突然、別れが来たり... 来なかったり? 5
《さあてね。いいか、或いは悪いのかは主観でしかないから、他人の目から見れば対抗しうる力があるのにとか恨み節? そういうのがぶつけられることもあると思うのよ、いえあるでしょうねとしておくわ》
乙女神の声は、あたしの頭の中に直接流れ込んできているもの。
いわゆる、念話と呼ばれてるもんで。
奥歯に物が挟まるような表現なしに、ストレートでどどんぱ押し込まれるような圧さえある。
《――でもね、これだけは正確に分かってることがあるの》
へい。
あたしの口先がとんがった。
《セルがこの世界で『犬死』んだら魂魄の強制退場は免れない》
ほー。
尻目に見てた乙女神ちゃんが一息、こう、諦めムードの息を吐く。
あー、これ呆れてるヤツだ。
《いい。ここでの死は箱庭の法則で『転生を繰り返す』よう出来上がってるの。セルをトリガーとして巻き戻されて続くのと同じようにね、一種の牢獄機能があったんだけどもソレが奪われた。自我に目覚めた箱庭と、分かった上で世界に手を貸す男の存在でね......いい加減、察しがついてほしいのだけど大丈夫かしら?》
つまり。
あたしは追放対象って事になるとか、乙女神は言ってるのだ。
仮に箱庭とは関係のない場所で復活する。
いや。
その時点であたしと、例の監獄とのつながりは無いのだから。
《理解が遅いから困ったけど、まあ、概ねそういうこと。神々の手によってセルという魂には封印されたものが多くあって、物理的に奪えたものは世界の『再生と終焉』に関する例外的な権能だけなのでしょう。まあ、それでも強力な神の力ですし、これはセルの持つ力》
乙女神の真なる姿を持って箱庭に降臨するには。
いささかサイズが足りないのだという。
故の少女降臨なのだから、アバターとして身を捧げた彼女の献身は報われてしかるべきのような。
《報いるわよ、先にも漏らしたけど》
ふんふん。
《みっつの界は修復を終えて、再生の道に入ったわ。楽園にある魂たちの帰還先として地上は楽園のような状況になってるの》
つまり、箱庭が暴走したのは肌感覚で知ったのだ。
自分の存在意義についてを、だ。
三界と呼ばれるものは正しく再生した。
それで過ったのは『世界』が尽くした貢献の気持ちということだが。
勝手に思い込んだのかもしれない。
このままでは消滅させられる――とか。
あんなに奉仕したのに?
まあ、あるかもなあ。




