1次試験の前に
門をくぐり抜けて、中央の中庭を歩けば、王立魔法警察育成所の校舎入り口がある。受付はそこでやっているはずだ。
中庭を歩き、校舎の入り口前まで来た。
「よっし!!」
気合いを入れて扉を開け、中に入る。
受付のあるロビーは広くて綺麗だ。周りを見渡すと受付らしき場所が見つかったので、そこへ向かう。
「すみません、入学試験を受けに来た者なのですが」
受付の人に声をかけると、優しく応じてくれた。
「入学試験の方ですね。受験番号とお名前を教えてください」
「受験番号は1025番、エメリ・ボルティモアです」
受付の人は受験番号と名前を聞き、受験票を取り出して照合を始めた。すると受験票に文字がふわりと浮かび上がってくる。照合が終わると、記載されている情報を読み上げて最終確認が入った。
「えーと、エメリ・ボルティモアさんですね。18歳で間違いないですか?」
「はい」
返事をしながら、少し不安が胸をよぎる。
案の定、受付の人が俺の出身地を読んだところで声の調子が変わった。
「エメリさんは、ロワ地方の平民の方なんですか?」
珍しそうに聞いてくる。
そう聞かれるのも仕方ない。魔法警察は国に直属する仕事、つまり国家公務員だ。この世界では国家公務員になるのは身分の高い人というのが一般的な認識で、平民の、ましてや田舎出身の俺が受けること自体が滅多にない。
「……そうです」
緊張気味に答える。
受付の人はそれを聞いて、受験票を差し出した。
「合格できるように、頑張ってくださいね」
その言葉に、俺は少し安心した。受験票を受け取り、1次試験が行われる校庭へ向かう。




