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魔核戦機アストレイア  作者: 秋紅葉リュウ
第一章 始動

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第3話 平和と日常の裏側 side:セイレーン

――時はクリーチャーが侵入する数時間前まで遡る




「グゥゥゥ............!」


「これで最後ね」




 私は瀕死の状態でこちらを睨みつけるクリーチャーへ向けてブレードを振るい、その首を跳ね飛ばす。断末魔をあげる間もなく首を失ったクリーチャーは、その場で倒れ伏す。


 クリーチャーの絶命を確認した私は無線を起動する。




「セイレーンより各機、目標の殲滅を確認した。各々、損耗状況を報告せよ」


『サラマンダーよりセイレーン、残弾が40%を切っている以外に異常は無い』


『こちらイーグル、装甲が少し損傷してますが、機体を動かす分には問題はないっすよ』


『キラービーより報告......特に異常無し...... zzz......』


「......私のブレードで斬り起こしてやろうか?キラービー」


『ひぅっ......ごめんなさい......』




 全くこいつは......実力は確かなのに、すぐに寝ようとするのはどうにかならないものか。いつもこんな調子だと非常に困るのだけど。




『キラービー、まーた寝ようとしたんすかぁ?相変わらずっすねぇ』




――イーグル


私たち第13機動小隊の遊撃手。少々軽口が過ぎるものの、彼女の持ち前の空間認識能力の高さから来る的確な援護には何度も助けられている。




『むぅ......睡眠は生理現象......必要なもの......』




――キラービー


第13機動小隊の狙撃手。彼女は睡眠に異常なほどの執着を持ち、隙があらばすぐに眠ろうとする問題児......なのだが、こんなのでも狙撃手としての実力は非常に高いというのがどうにも解せない。




『おい、無駄話する余裕があったら警戒しておけ。油断は禁物だ』




――サラマンダー


第13機動小隊の制圧射撃手。彼は無駄を嫌い、任務外でも常に警戒を怠らない生粋の現実主義者。役割である制圧射撃も、残弾を無駄にしないために必要な時以外は決して撃たない。




「サラマンダーの言う通りだ。イーグル、キラービー、目の前の敵を片付けたからと言って気を無くな」




――IDO東京支部軍COA機動大隊「神雷大隊」所属 第13機動小隊


第13機動小隊の全体指揮及び白兵戦を主軸とした高機動戦闘でクリーチャーを斬り刻む。それが私......第13機動小隊長――セイレーンの役目だ。


 私が率いる第13機動小隊は、少々個性が強すぎるメンバーばかりが揃っているけど、不思議と悪い気はしない。むしろ居心地が良いとも感じられる。




『......仲間同士で和気藹々としているところ失礼する』




そんな時、部隊回線に突然通信が入ってきた。




「......鳴神指令」




 クリーチャーを殲滅した私たちに、第13機動小隊担当の司令官「鳴神ツヨシ」から無線通信が入り、小隊全体の空気が静まり返る。




『諸君、此度の任務の達成、ご苦労だったな。今に至るまでの第13機動小隊の働きは目を見張るものがあると、大隊長も大層お喜びになっている』


「左様ですか」


『その活躍に免じて、諸君に対して大隊長が直々に任務を下された』


「大隊長から直々に......?」


『実に光栄なことにな。これより任務について説明を行う。よく聞いておくように』




 コックピットのモニターに鳴神指令から地図が添付され、これから行う任務のブリーフィングが開始される。添付された地図には東京コロニー周辺の地形が記されており、地図上にはいくつかの印がつけられている。




『課せられた任務は非常にシンプルだ』




 添付された地図に東京コロニーの北西の方向にある赤い印がそこに何かがあることを示すように淡く発光する。




『つい先日、神雷大隊の偵察部隊によって東京コロニーから北西に8.5㎞先にある旧池袋跡地にクリーチャーの巣窟が発見された』




 続いて、クリーチャーの巣窟の存在する赤い印から東にある青い印が淡く発光する。そこは私たち第13機動小隊の現在地を示している。そして、その青い印から目的地を示す赤い印へ直線の矢印が引かれる。




『諸君にはそこの制圧及びクリーチャーの殲滅を行ってもらう。目的地は諸君のいる本駒込跡地から西に3.2㎞先にある。説明は以上だ。何か質問はあるか』


「......質問はありません」


『よろしい。では、速やかに任務を開始したまえ』


「了解しました」


『人類の未来は諸君らの働きにかかっている。人類を守る責務があることを光栄に思い、任務に励むといい。これにてブリーフィングを終了する。"我ら人類"に栄光あれ!』




 鳴神指令からの無線が切れ、ブリーフィングが終了する。その直後、『はぁぁぁぁ............』と、無線越しにイーグルのイラついた雰囲気を含んだ長いため息が聞こえた。




『なーにが人類を守る責務があることを光栄に思えっすか。アタシらは人類じゃないってことっすか?元はと言えばそっちの都合でアタシらを"改造"したくせに.........』


「イーグル、あまりそんなことを言うもんじゃない」


『だって隊長!ムカつくと思わないすっか!?あいつら、アタシらを勝手にこんな身体に改造して、クリーチャーの相手を全部丸投げ!挙句に、あいつらは安全なところから指示を出すだけっすよ!これで文句が出ないわけないっすよ!』




 イーグルの言うことは分かる。私たちは、日々このような危険な世界でクリーチャーと命がけの戦いをしているのに、司令部は任務などの指示を出すだけで私たちに直接支援してくることなんてない。同じ境遇の仲間も多く死んで、辛い戦いの毎日で何度も苦しんできた。でも、司令部にとっては私たちは単なる"消耗品"でしかない。だって、私たちは......




「イーグル、あなたの気持ちは痛いほど分かる。でも、今更そんなことを言ってもどうにもならないわ。クリーチャーから人類を守るために人間であることを捨て、その身をクリーチャーを滅ぼすための戦いへ投じる.........それが、"デモンズ"として生まれ変わってしまった私たちの役目なんだから......」




 私たちはデモンズ。人の身でありながら人であることを捨て、その生涯を人類を守るためにクリーチャーとの戦いに捧げる生物兵器。戦いは私たちの日常であり、私たちの生きる意味。


 そして私たちは、今日もクリーチャーを葬るためにCOAを駆る。

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