄の匂い。


 揺れ。


 誰かの声。


 だが思い出せるのはそこまでだった。


 タリアはヴァルゴの足元まで歩み寄ると――


 テツロウの方へ手を差し出した。


 「見やすい位置へ移動します」


 「え?」


 次の瞬間、

 テツロウの身体はエミの手からそっと受け取られ、

 タリアの腕の中へ収まっていた。


 「ちょ、タリアちゃん?」


 「静止してください」


 真顔のままそう告げると、

 タリアはテツロウを抱えたまま

 ヴァルゴの胸部付近まで持ち上げる。

挿絵(By みてみん)

 ぐっと視界が高くなる。


 眼前には巨大な装甲板。


 そして、それ以上に近い位置には――


 真剣な表情で機体を指差すタリアの横顔があった。


 「追加シールドは三層構造です」


 「衝撃吸収材を内部に増設しました」


 「肩部関節も再調整済みです」


 淡々と説明は続く。


 だが、テツロウの耳には半分も入ってこない。


 距離が近い。


 わずかに揺れる紫の髪。


 腕の中の安定感。


 伝わってくる体温。


 (ち、近い……!)


 (ヴァルゴどころじゃないんだが……!)


 ミニが下からにやにやしながら見上げていた。


 「お兄ちゃん」


 「ヴァルゴより、

  タリアちゃんの方が気になるの?」


 「なっ……!」


 テツロウが慌てて声を上げる。


 リウスは呆れたように肩をすくめた。


 「……顔見れば分かるね」


 エミは少しだけ頬を膨らませながらも、

 苦笑していた。


 「兄さん、分かりやすい……」


 タリアは少し首を傾げる。


 「問題ありません」


 「わたしは、いつでもテツロウ氏に協力しますよ」


 一瞬、その場の空気が止まった。


 テツロウは言葉を失い、

 エミは目を丸くし、ミニは声を上げて笑う。


 リウスだけが、少しだけ目を細めた。


 「そ、そういう意味じゃないから!」


 ようやく絞り出したテツロウの叫びに、

 展示棟いっぱいの笑い声が再び響いた。


 ひとしきり騒ぎが落ち着いたころ、

 タリアはテツロウを静かに地上へ戻した。


 「なお、今回は縮尺の都合により、搭乗不可です」


 「今それ言うのか……」


 肩を落とすテツロウ。


 タリアは真顔のまま続けた。


 「ですが、見る価値は十分にあります」


 その視線は、どこか少しだけ誇らしげだった。


 やがてタリアは、

 展示棟のさらに奥にあるシャッターへ視線を向けた。


 「次の展示はこちらです」


 操作盤へ手を伸ばすと、

 低い駆動音とともに照明が順に灯っていく。


 その先に広がっていたのは、

 円形に組まれた線路だった。


 簡素ながら丁寧に作られたホーム。


 小さな駅名標。


 そして奥には、

 引き込み線らしき通路まで見えている。


 テツロウは目を丸くした。


 「……今度は列車か?」


 タリアは淡々と頷く。


 「テツロウ氏専用仕様です。

  居住性と安全性を向上させています」


 「専用って何だよ……」


 思わず漏れた声に、ミニが吹き出した。


 「お兄ちゃん、また特別扱いだー!」


 エミもくすりと笑う。


 その時、背後から落ち着いた声が響いた。


 「ここから先は、私たちが担当します」


 振り返ると、

 エアリが制御卓の前に立っていた。


 メイド服姿のまま、静かな笑みを浮かべている。


 その隣には、同じくメイド服姿のリオ。


 優雅に微笑みながら立っていた。


 そして後ろから、

 ピスカも手を振りながら戻ってくる。


 「お待たせしましたわ」


 「衣装のお届けも無事終わったわよ」


 エミはテツロウへ少し名残惜しそうに微笑んだ。


 「兄さん、私たちはこのあとバンド演奏だから、

  先に準備へ行くね」


 「あとで、ちゃんと来てね?」


 リウスも肩をすくめる。


 「僕たち、このあと出演なんで」


 「遅れないでよ、テツ兄」


 ミニは両手をぶんぶん振った。


 「ぜったい来てねー!」


 タリアも小さく会釈する。


 「機材確認がありますので、失礼します」


 そうして高校生組は賑やかに去っていった。


 急に周囲が静かになる。


 先ほどまでの明るさとは違う、落ち着いた空気。


 テツロウは苦笑した。


 「なんか……急に大人ばっかりになったな」


 リオが優雅に口元を隠す。


 「不満ですの?」


 「そ、そういう意味じゃない」


 ピスカはくすりと笑った。


 エアリが制御卓へ手を添える。


 「環状線ですから、操作は単純です」


 「加速、減速、停止位置の調整だけですね」


 「その“だけ”が一番大事そうだけどな」


 テツロウの言葉に、エアリは小さく笑った。


 低い駆動音が響く。


 奥の引き込み線から、ゆっくりと列車が姿を現した。


 先頭には小型機関車。


 その後ろに、客車が二両。


 深い色合いの車体に金のライン。


 上部には大きな天窓が設けられ、

 内側から柔らかな光が漏れている。


 「……おお」


 テツロウは思わず見入った。


 列車は静かに環状線へ入り、そのままホームへと停車する。


 エアリが確認するように頷いた。


 「停止位置、良好です」


 リオが満足げに拍手する。


 「見事ですわ」


 扉が開く。


 テツロウは展示ホーム脇へそっと下ろされ、

 まだ少し落ち着かないまま列車を見上げていた。


 さっきまで巨大な彼女たちの手の中にいた感覚が、

 妙に身体へ残っている。


 そこへピスカがそっと背を押した。


 「さあ、テツロウちゃん。ご乗車どうぞ」


 「え、俺が?」


 「もちろんですわ」


 リオが微笑む。


 「本日の特別なお客様ですもの」


 車内へ足を踏み入れる。


 そこには、

 柔らかな照明に包まれた

 落ち着いた空間が広がっていた。


 広めのベッド。


 小さなテーブル。


 窓際のソファ。


 そして頭上には、空を見上げられる大きな天窓。


 「……文化祭って、ここまでやるのか」


 思わず本音が漏れる。


 ベッドへ視線を向けた瞬間、妙な想像が頭をよぎった。


 ここで寝そべれば――


 上を向いても。


 横を向いても。


 外には、あの三人がいる。


 「……っ」


 テツロウは慌てて咳払いした。


 リオがすぐに気づき、楽しそうに目を細める。


 「何か想像なさいまして?」


 「し、してない!」


 ピスカは肩を揺らして笑い、

 エアリは呆れたようにため息をついた。


 列車は静かに走り出した。


 環状線をゆっくりと周回する。


 小さな揺れがベッドへ伝わる。


 テツロウが窓へ目を向けた、その瞬間。


 視界いっぱいに、リオの顔が現れた。


 身を屈め、

 窓の高さまで合わせて覗き込んでいる。


 長い髪が流れ、微笑みが近い。


 ガラス一枚隔てているだけ。


 それだけなのに、胸の鼓動が一気に跳ね上がった。


 「……っ」


 リオは窓枠へ指先を添え、

 いたずらっぽく唇を動かす。


 ――見えまして?


 そう言われた気がした。


 以前にも、こんなふうに列車越しに見上げられた気がする。


 だが記憶はそこで、また曖昧に霞んだ。


 次の周回。


 今度はピスカがホーム脇へしゃがみ込み、

 窓の高さまで顔を近づけていた。


 柔らかな笑顔。


 優しく見守る視線。


 片手を振ったあと、口元だけでそっと問いかける。


 ――怖くない?


 そう聞こえた気がして、

 テツロウは慌てて首を横に振る。


 その仕草を見たピスカは、

 嬉しそうに微笑んだ。


 それだけで、今度は別の意味で落ち着かない。


 さらに次の周回では、エアリが制御卓から離れ、

 列車の横へ歩いてきていた。


 速度はごく低速。


 並走するように歩きながら、

 窓越しに静かな声を向ける。


 「揺れませんか?」


 いつもの落ち着いた声。


 けれど距離が近すぎる。


 テツロウは思わず姿勢を正した。


 「だ、大丈夫だ」


 「そうですか」


 エアリはわずかに笑い、また制御卓へ戻っていった。


 その後ろ姿まで妙に意識してしまい、

 テツロウは頭を抱えたくなった。


 たった一両の車内。

挿絵(By みてみん)

 だが上を向けば天窓の向こう。


 横を向けば窓の外。


 どこを見ても、巨大な大人の女性たちの気配がある。


 落ち着けるはずがなかった。


 十分ほどの短い周回だった。


 やがて列車は静かに減速し、ホームへ戻ってくる。


 エアリが時計を見て、小さく息をついた。


 「……時間ね」


 「バンド、そろそろ始まるそうよ」


 「もうそんな時間か」


 扉が開く。


 テツロウが降りると、リオが優雅に身を屈め、

 目線を合わせるように微笑んだ。


 「短い旅でしたけれど、楽しめまして?」


 テツロウは少し頬を赤くしながら答える。


 「……心臓には悪かった」


 リオは楽しそうに笑った。


 ピスカも肩を揺らし、エアリは呆れたように微笑む。


 その時――


 遠くから、軽快なドラム音が響いてきた。


 文化祭の次なる舞台が、始まろうとしていた。


 第四章 第五話へ続く

 お読みいただきありがとうございます。

 にぎやかな文化祭は、さらに盛り上がっていきます。

 次回、第四章 第五話は 5月29日(金)公開予定 です。

 いよいよバンドステージが始まります。

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