解放と影の観察者
オリオンとミラは城から出た…。
重い木製の扉は開かれたまま、外の空気はどこか違っていた。軽い。
まるで何かがこの場所を締め付けていたものが――消えたかのように。
村人たちが距離を置いて集まっていた。
疲れ切った顔。恐怖。しかし今はそれだけではない。
迷い。
現実感のなさ。
一人の老人がゆっくりと前に出て、城を見上げ、それからオリオンとミラを見た。
「……お、終わったのか?」
ミラは彼を見てから、その後ろの人々を見渡した。
子供たちは母親の背に隠れ、男たちは警戒しながら様子をうかがい、女たちは互いに身を寄せ合っている。
ミラは小さく息を吸い、そしてはっきりと告げた。
「終わったわ」
沈黙。
言葉の意味がまだ理解されていないような静けさ。
そして彼女は続けた。
「あなたたちは……自由よ」
その瞬間――
張り詰めていた空気が崩れた。
膝から崩れ落ちる者。
泣き出す者。
子供を強く抱きしめながら「終わった…終わった…」と繰り返す女性。
老人がさらに一歩近づき、涙を浮かべながら尋ねた。
「あなたたちは……何者だ?」
ミラは一瞬だけ迷った。
だが、その前に――
オリオンが静かに言った。
「どうでもいい」
彼は短く視線を向ける。
そこに同情はない。
かといって、冷酷さだけでもない。
ただの事実。
「生きろ」
そう言うと、背を向けた。
ミラは彼を見て、それから村人たちを見た。
そして小さく微笑む。
「自分を大事にして」
そう言って、彼の後を追った。
二人が遠ざかっていく中で、村は少しずつ音を取り戻していく。
しかし――
全員が彼らに感謝の目を向けていたわけではなかった。
遠く離れた建物の屋根の上。
一人の男が立っていた。
静かに。
青いロングコートが風に揺れる。
顔は影に隠れているが、その目だけが鋭く光っていた。
彼は城を見下ろし、そしてオリオンに視線を移す。
数秒間、彼を見つめる。
そして小さく笑った。
「……ナイツ・オブ・シャドウ、か」
声は静かだったが、明らかな興味が含まれていた。
ゆっくりと手を上げる。
周囲のマナがわずかに揺らぐ。
そして――
彼の姿は消えた。
まるで最初からそこにいなかったかのように。
その下で。
オリオンが突然足を止めた。
ミラが振り返る。
「どうしたの?」
沈黙。
一秒。
そして彼は言った。
「……いや、何でもない」
だが――
ほんの一瞬だけ。
彼は先ほど男がいた方向を見た。
そしてその目が――
わずかに細められた。
あとがき
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