22/25
不良
〈ビッチェロと二人飲みをする少し前...〉
フレグランス街...そこは帝国の中でも昼と夜で間反対の様相を見せる。
振り返りもせず、煙管をふかしたまま。
「.....誰だ。気配を消すのが上手いな」
艶街にしては妙に暖かめの照明を窓から覗かせる、ドーム状の建物のべランダから煙を立ち上らせながら胡座をかく男の姿。
その背に妾は立っていた
「 朧 白龍..粗末な男なのね、アナタ 」
甘い香と煙草の匂いが入り混じる歓楽街の中心に、その建物はあった。
[夢紫楼] - ミリナが経営する人間界最大の風俗店。
振り返りもせず、煙管をふかしたまま。
「.....誰だ。気配を消すのが上手いな」
黒髪に切れ長の瞳。東方の着流しを纏った青年は、ベランダの欄干に背を預けて夜空を見上げていた。




