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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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突然、別れが来たり... 来なかったり? 4

『その『侵略』の解釈だけけど、赤の枢機卿()()は何処まで?』

 ん? 何その含み。

「や、巫女姫さまから事前に伝えられていましたが」

 小兵が頭頂部を撫でている。

 乙女神も――あ、そっちなの――ばりに驚いてはいたけど、平静を装って。

 咳払いの後。

 口元に丸めた手を置いて。

『わたくしにはかりごとは通用しなくてよ』

 少々、声は上ずってたけど。




 目の前の豪奢な衣装の修道士は静かにうなづいたが。

 乙女神おねえちゃんの天然をしかと見よ!

「猊下の戯れにお付き合いくださりありがとうございます。そこで女神さまの知見につきまして、我ら“赤”は、この『侵略』に対して世界真理の書き換えが行われていると見ています」

 真理の書き換え。

 乙女神をひと柱として、天地の創造と人理の定め。

 まあこの場合は宗教的な人の法のような言葉かな。


 某国の某皇子が絶賛、やらかしてるであろう行動。

 それが正に『侵略』だと思われる。

 彼らにとって魔神やら魔物が跳梁跋扈する世界になんの魅力があるのか。

《今のこの箱庭だって、魂たちに細やかな()()()()があれば他に何かを考える余裕が無くなるから、魔物が放置されてるのよ? それで冒険者ギルドが世界のネットワークという奇妙な情報伝達力そくじせいを有し、法外な戦力で撃ち滅ぼしている。ま、しばらくすれば魔物たちは驚異レベルまですぐに回復するのだけどね》

 なんつう怖い事を。

 あたしに明かす前に、目の前の枢機卿に明かしてそして神罰を受けるといいのだわ。

《自分で受けてたら世話ないでしょ》

 そっか。


 あ、でも――。


 深刻なダメージを被ってるように見える教会関係者。

 いあ、実際に歩き修道女でもあった後輩の紅は、各地の噂レベルまで調査対象にして収集し。

 各区画の司教区で事の大小に努めてた。

 もうひとりの後輩、蒼の魔女も同じだ。

 彼女の索敵の高さ、潜入能力で情報の精度を探ってきた、小動物を使ってのささやかな人海戦術で。

 故に彼らは『侵略』を深刻に受け止めたのだ。


 じゃあ...神秘の秘匿は。

《戦力の増強でしょう、冒険者ギルドだって天界こちら側の勢力であっていがみ合う必要はないんだけどね。そこはほら、人が運用する立場となれば》

 そっか。

 派閥問題。


 じゃ、ある意味。

 この状況に真剣に向き合ってたと思ってあたしらが、実は一番卑怯なのか。

 権能に叶わないからあたしら逃げ出します――って流れなのに壮大な ことになってた。


 こちらの風呂敷を閉じようとして、

 またどこかの風呂敷が拡げられたような気分だわ。

 本当にこれでいいのかしら。

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