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平民、魔法警察になる。  作者: 鼠の前歯
1章 憧れへの一歩
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1次試験開始の声

広い校内を歩いて校庭に出ると、受験者らしき人たちがすでに集まっていた。見たところ、試験監督はまだ来ていないようだ。


 俺は駆け足で受験者たちのいる場所へ向かった。集合時間ギリギリで、なんとか間に合った。


 一息つこうとしたそのとき、受験者の何人かが揉めているのが目に入った。


「お前、なんでここにいるんだ? お前みたいな身分の低い奴は、冒険者でもやってろよ」


 高圧的な態度と口調で、相手を罵っている受験者がいた。身分が低い……? 何者なんだろう、と考えていると、相手の声がさらに強くなる。


「お前といると、俺たちの格が下がるんだよ!!」


 暴力を振るいそうな気配がした。咄嗟に体が動いていた。


「暴力は止めろよ!」


 彼は俺を睨みつけ、低い声で吐き捨てるように言った。


「なんだ、お前は。俺が誰だかわかんねぇのか」


「君が誰かは知らない。でも、誰であろうと他人に暴力を振るうのは、魔法警察を目指す者として良くない」


 はっきりと言い切る。


 彼はピキッと顔を引きつらせ、俺の胸ぐらを掴んできた。手を出そうとしたその瞬間——


「そこの二人、何をしている」


 低く、しかし驚くほど落ち着いた声が響いた。振り返ると、試験官らしき男性が立っていた。


 彼は俺を軽く突き飛ばすと、平然と言い訳した。


「これは挨拶の一環ですよ」


 試験官の男性は、それを聞いて楽しそうに笑った。


「そうかそうか、それは変わった挨拶だなぁ!!」


 俺はよれてしまった胸元の服を直し、静かに立ち上がる。


 それを確認した試験官は、声の調子を変えて言った。


「よし、ではこれから一次試験を始める」


 ついに、この時が来た。俺は気持ちを切り替えた。

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