システとの出会い
少し休憩して、次の測定に向かう。
次は100メートルの短距離測定だ。目安は12秒。
早速列に並び、前を走る受験者たちの様子を観察する。なかなかの速さだ。特にあのクールな金髪の男——タイムは10秒台。あんなに足が速いなら、騎士団の方が才能を活かせるんじゃないか。どうして魔法警察を目指したんだろう、と思っていると、自分の順番が来た。
気合いを入れていると、隣のレーンに立った受験者がふらっと話しかけてきた。
「お互いに12秒目指して、頑張りましょう」
突然の声に少し驚いたが、素直に返す。
「……頑張る」
スタートの合図。スタートダッシュは上手くいった。このまま行けば11秒台も狙える——そう思いながら走り切り、ゴールした。
タイムは11秒93。
「よっしゃー!」
思わず声が出てしまう。
そのままの調子で次の競技に向かおうとしたところ、さっきの受験者が息を整えながら声をかけてきた。
「速いですね。俺なんか、あなたの横につくこと一度もできなかった」
「君が走る前に話しかけてくれたおかげで、力みが取れたんだ。ありがとう」
そう言うと、彼は笑顔で頷いた。
「良かった」
いい人だな、と思う。そういえばまだ名前を聞いていない。
「君の名前を教えてくれない?」
そう聞くと、彼は
「俺の名前はプラト・システだ。プラトでもシステでも、好きな方で呼んでいいよ」
と笑顔で教えてくれた。俺も
「エメリ・ボルティモアです。呼び方は何でもいいよ。これからよろしく」
と笑顔で返す。
それからというもの、次の測定からはシステと一緒に受けることにした。幅跳び、ボール投げ、懸垂、柔軟、握力——すべてで二人とも目安をクリアした。
一通りの測定が終わり、残すは魔力測定だけ。
俺は魔力をまだ完璧に使いこなせていないが、中級程度なら出せるという自信がある。システも魔力には自信があるらしく、中級までならコントロールできるとのことだった。
二人で軽く頷き合い、気合いを入れて魔力測定の会場へ向かう。




