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第28話 貯玉プレイ(=バンクロール管理)

「さて俺たちは残る4日で金を使い切りたかったところだが、ひとつ抜け道を発見した。資金洗浄《マネーロンダリング》だ。なんとギルドを通すテキサスホールデムの参加費だけは減価する前の価値でライルを引き取ってくださる。しかも賞金は有効期限の詰まった。新品のライルだ。よって俺たちは残り4日徹底的にテキサスホールデムをすることにする」

「やった! 遊都にまかせておいたら大丈夫ね!」

「ただ、俺ひとりでは集中力がもたない。そこで巴には戦力になって貰う」

「えっ? 高レート一発じゃ?」


ちっちっちっ。指を横に振る。


「それじゃあギャンブルなんだよ。テキサスホールデムはギャンブルであってギャンブルじゃねえ。ギャンブルをしないことが勝ち上がる秘訣だと俺は思っている」

「どういうことなの?」

「おっ悪い悪い。まずはバンクロール管理の概念から説明するぜ。んー簡単に言ったら勝率60%のゲームがあって勝てば2倍になる手元には100万円ある。100万円賭けますか? といった問題だな。どうする巴ならどうする?」

「増やしたいのなら賭けるわね。100万円」

「はいー残念!! 破産しました。あなたはギャンブラーの資質があります気をつけましょう」

「賭けるか賭けないかの2択なのよね? 賭けないと話が進まないじゃない」

「それだと40%の確率で破産です。そしてそれは多分引きます。通常時です」

「何通常時って?」

「いやなんでも……とっとにかく俺は賭け金については言っておりません……正解は1万円で100回賭ける。でした」

「せこっ、引っかけよ引っかけ」

「60%の確率に収束するなら100回賭けたら多分120万になってるだろう。少なくとも1回で100万かけるよりもリスクが低くなるといった話だ。1度の勝負だとリスクがすごいってのは分かってくれたか? 資産(バンク)をロール(ころがす)ための管理がバンクロール管理という非常に大事な概念だ。ただ、100回やっても当たるのが40%に落ち着くかもしれないし、80%に落ち着くかもしれないそういうのがギャンブルだ。巴が嫌いなギャンブルのパチンコは分散値を公表していない時点で不公平なギャンブルなんだ。パチンコでは波が荒いとか安定してるとか表現しているがな」

「滅べばいいのにねパチンコ」

「やめてくれ……。まあそれはいいとして、テキサスホールデムはどうなのか。パチンコなんかと違いアナログなんだ。カードは52枚のカードしかないだから、どのくらい偏るかありとあらゆる確率が分析され公開されている。その情報は……見れないが、テキサスホールデムは大体100回トーナメント参加で安定するというこれはプレミアムハンドが来る確率と関係があるのかもな。詳しく分からんけど」

「100回すればいいのね4日あればなんとかなりそう」

「ただし! 安定すると言っても弱ければただただ減らすだけだ! 慣れるまで低レートでやるべきだろう……それに高レートは別物の可能性もある」

「テキサスホールデムで使われるスキルの問題ね……私たちもなんかしら覚えないといけないのかも」

「だから100回と言わずできるだけ回数を増やしてやるもんだ。俺も昔は低レートで修行したもんだ。そこに馴染んでしまうとそれはそれで問題があるんだが……」


低レートに慣れすぎると高レートの場に適応できず低レート専門になってしまうことがままある。だが、それを今話したところで仕方ないか、と考えていると巴から声がかかった。


「ねえ遊都……」


テキサスホールデムの最低参加費を見て呟く。

参加費は最低1ライルから行われていた。


「まさか4500回する……とか言わないわよね」


スタートは誰でも一番下からだ。俺はなんだかスッキリした。


「ねえ。なんでにこにこしてるの? ねえ!」


バンクロール管理やっていて思う。

これは貯玉プレイに通じるものがあるなと納得する。……パチンコは貯玉増えねえけど。



現在所持ライル

【遊都】4433ライル

【巴】4457.8ライル

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