姉妹の潜入
馬車の中で魔法による警戒をする私に反して落ち着いた様子のチェロが口を開いた。
「見えてきたわ」
学園の門の前には入学希望者の列ができていた。
馬車が門前の列に合流した。周囲には人間ばかり。剣を背負った少年、杖を抱えた少女、目をぎらつかせた傭兵崩れー誰もが野心を抱えてこの門をくぐろうとしていた。
若き才能たちが集う場所...その内臓を掻っ攫い、敵に後を残さず食い破るためにやってきた。
「ルーファ・リアス、チェロ・リアス...姉であるルーファさんだけ身分証の発行が最近なのには訳でもあるのですか?」
受付前の警備員に止められる。
「それは学費の為に働いていたのもあって...姉は夜街の出身でして...」
半ば雑とも思える設定をチェロが口にすると。
「すみません..出身地が夜街だと学内の風紀に関わるというのもあって、何かしら都合が欲しいのです...推薦に値する観測など受けられては?魔力の測定であれば今すぐ出来ますが」
すると警備員が水晶の柱を差し出した。
ルーファ
(魔力測定器なんぞ触れたこともないぞ?)
チェロ
(あはは...(~_~;)魔王ハルファスの不思議な力でなんとかならないかしら〜..)
明らかに目を逸らしてコチラに思念を返してくる。
「基準より高い結果になれば入門官への融通を致します、どうかご協力を」
(おい!ビッチェロ…これではまるで売春目的の入学者と宣伝するみたいなもの...後で厳罰に処す)仕方ない)
ニコッ、と水晶に掌を翳す。
ガキャン!と、水晶はヒビを走らせた。
「こ、これは測定不能ッッ!?急いで報告してきます!ご協力頂きありがとうございました!」




