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3.王都の舞台

王都――エターニア。

巨大な城壁。

整然と並ぶ石造りの建物。

人、人、人。

「……でけぇな」

華岡大地は思わず呟く。

これまでの街とは

明らかに“格”が違う。

ラステリが

ぴょこんと跳ねる。

――ひとがいっぱいです……

フランも目を輝かせていた。

「すごい……全部が大きい……」

マルディは

ニヤニヤしながら周囲を見回す。

「いいっすねぇ〜

 人も多いし、視線も多い」

軽く指を鳴らす。

「最高の舞台っすよここ」

「まずは情報だ」

大地はそう言って

ギルド本部へ向かった。

王都ギルド本部。

扉をくぐった瞬間、

空気の“質”が変わる。

ここにいる冒険者は

明らかに一段上だ。

だが。

大地は止まらない。

「推薦状だ」

受付に差し出す。

すぐに奥へ通される。

応接室。

現れた男は

落ち着いた目をしていた。

「話は聞いています」

静かな声。

「スタンピードの鎮圧、

 ダンジョンの単独攻略」

一瞬の間。

「……見事です」

評価は明確だった。

大地は頷く。

「この街の状況を知りたい」

男は少し考え、口を開く。

「王都は多くの勢力が集まる場所です」

「冒険者、商人、貴族――そして教会」

その言葉で

少し空気が変わる。

「教会は強い影響力を持っています」

「特に」

視線がわずかに鋭くなる。

「ダンジョンとモンスターに対しては

 極めて排他的です」

大地は黙って聞く。

「彼らはそれを“害”と見なす」

「存在そのものが排除対象」

ラステリが

びくっと震える。

――え……

フランも

少し顔を曇らせる。

「……じゃあ」

大地が静かに聞く。

「使役してる場合は?」

男は迷わず答えた。

「同じです」

一拍。

「本来なら排除対象」

「ただし」

少し肩をすくめる。

「街中では問題を起こせない」

「だから直接は手を出さない」

「その代わり――」

一瞬だけ、苦い顔をする。

「駆除以外なら何でもしてくるぞ」

沈黙。

マルディが

クスッと笑う。

「陰湿っすねぇ」

「……そういうことだ」

男は頷いた。

そして話を切り替える。

「王都には“舞台”もある」

指を立てる。

「国が管理する貸しステージ」

大地の目が変わる。

「……場所は?」

「中央区の役場です」

即答。

「ただし人気は高い」

「競争になりますよ」

大地は笑った。

「問題ない」

王都役場。

人で溢れている。

その中で。

「ステージ使用申請だ」

大地ははっきり告げる。

手続きは進む。

書類。

確認。

短いやり取り。

そして。

「……許可します」

あっさり通った。

フランが

ぱっと笑う。

「やった!」

ラステリも跳ねる。

――ステージです!

マルディはニヤニヤ。

「さすがっすねアニキ」

大地は

小さく息を吐いた。

「よし――」

その時だった。

扉が開く。

入ってきたのは

白い法衣の集団。

静かな圧。

そして。

視線。

明らかに。

嫌悪。

ラステリに向けられる。

フランに向けられる。

マルディに向けられる。

「……不浄な気配がすると思えば」

低い声。

一人の男が前に出る。

「やはりか」

その視線は

完全に敵意だった。

「モンスターを従える者が

 王都に現れるとはな」

ラステリが

びくっと震える。

フランも

一歩下がる。

だが。

マルディは笑っていた。

「いや〜バレてるっすねぇ」

軽い。

だが。

大地は一歩前へ出る。

「何か問題か?」

男は冷たく言う。

「問題しかない」

一歩近づく。

「本来なら排除すべき存在だ」

空気が凍る。

「だが」

苛立ちを押さえ込むように。

「ここは王都だ」

「無用な騒ぎは起こさない」

一瞬の間。

その代わりに。

「覚えておけ」

低く、はっきりと。

「そのような穢れた力で

 人を惑わすことは許されない」

完全な否定。

そして侮蔑。

大地は

静かにそれを受け止めた。

そして。

小さく笑う。

「……惑わす?」

一歩前へ。

「違うな」

真っ直ぐ見返す。

「俺たちは」

はっきりと言い切る。

「笑顔を作る」

沈黙。

「お前らが何を信じてるかは知らない」

だが。

声は揺れない。

「でも俺たちは

 人の笑顔を求めているだけだ!」

その言葉に

空気が変わる。

マルディが

ニヤッと笑う。

フランも

少しだけ前を向く。

ラステリも

小さく頷く。

男は目を細めた。

「……くだらん」

吐き捨てる。

「いずれ分かる」

背を向ける。

「その力が

 人を滅ぼすということがな」

去っていく教会の者達。

重い空気だけが残る。

しばらくして。

マルディが笑う。

「いや〜」

肩をすくめる。

「完全に目つけられましたねアニキ」

「だな」

大地はあっさり返す。

だが。

その顔には

少しも後悔はなかった。

むしろ。

楽しそうにすら見えた。

「なら、

見せるしかないだろ」

フランが頷く。

「うん」

ラステリも跳ねる。

――がんばります!

大地は笑う。

「舞台でな」

王都。

エターニア。

ここで。

ソル・フロールは

新たな戦いに挑む。

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