つぎは、どこから始めるの?! 1
「――とても有意義な時間でした」
お開きになる流れだ。
教会の見解『侵略』について、天上人である乙女神との和やかな会談。
器用なことに姉は、あたしと念話で話しながら枢機卿とは、建前だけで会話を成立させてたのだ。
これがキャリアウーマン?! なんだ凄すぎるチート能力か。
乙女神からグーで殴られ、撃沈したところで。
さて、腹の虫が泣いた頃ですね、昼食かな――。
「この後は、妹君の運動も兼ねて白の塔へお連れ致します」
は?!
いや、ちょっと待って。
今、あたしの腹の虫が鳴いたでしょ、グーって。
ぐぎゅるるるーとかも、鳴いてるよ、ほら、鳴いてる。
さも当然に。
いや平然に、か。
彼らはあたしの腹の虫が盛大に助けを叫んでいるのに耳を傾けることなく。
無慈悲にも決断する。
昼食は抜きだと。
ま、まあ。
会話の中で薄々は気が付いてたんだよね。
あたしが出されたお菓子をひとりで喰いきったこと。
間食が過ぎて、おなかぽっこり状態だったこと。
そして――
腹の虫の声が腹減りじゃないってことに。
「ま、軽く運動していってください」
枢機卿だと明かした小兵は、天頂ハゲをかるく搔きながら。
「女神さま?」
『はい』
「この方、本当にお身内なのですか?」
これは失礼な物言いだな。
あたしをチラッと見て話してる――貧相なワンピースを寄越してきたのは教会だろうに。修行用だとか囚人用だが知らないけどね、あたしの肌はデリケートなんだよ!! パンツまでごわごわしてきた。
『その下着はセル個人の所有物でしょ? 他人に用意されたようないちゃもんは良くない』
むむ。
乙女神が敵に寝返ったー。
「あんだけお菓子を平らげて、未だ、当方の蔵を空にし足りないとか。あんまりな気がしますが」
そんな大げさな。
ま、対角上の塔へ移動する道程で、ぽっこりお腹周りもやや縮んだ気がしますが。
これはあたしの消化の早さ。
こんなことで感謝なんかしません。
もっといい服、よこせって話です。
「本当に考えてることがダダ漏れですね、これで会話が成立するのも不思議と言えば不思議ですが」
枢機卿どころか、牢から付いてきた騎士らも頷く。
ぶつぶつ呟くあたしをここ暫くずっと見てきた。
聞こえてないフリも大変だったろう。
労わないけど。
『裏表のないいい子なんですけどね』
そうやって、其処で締めるのか姉よー。




