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平民、魔法警察になる。  作者: 鼠の前歯
1章 憧れへの一歩
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名家の2人

魔力測定はどの属性で受けるのか、システに聞いた。


「システはどの属性で受けるつもりなんだ?」


「一番コントロールできる水属性かな。俺、水は結構得意なんだ」


 システはそう答えながら、すでにソワソワと落ち着かない様子だった。水属性には相当な自信があるらしい。


「早く受けたいな……待つのがもどかしい」


「エメリは?」と逆に聞かれたので、俺も答える。


「俺は風属性かな」


「派手さはないけど、一番扱いやすいんだ。火や水で失敗するより、よっぽどいいだろ」


「なるほど。確かに無難だな。風属性もいいよねぇ。風使いって珍しいし、意外と便利そうだ」


 そんな話をしながら、魔力測定の試験場所に着いた。最後の試験だけあって受験者が多く並んでおり、かなり時間がかかりそうだ。だが、これは他の受験者の魔法を参考にできる貴重な機会でもある。


 受験者のほとんどは水、火、土を使っている。どれも攻撃力が強く、実戦では前線で活躍する属性だ。


 そんな中で、特に目立ったのは二人だった。


 一人目は、先ほどの金髪でクールな男——騎士団に向いていると思ったあの人だ。彼は誰も使っていない光属性の魔法を放った。


 的の人形に向けた技は、瞬きをするかのごとく一瞬で腹部を貫いていた。


 衝撃的な光景に、試験官は愉快そうに笑い、周囲の受験者やシステは「知っている」という顔で頷いている。俺だけが初めて見る光景に、心を躍らせていた。


 興奮のあまり、隣にいるシステの肩を揺する。


「おい、なんで驚かないんだよ! すごすぎるだろ、あれ!!」


 システは俺の反応に目を丸くした。


「……まさか、フォリオ様を知らないのか?」


「フォリオ? 聞いたことないけど。そんなに偉い人なのか? 『様』付けしてるし」


 システは大きくため息をつき、呆れたように首を振った。


「グリフォン様と揉めるし、フォリオ様のことも知らないなんて……お前、本当に面白い奴だな」


「教えてくれよ。何者なんだ、そのフォリオって人は」


「フォリオ様は、王族騎士団のトップの家系のご子息で、現トップの息子だ。次期、国のナンバー7の一人になるお方だよ。つまり、かなりの大物だ」


「へぇ……すごい家柄なんだな」


 なるほどと納得しつつも、俺は素直に疑問を口にした。


「でも、なんで王族騎士団の家系の者が、魔法警察を目指すんだ? 身体能力だけ見ても、明らかに騎士団向きだろ」


 システは困ったように首を傾げた。


「理由までは知らないな。本人に聞いたこともないし。でも……あの魔法を見れば、なんとなく納得いくだろ? 光属性なんて、滅多に使えないし」


「確かに……あれは本物だ」


 そしてもう一人は、グリフォンだ。


 彼は火属性を使っていた。人形に向けて放った技は、立派な火柱となる。人形を包み込み、空高くまで燃え上がる光景は圧巻だった。人形は黒焦げになり、ぼろぼろになっている。


 システはグリフォンについても、少し声を落として教えてくれた。


「あいつはグリフォン家の跡取りだ。国の財務を代々担っている大貴族で、頭が良くて非常に優秀な者しか出ないと有名なんだ。成績もいつも上位らしい」


「あの口の悪い奴が? 暴力的で愛想もなくて、怒るとすぐ胸ぐら掴むくせに……」


「外見や性格と中身は違うってことだな。とにかく、家柄も実力も本物だよ」


 それを聞いて、俺は少し感心した。あんな態度の奴が、そんな凄い家の出身だったとは。


 彼もなぜ魔法警察を目指しているのかは不明だ。だが——


 俺も、そんな二人と肩を並べられる実力になってみせる。


 心にそう決めていると、ついに自分の番がやってきた。

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