逸材
魔王ハルファス、彼女は人間の枠にあっても強力な存在であるらしい。
蹴り一つで相手に勝ってしまうほどに。
(ハルファスったら...加減しろって言ったのに...)
最近は魔王とか陛下なんて呼ばれて調子に乗っているのは理解していたけど、人の世界に潜入するとなれば悪目立ちする...。
(学園で勇者候補を刺激するなら持って来い...安直に誘ってしまったけれど...恐ろしいほど劇薬ね)
持参した扇の陰で小さくため息をついた。
会場を見ると歓声はなく、疑問を募らせ唸っている者がほとんど。
しかし実力を持っている者からすると規格外と呼ぶほどではないらしく、冷静に薄ら笑いを浮かべている程度には妥当な倒され方であったらしい。
(良かった.私は心理を読み取ったりするのは得意だけど、実践となるとよくわかんないのよねぇ~...)
逸材と呼べるほどの人間はまだまだ見えない。
そんな流れで私の番になる。
「42番!チェロ・リアス 対5番!マイラ・クエナイ
戦闘、始め!!」
開幕、凄まじい威力の風魔法が私の頬を掠める。
「この大会って殺しても罪にならないらしいの...次は外さないけど、どうかしら?」
相手の風魔法が私の変身魔法に干渉し正体がバレかけた。
「降参!」
戦闘を呆気なく終わらせてしまった。
(初戦から負けてしまったわね...ハルファスへの言い訳は~...よし!)




