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第136話 さらばアケうにょ8

時刻は12:00。打ち始めて2時間だ。・・・そろそろ本気出す。ルネは順調にメダルを増やしてプラス500枚くらいか。こちらは±0付近をずっとウロウロしている。まぁ勝ちたいってのはあるけど、一番は思い出が欲しい。フリーズを引いたとか一撃100連したとか、もしくは天井2連続とか。今日という日をより脳に焼き付けておきたい、そんな気持ち。


「CHACE!」

サブにセットしているカディアがしゃべる。何度この効果にも救われた事か。今回は準備中にハマる+ベルが少なく獲得枚数が10枚。体感この枚数だと2割ほどで効果が発生してる。30Gリスタート。・・・結局次のセットで終了。うーん。全然出玉に繋がらないな。

「ちゃーんす。」

隣に座っているルネがしゃべる。何度この声に救われた事か。

「お、おう。どした?」

特段「ちゃんす」でもなく何事もない通常時。何がチャンスなのか考える。

「別になんでもないけどさ。あんまり楽しんでなさそうに見えたからさ。喝だよ。喝。」

驚きからの無言。そう見えてしまったか。・・・最後の日だから思い出が欲しいとか、そんな考えが楽しむことを難しくしていたのかも。平凡な展開、これも立派な思い出か。±0だって一つの思い出だよな。

「ん。ありがと。少し気が楽になったよ。」

「いいってことよ。」

ホントいい女だよなぁ。こうやって隣で話しながら打てる。これだけでも幸せなんよな。・・・よし。楽しんでこ。


レバー叩いて秒を重ね、停止するボタンが分を刻む。紡いだ時が増減するメダルとなってぼくらの記憶となっていく。2人のコレクション。


時刻は16:00。ふとCZ中のルネを見るとなんと目を瞑って指を動かしている。・・・パーフェクトは逃しているがノーミスだ。・・・マジかよ。

「すご。え、いつから目を閉じて挑戦してるのさ。」

「うん。3回前のCZからだね。多分もう目瞑ってもできるなと思って。意外とできてびっくりしてる。」

最後だし色々楽しんでみようってことね。おけ。

「やることが凄いわ。おれも真似する。」

「え。格ゲーで目を閉じるのはさすがに無謀でしょ。」

と思うじゃん?・・・おれもそう思う。

「まぁ見てなって。」

口調だけは余裕だぜって雰囲気を醸し出す。さぁこちらもCZスタート。何となく敵はここだろうというとこでコマンド。・・・このHIT音は敵の攻撃、外したか。今ここら辺にいるはずだから・・・。うん。まず壁を背負って自分の位置を明確にしよう。うるさいパチンコ店とはいえ集中すれば敵のダッシュの音やジャンプの音は聞こえるはず。集中だ。・・・うん。多分今ダッシュで近づいてきた敵が目の前にいる。・・・ということは多分下段始動の小技が来る可能性が高い。軽くジャンプして交わして着地と同時に2A。入った音がする。そのままコンボを入力。よしよし。いい感じ。

「すごいよ。ホントに目瞑ってる?」

「もちろん。壁を背負ったのは自分の位置を明確にするため。ジャンプしたのはダッシュでちかづいてきたメカライオンは下段攻撃読み。」

得意げに話すがワンミスが命とり。メカライオンの無慈悲な攻撃力を前に1戦目は敗北。期待値を考えればあるてめのノーコン効果も継続している以上、ここは通常にプレイして無難に勝利すべきところ。・・・否。楽しんでいこうぜ。

「え、まさかの目閉じプレイ続行?」

「もちろん。今のでなんとなくコツはつかめた。」

・・・と思ったのだが結局まともに2コンボ喰らうと負けるのだ。多少敵の動きが想像できたとて待ち受ける結果は敗北である。

「あ~あ。負けちゃったね。・・・?あれ、今楽しそうな顔してない?」

そうなんだ。コンティニューに使うメダル5枚とあるてめの連動効果のリセット。損しかしてないはずなのに久々の敗北に心が躍っている。みーもダンシング。

「これが楽しいんだわ。だって久々にどうやって勝とうか考えてる。」

いつ以来のコンティニュー画面だろうか。懐かしい。

「ルネ、このCZ中イヤホン貸してくれない?目閉じプレイには必要だ。」

「・・・もちろん。楽しそうになってきてよかった。」

イヤホンを装着し次の相手はジェニー。負けないからな。

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