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西国無双の美女  作者: 亜井下茶女
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遊撃騎馬隊

西国無双の美女六


それから、訓練を始めて半年が過ぎて行った。


其処で、各小隊から、偵察兼伝令役を三名選んでいた。


そして、紅白に別れて、実戦さながらの訓練を始めたのである。


もちろんスペンサー銃には、空砲を使用しておいたのであった。


赤組、、沢城佐之助を大将に、白組、、天乃虎姫を大将にして戦うのである。


そうしてるうちに、いざ出陣となっても充分戦力になるのを確信していたのであった。


それから、二ヶ月が過ぎた頃、又もや反乱軍の討伐が幕府方からあったのである。


その反乱軍討伐には、肥前佐賀藩に命じられたのであった。


「何故、、我が藩には、来ないのか?」


「其れは、きっと、規模が少ないのでしょうね、、虎姫様、」


「そうなのか? 沢城、」


「あんまり気になるなら、殿様に聞いてみると良いですよ、」


「あぁ、そうか、、それじゃ聞くとしようかな、、」


虎姫は、直ぐに熊本城に向かったのである。


熊本城内に入り虎姫は、細川藩主に御目通りする。


細川藩主は、家来衆を下がらせて、虎姫と二人だけで話していた。


「此処だけの話しだが虎姫、今回の件は、海軍訓練兵の実戦を経験させる為の討伐なのだよ、」


「えっ、長崎の海軍訓練兵ですね、、」


「今回の作戦参謀は、あの勝海舟なのだよ、佐賀藩は包囲して猟犬の役目をする、、」


「そうなのですか、、、」


「ただの猟犬の役目など虎姫は、嫌であろう、、」


「そうですとも、、それじゃ、海側に追い込んで海軍に任せるつもりですね、」


「あぁ、そういう作戦らしいのだよ、虎姫、」


「はい、分かりました、殿様がそうおっしゃるなら従います、、」


「あと、、もしものことを考えて、援軍を要請してくるかもしれないので、準備だけはしていてくれ、」


「はい、かしこまりました、殿様、」


細川藩主の言葉を信じて、虎姫は援軍の準備を整えていくのであった。


虎姫は、遊撃騎馬隊の中から偵察隊を三班に分けて送り込んでいた。


南東部と西南部の偵察隊が戻ってくる。


「どうだった?」


「はい、佐賀藩の隊は反乱軍を包囲して追い込もうとしているのですが、逆に追い払われています、」


「南東部も同じ戦況であります、大将、」


「北東部に行ってる偵察隊は、まだ戻って来ないのか?」


「はい、そのようですね、虎姫様、」


「情報が得られなくとも、五日以内に戻ってくるように言っておいたのだが?」


「何かあったのでしょうか? 虎姫様、」


「そうかもしれないな、、沢城、」


取り敢えず、あと1日待ってみることにした。


そして、次の日になっても偵察隊が戻ってくることはなかった。


その次の日に、細川藩主の予想通りに援軍の要請が入ってくる。


遊撃騎馬隊の出陣命令が下ったのである。


「沢城、、女岳山から迂回して佐賀藩の本陣に向かう、いいな、」


「はい、虎姫様、、偵察隊の捜索してから本陣に向かうのですね、」


「あぁ、そうだよ、、良く分かったな、沢城、」


総大将、虎姫を先頭に遊撃騎馬隊の出陣であった。


途中、道筋に村人たちが集まって来ていた。


村人たちは、総大将虎姫の激励にやって来たのである。


虎姫のところに若い娘がやってくる、手には花束を抱えている。


「虎姫様、、コレを、、」と花束を差し出していた。


「悪いが、その花束は受け取れない、すまんな、、」


その若い娘は、虎姫に言われて哀しい顔をしていた。


「ならば、一本だけ貰うとしよう、、」


虎姫は、花束の中から、鉄砲百合を一本抜き取りタネガシマの銃口に刺していた。


「ありがとうございます、虎姫様、良くお似合いです、」


「はい、そうしてると絵になりますね、虎姫様は、、、」


遊撃騎馬隊の兵士たちは、笑いを堪えているのであった。



ただ一人で笑っていたのは、沢城佐之助であった。


「虎姫様、その派手な陣羽織に百合の花が良くお似合いですよ、」笑


「あぁ、コレは殿様から頂いた虎の刺繍の陣羽織だよ、沢城、」


細川藩主が虎姫の為に特別にあしらえた陣羽織である。


刺繍糸には、金糸が使われて裏糸には細い鉄線を織り込まれていた。


今で言うボーダンチョッキのようなものであろうか?


虎姫には、ちと重い気がしていた。


何にせよ、細川藩主に虎姫は大事にされている証でもある。


こうして、遊撃騎馬隊は、肥前佐賀藩の援軍に向かうのであった。


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