秘策の友
私の言葉に、玉座の間の空気が変わった。
たまらずと身を乗り出した魔神将軍グランドス。
「おいおい、マジかよ!?聞かせてくれよその策っての!!」
秘書ノルタが片眉を上げ、しかし期待を隠せない様子でコチラを訝しむ。
蜘蛛女王クラネアは固唾を飲んでいられず、操作を忘れて天井から糸で垂らし席へと着かせている人形をカタカタと鳴らして声を響かせる。
「人類の歴史を出し抜けるのですねぇ...流石は大魔王陛下♡」
ヘルシャンもフードを深く強く被ると歯軋りをしてワクワクに震えていた。
「ですです!!それでこそ___。「魔王様が仰るなら間違いありません!是非この身もお使いください!!」
慎重な面持ちで地べたに尻をつけて拝聴する姿勢を保っていた魔狼ウォルターは呪術師ヘルシャンに割り込んだ。
言葉に尻尾をぴんと立たせ興奮を抑えきれないのもあるだろうしかし...ヘルシャンを嫌ってのタイミングもあった気がするが...まぁ仕方ない。
「この作戦の最高指揮官を任命する」
部下のテンションを宥めるように仕切り直すと共に、魔王である私が玉座から立ち上がった瞬間。
四名に緊張が走った。
(ん〜取り敢えずあやつならば私のハッタリを現実的な場所に落としてくれそーじゃな...よし!)
「ビッチェローじゃ!あやつに任せようぞ!」
「 「 「 「 誰ッ?! 」 」 」 」
張り詰めた空気が知らぬ存ぜぬ者の名によって混迷を極めた。
が、流石は妾の秘書と言ったところか、ある人物に思い当たると芳しくなさそうに顎に指を添えノルタが声を上げた。
「あー...もしかして例の?最高機密保持と供給の任をハルファス様自らが依頼された...ですがお忘れでありませんか...?」
目配せを求めるように横目に見てくるも、目を瞑って沈黙する。
「本当に__?」
「うむ、二言はないぞ…?」
妾の返事にクンクンと頷くと、ノルタは連絡用の手鏡ですぐに手続きを進めていった。




