12.教皇
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「お前が教皇か?」
怒りを押し殺した声。
だが。
隠しきれない殺気が滲んでいた。
静まり返った部屋。
その中央に立つ男が
ゆっくりと口を開く。
「……いかにも」
落ち着いた声。
感情は薄い。
「私が教皇だ」
一歩も動かない。
ただ。
大地を見下ろす。
「わざわざ騒ぎを起こしてまで来て
なんの用だ?」
淡々とした問い。
まるで。
“取るに足らない存在”を見るように。
その態度。
その一言で。
大地の中の何かが――
切れた。
「……用?」
一歩、踏み込む。
「決まってんだろ」
拳を握る。
「俺の家族に」
歯を食いしばる。
「ずいぶん好き勝手してくれたな」
空気が重くなる。
フランが小さく震える。
ラステリも
ぴたりと動きを止める。
だが。
教皇は――
笑った。
鼻で。
「……家族?」
明らかな嘲笑。
「魔物が?」
目を細める。
「お前は何を言っている」
冷たい声。
「魔物は魔物だ」
一歩、前へ。
「人を害する存在」
「排除されるべきもの」
言い切る。
一切の迷いもなく。
「それを家族などと呼ぶとは」
小さく息を吐く。
「理解不能だな」
完全否定。
完全拒絶。
価値観が。
真っ向からぶつかる。
大地の目が細くなる。
「……そうか」
一歩、前へ。
「なら」
低く言う。
「これ以上話しても無駄だな」
黒い指輪が光る。
「そろそろ消えてくれ」
その瞬間。
空気が弾けた。
「排除対象だ」
教皇が手をかざす。
光が収束する。
次の瞬間。
閃光。
「っ!!」
大地が横に跳ぶ。
背後の壁が抉れる。
光魔法。
しかも――
速い。
「気をつけろ!」
「うん!」
フランが歌う。
ラステリが分裂する。
マルディが笑う。
「いきますよ〜!!」
戦闘開始。
ラステリが突っ込む。
分裂。
刃を投げる。
高速。
正確。
だが――
「遅い」
教皇の身体が動く。
消えるような踏み込み。
次の瞬間。
拳。
「っ!?」
ラステリの一体が弾き飛ばされる。
衝撃。
ただの打撃。
だが威力が異常。
「インファイト……!?」
大地が目を見開く。
光魔法だけじゃない。
「近距離戦も行けるのかよ……!」
教皇は無言。
だが。
動きは洗練されている。
無駄がない。
完全に“強者”である。
フランの歌が響く。
バフ。
ラステリの速度が上がる。
マルディが指揮する。
「左右から挟むっす!!」
骸骨兵が押し寄せる。
数の暴力。
だが。
教皇は止まらない。
「……邪魔だ」
光が爆ぜる。
骸骨兵が消し飛ぶ。
マルディの目が細くなる。
「うわ〜これはきついっすね」
軽く言う。
だが。
声は真剣。
ラステリが再突撃。
分裂。
三方向。
同時攻撃。
だが。
「甘い」
教皇の足が動く。
流れるような回避。
カウンター。
蹴り。
「っ!!」
ラステリがまとめて吹き飛ぶ。
壁に叩きつけられる。
「ラステリ!!」
大地が叫ぶ。
「……弱いな」
教皇が呟く。
「これが“家族”か?」
一歩、近づく。
圧。
完全な強者。
大地の歯が軋む。
「……まだだ」
黒い指輪が脈動する。
怒り。
それが力になる。
「ソル・フロールは」
低く言う。
「ここで止まらねぇ」
再展開。
舞台が広がる。
足場。
光布。
空間制御。
教会内部が歪む。
「環境を変えるか」
教皇が構える。
だが。
それでも。
「通用すると思うな」
光が集まる。
次の瞬間。
爆発。
舞台が一部吹き飛ぶ。
「……っ!」
大地の目が見開く。
「壊してくるのかよ……!」
完全に対策されている。
想定以上。
「アニキ!」
マルディが叫ぶ。
「これ普通に強敵っす!!」
「見りゃわかる!!」
余裕がない。
完全に。
押されている。
フランの歌も揺れる。
ラステリもダメージが大きい。
マルディの眷属も削られる。
それでも。
止まれない。
「……っ」
大地が前へ出る。
「まだ終わってねぇ」
怒りを乗せる。
「ここで止まるわけにいくかよ!!」
教皇が静かに構える。
「ならば」
光が収束する。
「ここで終わらせる」
圧が高まる。
次の瞬間。
決定的な一撃が――
放たれようとしていた。
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